働く女性に効く、正しい「結婚相手の探し方」3ステップ―白河桃子さん×藤井佐和子さん対談・後編
今回はクリスマス特別対談として、少子化ジャーナリストの白河桃子さんをゲストにお迎え。毎日仕事を頑張っている女性たちに、頑張り過ぎていない?ちょっと立ち止まって将来のことを考えてみては? ということで、これからの幸せな働き方や結婚について、キャリアと結婚のプロのお二人に対談していただきました!
≫≫白河桃子さん×藤井佐和子さん対談・前編 「仕事も結婚もできる女性になるためのたった3つの方法」はコチラ
「条件は広く、でも釣り場は狭く」
まずは1つの所でじっくり探してみる
藤井:結婚相手を見つけるには具体的にどうすればいいんでしょう? 婚活のポイントって何ですか。
白河:よく「出会いの幅を広げましょう」と言われますが、私はやみくもに場を広げるより、1つの場所である程度じっくり探してみる方がいいと思います。「条件は広く、でも釣り場は狭く」とでもいうのかな(笑)。これぞと思う場所があったら、しばらくそこで頑張ってみることが大事だと思います。
藤井:結婚を考える相手なのだから、その人のことをじっくり知る機会があるといいですよね。
白河:だから、婚活パーティーやお見合いパーティーは、あまりおすすめしないんです。あれは一過性の出会いの場なので、その場のプレゼン能力や会話力の高い人だけが勝ってしまう。それよりも、何かしらの作業を一緒にしながら、お互いを深く知り合える場に行くといいですよ。ボランティアを一緒にやるとか、最近は読書会で出会って結婚する人も多いですね。本の感想を語り合うと、その人の根本的な考え方や価値観が見えてきますから、相手を深く知るのにとても適した場だと思います。
藤井:自分の考えを述べ合う場って、確かにいいですね。私も企業研修をよく行うのですが、同じグループで何日かワークショップをするうちに、気付いたらカップルができていることも多いんです。だから会社の研修なども、嫌がらずにどんどん出た方がいいと思って。同じ会社でも、灯台下暗しってことがあるかもしれない(笑)。
白河:そうそう、やはり日本人の結婚を支えてきたのは、昔も今も社内結婚なんです。現在でもアンケートを取ると、結婚相手と知り合ったきっかけの1位と2位は「社内」「友人を介して」で、この2つで全体の6割近くを占めるんです。それと、見過ごせないのが、インターネットを通じた出会い。これも出会い系サイトのようなものだけではなく、SNSのように「友だちの友だち」とつながる媒体が増えたことが大きな背景にあります。
仕事で身に付いたスキルは
婚活でも発揮する
藤井:出会いの場はたくさんあるんですね。
白河:ただし、独身者を対象としたアンケートによると、女性の7割が「自分は受け身だと思う」と回答しているんですが、実は男性の6割も「自分は受け身だと思う」と答えている。これでは出会いを生かしきれませんよね。せっかくメアドを交換しても、お互いに「相手から何の連絡もないし……」で終わってしまう。
藤井:男性も受け身で待っているのなら、女性からどんどん積極的にアプローチすべきですね。
白河:そう、待っていても何も起きないから(笑)。特に30代は、男性の方が結婚へのハードルは高いんです。日本の男性も結局は保守的だから、結婚についても「もう少し年収が上がったら」とか「今の仕事をやり遂げて自信が付いたら」などと考えている。でも、そういう男性に対して、女性が「共働きなら十分やっていけるから、2人で頑張ろうよ」と言ってあげれば、結婚につながるケースもたくさん出てくると思うんです。それと、女性たちは仕事を通してさまざまなスキルを身に付けているのだから、それを恋愛や婚活にも応用してほしいなと思って。
藤井:仕事のスキルですか?
