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DEC/2012

日本人の三人に一人は悩んでいる「米倉涼子問題」の解決方法を考える 【連載:ビバ!ばら色人生から学ばせて Vol.19】

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ビバ! ばら色人生から学ばせて
ランチタイムのお慰みコラム
ビバ! ばら色人生から学ばせて

慢性化する経済不況、崩壊する社会規範……か弱き女にゃなんとも生きづらいこの21世紀。しかしながら親も学校も、ましてや会社の先輩や上司なんてなおさら、この世をサバイブする方法を教えてはくれません。そう、嗅覚を張りめぐらせながら学んでいくしかないのです。
そこで、昨今話題のあんな方やこんな方の生き方をお手本に、麗しき労働女子がより良き人生を送るための方法論を探っていきましょう。罵声や非難をものともしない図々しくもたくましき女たちの“生き方探訪”。

西澤千央(にしざわちひろ)
フリーランスライター。雑誌『散歩の達人』(交通新聞社)、『クイックジャパン』(太田出版)などで酒場を巡ったり芸人さんにしつこくしたり。Web『サイゾーウーマン』にて女性誌レビューも担当。世間に疎まれながら執筆中。ときどきつぶやくツイアカ→@chihiro_nishi

米倉涼子、私より年上です。

先日、20代女子と今秋ドラマの話をしていた時のこと。「『純と愛』の夏菜を観てると猛烈にノド渇かないですか?」「『幸せの時間』の花屋がヤバイ」など、私のオススメ番組がOLさんに全く刺さらない中、唯一お互いに観ていたのが『ドクターX』でした。「米倉涼子ってね、確か私と同い年くらいですよ」何気ない私の一言にエラく食いついてきた彼女。「ええ?米倉涼子ってそんなに年齢イってるんですかぁ?」

米倉涼子問題

ホンネ、出た!ワォ!閉店ガラガラ~は置いておきまして、彼女曰く「決して若く見えるわけではないけど、とにかくその年齢は意外」なんだそうです。さらに「米倉涼子ってドラマでは主役だし、ブロードウェイにも出てるけど、そんなにスゴイ女優さんなんですかねぇ」という、日本人であれば誰でも一度は抱くであろう疑問をぶつけてきました。そう、これがいわゆる「米倉涼子問題」ってやつです。

私もかつて米倉涼子の取り扱いに悩み、「絶対に笑ってはいけない米倉涼子24時」を自らに課してきた女の一人。あの伝説の「女優宣言~お披露目デビュー発表会」から10年以上、CMでチルドコーヒーをすすりながらカッコイイ先輩を気取る米倉さん、バラエティで往年の日活スター並みの豪快なお人柄を披露される米倉さん、インタビューで「シカゴ」出演について尋ねられ「まさか米倉は歌わないだろうって思われてたんですけど」と自分で言っちゃう米倉さん……次々に訪れる刺客(全て米倉)に対し、「笑ってはならぬ」と懸命に横隔膜を抑えてきました。思えば市川海老蔵とのツーショットなど「笑ってはいけない」の梅宮辰夫とクラウディアそのものであり、それはもう辛い日々でございましたよ……。

そもそも「スピードラーニングを聞き流してブロードウェイへ」という発想が吉幾三センセイの「俺ら東京さ行ぐだ」を地で行っているわけですから、笑うなという方が土台無理な話。「まさか米倉は歌わないだろうって……」くらいで気が付けば良かったのですが、余りにも真剣かつ自信に満ちたその眼差しに怖気づいていたのも事実です。

私に米倉さんを「笑っていいんだよ!」と気づかせたのは他でもない、テレ朝が作りたもうた全身ギャグマシーン、高橋克典氏でした。深夜の通販番組に登場した彼はテカテカの髪に王冠のごとくグラサンを載せ、サテンのシャツを第三ボタンまで外し、黒光りした肌をこれでもかと見せつけていました。何の疑いもなく自らの「特命」を果たすその姿に私は気づいたのです。「そうか……米倉涼子とは……高橋克典か!!」

米倉さんは米倉涼子としての「特命」を果たしているのだと理解し、長きにわたる「絶対に笑ってはいけない米倉涼子」はフィナーレを迎えました。ありがとうテレ朝。ありがとう特命係長(現在は匿名探偵)。

米倉涼子問題

悪女三部作~ナサケの女と、テレ朝が粛々と築き上げてきた「米倉涼子解放計画」。米倉さんのキメ顔である見開いた目は西川きよし師匠レベルに達し、スカートはシャレにならないくらい短くなり、クラブでは謎のダンスを踊り、「私、失敗しないので」という痺れた名言をぶちかます。今まで米倉涼子の取り扱いに苦慮してきた皆様、「ドクターX」を観て大いに横隔膜を震わせましょう!

私たちが米倉さんを安心して笑える理由はもう一つ。それは米倉さん自身が「37歳」という年齢に対して自虐の意識を持ってるようには全く見えないからでしょう。冒頭の彼女が「米倉涼子がもうそんな年だったとは」と感じたその裏側には「空気を読み過ぎる三十路女性」という大号令があるのではなかろうかと察します。何かあるとすぐ「ババアだから」とか「ブスだから」とか「モテないから」とか言ってしまうのがワテら三十路の悲しい性。

以前AKB指原さんのコラムでも書きましたが、自虐というのは激しい承認欲求の裏返しであり、自己防衛本能なんですね。通常の37歳が出しがちな自虐オーラを、米倉さんは一切まとっていません。たぶん微塵も思っていないのでしょう……まさか自分がババアであろうとは!自虐で武装していないから37歳という年齢が「意外」に思えるし、思う存分ミニスカダンスに爆笑出来る。この米倉流「思い込み術」は、控えめ過ぎるニッポン女性たちが見習うべき点かもしれません。

篠原涼子が持ってしまった「意味」や、藤原紀香の「盲信」、観月ありさから漂う「陰」など、年増女優が背負いがちな十字架なんざぁオナラで吹き飛ばす勢いの米倉涼子。もはや「米」とか「倉」とか字面だけでも面白い。テレ朝木曜9時のドラマ枠がある限り、米倉さんの天下は続くでしょう。

イラスト/村野千草(有限会社中野商店)

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