今年こそ“お弁当女子”デビュー! おかずを上手に作り置きするコツ&レシピ3選
健康的な食生活や節約のため、職場でのランチにお弁当を持参したいと思っている人は多いのでは? しかし、忙しく働く女性たちにとって、お弁当づくりの時間を平日に確保するのはなかなかの難題だ。そこで活用したいのが、日持ちのする作り置きメニュー。ゆっくり休める年末年始にまとめて作っておけば、仕事始めには“お弁当女子”デビューが飾れるはず。気軽にチャレンジできる作り置き料理のコツと、お弁当にぴったりのおかずレシピを、フードコーディネーターの平岡淳子さんに伺った。
上手に作り置きするために!
料理をする前におさえておくべき3カ条
作り置きの料理で最も気を付けるべきは、食品の腐敗。作ったメニューを安全な状態で長持ちさせられるように、下記3つのポイントをおさえておきたい。
【1】水分をしっかりと飛ばす
「余分な水気は食品を腐らせてしまう原因になるため、調理の段階で工夫が必要です」と、平岡さん。汁気の多い料理はあらかじめ煮詰めて水分を減らすか、片栗粉でとろみをつけると良いのだとか。また、作り置きしておいた料理をいざお弁当箱へ詰める前にも、再度加熱をしてから入れるのがベスト。
【2】容器は清潔なものを使う
保存容器が汚れていたり水滴が付いていたりすると、料理の腐敗が進みやすくなる。作ったおかずは、清潔なクロスでよく拭いたタッパーなどに入れて保存しよう。容器は煮沸消毒まで済ませておくと、なお良し。ジップロックなどの保存袋は便利だが、使い回しはNGだ。また、ラップなどを使っておかずを包んでから容器に入れるなど、できるだけ空気に触れないようにするのもポイント。
【3】新鮮な食材を使う
平岡さん曰く「作り置きのおかずを安全な状態で長持ちさせるには、調味料や油も含めて新鮮な食材を使うのがコツ」とのこと。さらに、空間にゆとりのある冷蔵庫でしっかり冷やして保存すれば、ストックできる期間も長くなるそうだ。また、ミントやローズマリーといったハーブ、梅干し、レモン、お酢などは、殺菌作用が見込める食材。うまく料理に活用すれば、それだけで腐敗防止に一役買う。
休みの日にがっつり作ろう!
お弁当にぴったりの作り置きおかずレシピ3つ
【1】食べ応えたっぷりのメインメニュー
焼豚と煮卵
・豚肩ロース塊 約600g
・ゆで卵 5個
・ゆでたほうれん草 1束
・にんにく 1かけ(皮をむき、木べらなどで潰す)
・ねぎの青い部分 1本分
・生姜 1かけ(皮はむかずに皮をタワシなどでよく洗い3mm幅くらいに切る)
【A】
・紹興酒 1カップ(日本酒でもOK)
・醤油 1カップ
・砂糖 1/2カップ
<作り方>
1、豚肉を油小さじ2(分量外)を熱したフライパンで、表面をこんがりと焼く ※あらかじめ豚肉をタコ糸で縛っておくとキレイな形で作れる
2、鍋に1の豚肉、潰したにんにく、ねぎの青い部分、スライスした生姜を入れ、水(分量外)をひたひたに注ぎ、中火にかける。沸騰したら弱めの中火でアクを取りながら30分ゆでる。※アクはしっかりと取る
3、別の鍋に【A】と2の豚肉を入れ、2のゆで汁をひたひたに注ぐ。鍋の蓋はせず、ときどきひっくり返しながら15分ほど煮る。火を止めてアルミホイルをかぶせ、そのまま冷ます
4、完全に冷めたらゆで卵と一緒にジップロックなどの保存袋に移し、冷蔵庫に入れて1日置いて完成
★平岡さんのワンポイントアドバイス★
「空気を抜いてしっかりと保存袋を閉じておけば、5日間ほど保存できます。ゆで卵をタレに漬けるのは丸一日くらいでOK。すぐに食べない場合は、タレから取り出しておきましょう。余った豚のゆで汁に野菜を加えて塩や醤油で味を調えると、即席中華スープにもなりますよ」
【2】彩りも鮮やかな副菜
ニンジンといんげんのたらこ和え
ニンジン 1本
いんげん 1袋
たらこ 1腹(あまり大きくないもの)
エキストラバージンオリーブオイル 大さじ1半
<作り方>
1、ニンジンは皮をむいてマッチ棒くらいの細切りにし、さっとゆでる。いんげんは筋を取って塩ゆでし、斜め薄切りにする
2、1をボウルに入れてオリーブオイルを回しかけ、たらこ(皮を切り、中身をこそげ取る)を和える
★平岡さんのワンポイントアドバイス★
「野菜の水気はしっかり切ってから、たらこと和えるのが作り置きのコツ。保存容器に入れれば冷蔵庫で5日間ほど保存できます。いんげんの代わりに、アスパラやキャベツを使ってもおいしいですよ」
【3】ほんのり甘みがうれしい
サトイモのくるみ味噌和え
サトイモ 小さめ10個
味噌 大さじ2
くるみ 50g
醤油 大さじ1
砂糖 大さじ3
<作り方>
1、まずはくるみ味噌を作る。ローストしたくるみをすり鉢に入れてすり、味噌、醤油、砂糖、胡麻油の順に加え、さらにすり混ぜる。目安は少し食感が残る程度だが、お好みでOK
2、サトイモは15分ほど蒸し、皮をむき、先ほどのくるみ味噌で和える
★平岡さんのワンポイントアドバイス★
「蒸したサトイモとくるみ味噌は別々に保存し、食べるときに和えるのがポイント。サトイモに味噌を載せる程度でかまわないので、お弁当でも手間はかかりません。冷蔵庫で5日間ほど保存できます」
「作り置き初心者が気を付けるべきことは、保存期間の考え方」と、平岡さん。調理の環境や使った食材によって保存可能な期間には差が出るため、レシピなどの記載を信じすぎるのは考えもの。たとえば、賞味期限の切れた食材で調理をした場合、レシピの期間表示は当てはまらない。保存期間はあくまでも目安ととらえ、自分の感覚を大切にしながら、臭いや感触を確かめたいところだ。
まとめて調理してきちんと保存しておけば、毎日のお弁当準備がぐっとラクになる作り置きレシピ。「今年こそお弁当女子デビューを飾りたい!」と考えている人は、平岡さんお薦めのレシピからさっそくチャレンジしてみては?
フードコーディネーター 平岡淳子さん
取材・文/菅原さくら(アバンギャルド) 写真/janny suzuki