23 OCT/2013

鍋の季節到来! “味変え鍋”で素人がやりがちな失敗パターンにご注意

味チェンジ鍋つゆ

新商品『味チェンジ鍋つゆ』なら簡単に味変えできる

寒さも本格的になってきて、鍋の季節到来! 同僚や友人たちと鍋パーティーをする人も多いのでは?

今年は、1つの鍋で2種類の味を楽しむ「味変え鍋」がブームになりそうな予感。ひとり暮らしで作り過ぎた鍋も、途中で別の味にすれば最後まで飽きずに食べられそう。
キッコーマン食品から発売された新商品『味チェンジ鍋つゆ』の開発担当の方に商品の特徴や開発時のポイントを聞いた。

「『味チェンジ鍋つゆ』は、別添のチェンジスープを途中で入れることで鍋の味を変えられるため、最後まで飽きずに食べられる鍋つゆです。『鶏がら塩・担々』『ちゃんこ・白湯』の2種類があり、どちらも最初はあっさり味、チェンジスープを入れるとこってり味に変わります。スープの味と色が劇的に変わることにこだわり、さまざまな種類の味を試したのですが、味の組み合わせを決めるのには苦労しました」

確かに、味や色が劇的に変わった方がお得感も増え、何人かで鍋パーティーするときにも盛り上がりそう。
ただ、市販の鍋つゆを試したら、自分でも新しい味にチャレンジしてみたいかも・・・。プロの開発者でも苦労する味変えの組み合わせ、普段あまり料理をしない人が変わった調味料で味変えしても大丈夫?
そこで、料理研究家の青木敦子さんに、素人が失敗しそうな味変え鍋パターンを教えてもらった。

失敗しそうな味変え鍋パターン1
煮詰まって味の濃くなった鍋に濃い味の物をプラスする

先ほど紹介した商品のように、最初は薄味に作って、何かを足して濃い味にするのが味変えのセオリー。しかし鍋をしていると、水分が蒸発してだんだん味が濃くなっていくもの。そこにさらに味の濃い調味料をプラスすると悲惨なことに・・・。
「例えば、醤油ベースの鍋に大量のソースやケチャップを入れるのはやめましょう」(青木さん)

失敗しそうな味変え鍋パターン2
「何にでも合うから」とマヨネーズを加える

サラダだけでなく、炒め物などにも重宝するマヨネーズだが、水分の多い鍋にはイマイチなのだそう。
「油の部分が分離してしまって見た目も悪く、火が入ることによってマヨネーズの酸味が際立ってしまいます。また、食べたときに油っぽく感じます」(青木さん)
鍋に入れる材料には肉系も多いからつい唐揚げ感覚でかけてみたくなるが、鍋には向かないことが判明。マヨラーは注意した方がいいかも。

失敗しそうな味変え鍋パターン3
キムチ鍋に柑橘系を加える

水炊きや湯豆腐にはぽん酢が合うが、キムチ鍋のように酸味がある鍋には柑橘系は酸味同士がぶつかってしまいNGとのこと。
同じ理由で、ヨーグルトやマスタードもさっぱりとして洋風のおいしさになるかと思いきや、酸味が強いところに別の酸味を足してしまうので相性が悪い。

「一度にたくさんの調味料を加えてしまうと、味が濃くなりすぎて失敗しがちなので、少しずつ味を加えて調整するのがコツだと思います。また、味変え後に加える食材は、あまり火を入れなくても食べられるようなものにすると、焦げたり吹きこぼれたり、煮詰まり過ぎたりすることもなく、失敗を防げます」(青木さん)

スープの味だけでなく、味変え後の食材にも気を遣うといいみたい。ひとり暮らしなら、1日目は普通に食べ、次の日は味を変えて別物に変化させたり、翌朝に豆乳とご飯を加えてあっさり朝ごはんなどにするのがおすすめだとか。
1つの鍋でまったく違う味を楽しめる“味変え鍋”。
失敗に気を付けてぜひ試してみたい!

青木敦子

青木敦子さん

料理研究家、オリーブオイルソムリエ、栄養士、実践女子短期大学卒業。著書に、『おいしいイタリア料理の教科書』(新星出版社)『何でもごちそうに変わる「魔法のイタリアンソース」』(草思社)『おうちでおいしく呑むための「イタリアンおつまみ」』(玄光社)『お豆腐をもっと好きになる本』(扶桑社)『食材を使い切るのがおもしろくなる本』(扶桑社文庫)『調味料ってすごい!』(扶桑社MOOK)など。その他、テレビ、雑誌などの多方面で活躍中。ブログはこちら

取材・文/栃尾江美(アバンギャルド)