白河:先日も、知人の30代女性が歳下の男性と結婚したのですが、彼女は大手企業の管理職をしている優秀な方で、結婚までの段取りはすべて彼女主導で進めたそうです。相手の実家に挨拶に行くベストなタイミングを考えて、ご両親に「結婚式はこうします」という説明をして了承をいただいて。これって、企画力やスケジュール管理能力、プレゼン能力などを存分に発揮していますよね。
藤井:本当ですね!
白河:藤井さんだったら、仕事でキャリア相談に乗っているのですから、プライベートでも男性の相談に乗ってあげたらいいのでは?男性だって辛いことはあるし、キャリアで迷うこともあるでしょうから、藤井さんの一言で気持ちがパッと晴れるかもしれない。「プライベートまでそんなことしたくない」と思うかもしれませんが、仕事で身に付いた自分の強みを生かさない手はないと思うんです。その強みが相手の弱みにはまったら、相手も「この人と結婚したい」という気持ちになるんじゃないでしょうか。
“引き受け力”を発揮して
完璧を目指さない“ゆる婚”を目指す
藤井:そうか、「結婚は互いの強みを生かすもの」と考えればいいんですね。もし自分の方が相手の男性より収入が多いなら、それは自分の強みとしてとらえて、相手には別の強みを求めればいいのかも。
白河:そうなんです。私が婚活という言葉を使い始めて、一時期は婚活がブームにもなりましたが、私が発信したかったのは、「自分から積極的に動きましょう」ということであって、「収入や社会的地位の高い人を捕まえなさい」とは一度も言っていないんです。でも、世間ではそういうイメージを持たれてしまって。もし収入や地位の高い人を捕まえるのが婚活だとしたら、一定の層の男性が捕まってしまったら、そこでもう終わりですよね。婚活には限界があるということになってしまう。その限界を突破するには、女性が結婚観を変えるしかないんです。
藤井:男性の結婚観を変えるのは時間がかかりそうだし、だったら女性が自分を変えた方が早いですね。
白河:ただし、「私は仕事があって1人で食べていけるから、結婚相手は妥協せず、理想を追求するわ」という人がいてもいいんです。昔は日本人の95%が結婚していたのですが、それは誰かが“だめんず”やDV男を引き受けてくれていたから。そこを無理して引き受けなくてよくなったのは、女性にとって自由で良い時代でもあるんですね。だから結婚していない女性には、「結婚できない」と卑屈にならず、「あなたは自分で独身であることを日々選び続けているのだから、堂々としてください」と伝えたい気持ちもあります。
藤井:でも、今日のお話で今の時代に必要な“結婚力”が何となく見えてきた気がします。仕事をベースに人生を考えること、頑張り過ぎないこと、そして読書会に行くこと(笑)。
白河:結局は、真面目過ぎる人がなかなか結婚できないように思います。仕事も家庭も100%完璧を目指すのではなく、「どっちも60%くらいしかできないけれど、それで良しとしよう」と思える人は、結婚にえいっと踏み出せる。相手についても「頼りない人だけど、私がいないとダメみたいだから結婚するか」と“引き受け力”を発揮できると結婚も近づく。完璧を目指さない“ゆる婚”こそ、今の時代には合っているんじゃないでしょうか。
取材・文/塚田有香 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)
ヴィネリア サクラ ランドリー (Vineria Sacra Laundry)
イタリア語で、Vineria(ヴィネリア)は「ワインバー」、Sacra(サクラ)は「聖なる」という意味。60年以上続いて来たLaundry(クリーニング店)の跡地に今年できたばかりのカジュアルイタリアン。シニアソムリエ・Seikoさんがセレクトしたイタリアンワインがおすすめ。広いウッドカウンターは女性一人でも気軽に立ち寄れそう。
【住所】 東京都港区麻布十番2-20-13 メゾン中村 1F
【TEL】 03-6809-3105
【定休日】 日曜日
【営業時間】17:00~23:00
【URL】 http://sacralaundry.com/