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OCT/2011

避妊だけでなく、生理痛や美肌にも効くピルってどんなもの?【医師監修】

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※この記事は2020年5月26日に情報を更新しております。

女性のカラダは年齢で変化する。ホルモンバランスの変化から今まで感じなかった症状が出たり、気分が落ち込んだり。だけど、忙しい働く女子はそんな日も休んでいられない…。仕事を続けていくにはカラダの変化や症状とうまく付き合っていく方法、治療の選択肢をきちんと知ることが大切。自分のライフスタイルに合わせたカラダとの付き合い方を見つけよう。

【監修】医師・成田亜希子さん

【監修】医師・成田亜希子さん

2011年国立大学医学部を卒業。医師免許取得。一般内科医として様々な疾患の患者と日々向き合っている。保健所勤務経験もあり、感染症や母子保健、精神保健、健診事業などにも精通している。 今は、医師として働く傍ら、正確な医学情報を発信すべく様々な媒体の執筆・監修を行っている。

「ピル=避妊薬」と考える方が多いかもしれませんが、実は、ピルは避妊だけでなく、生理痛やPMS(月経前症候群)、肌トラブルなどの治療にも用いられています。また、出産回数が少ない現女性の体を守るなどの目的でも効果を発揮します。知っているようで知らない、ピル(低用量経口避妊薬:通称OC)について、一緒に考えていきましょう。

ピル

ピルってどんなもの?

ピルとは、2種類の女性ホルモン「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」が含まれる薬のこと。

脳下垂体がピルに含まれるホルモンをキャッチすると、排卵を促す「卵胞刺激ホルモン」の分泌を抑えられるため、排卵が起こらなくなります。

そのため、ピルを正しく服用すればほぼ100%の避妊効果を得ることができますし、生理痛や子宮内膜症などの症状緩和に効果を発揮します。

また、子宮内膜の増殖も抑えられるため生理痛や子宮内膜症などの症状緩和に効果も発揮。ピルを服用中はPMSの原因となる女性ホルモンの変動がないため、生理前のつらい症状も緩和してくれます。

ピルにはどんな種類があるの?
→21錠タイプと28錠タイプがあります。

【21錠タイプ】
21錠すべてに有効成分が入っていて、21日間服用し、その後7日間休みます。最後の錠剤を飲んでから2~4日後に生理があります。7日間のお休みが終わったら新しいシートを飲み始めます。

【28錠タイプ】
有効成分の入った21錠を服用した後、引き続き有効成分の入っていない錠剤(プラセボ)を7日間同じように服用します。プラセボを飲んでいる間に生理があります。1シートを飲み終わったら、翌日から新しいシートを飲み始めます。21錠タイプのように7日間の休薬期間がないため、飲み忘れを防ぐことができるのが特徴です。

こんなときにはピルを試してみよう!

1.生理不順、生理痛、PMS(月経前症候群)に悩んでいます…。
ピルの服用により、生理が規則的に訪れるようになりますし、生理の痛みや生理前の不快な症状から解放されます。毎月、つらい思いをされている方は、1度ピルを試してみることをオススメします。体調とメンタルの両方が安定するので、快調にお仕事ができますよ。

2.避妊を確実に行いたい…。産めるカラダを保ちたい…。
ピルは、毎日1回同じ時間に服用することで、ほぼ100%の避妊効果を得ることができます。女性がキャリアを積む上で、いつ子どもを産むかというのは大きな問題です。「ピルを服用するのは自然じゃないし、妊娠しにくくなるのでは?」と心配される方がいらっしゃいますが、実は10代の頃から服用している人の方が、子どもを望んだ際の妊娠率が高いというデータもあるのです。服用をやめて1年以内に妊娠される方も多いです。

妊娠すると授乳期間も含め約2年は生理がありませんから、卵巣を休ませることができます。ですが、現代女性は出産する子どもの数が少ないため、子沢山が多かった時代の女性よりも生理が多く、卵巣を酷使しているとされています。

例えば10年間で5人出産する場合は、「授乳期間に生理が戻らないのに、気付かないうちに排卵が起こっていて、次の子を妊娠」というケースも。この場合は、およそ10年は卵巣を休ませることができていたのです。

現代女性は、生涯に400回も排卵するといわれ、そのたびに卵巣には卵子が飛び出す際の傷がつき、修復ミスが起きやすくなることから、がんなど卵巣のトラブルを発症するリスクも高まります。

ピルを服用することで卵巣を休ませてあげることは、望むときに妊娠しやすい“産めるカラダ”を保つという意味でも、有用との説もあるのです。初経を迎えた女性の体には女性ホルモンが存在していますから、外からホルモンを入れることは、不自然でも何でもありません。「いつ産むか」を考える際には、ピルという選択肢もぜひ考えてほしいと思います。

3.ニキビなどの肌トラブルに悩んでいる。美肌になりたい…。
ニキビには、黄体ホルモンの存在が大きく影響しています。黄体ホルモンには皮脂の分泌を促す効果があるため、黄体ホルモンの分泌量が上昇する生理前になると、ニキビなどの肌トラブルが生じやすくなります。ピルは、こうした黄体ホルモンの産生量の上昇を抑えるため、肌トラブルを改善する効果が期待できます。

副作用はダイジョウブ?

マイナートラブルは約1カ月で消失。がんのリスクは?

ピルを服用することでのマイナートラブルには、吐き気や胸の張り、むくみ、胸焼け、頭痛、下腹部痛などがあります。これらは1度生理がくると治まることが多く、また体を慣らすために、最初は1日半錠から始めることもできます(この場合は避妊効果はありません)。ですので、あまり深刻に考えなくても大丈夫でしょう。

ただ、タバコを吸う人が、ピルを服用すると血栓症などのリスクが高まることは確かです。この場合は、禁煙することが必須になります。

またよくいわれる、「乳がんの発症率が高まるのでは?」という説については、今のところはっきり分かっていない部分も多いです。乳がんの発症リスクをわずかに高める可能性があるものの、発症リスクを大きく高めるとの明確な証拠はない、というのが現状です。

反対に、子どもを産まなくなったことで発症率が上がっている子宮体がんや卵巣がんについては、ピルを飲むことで発症リスクが低くなることが分かっています。

ピルについての知識は深まりましたか。キャリアアップの時期と出産適齢期が重なる現代女性にとって、ピルは強い味方です。うまく付き合っていきたいですね。

ただし、ピルは血液が固まりやすくなる性質を持つため、いわゆる「エコノミークラス症候群」と呼ばれるような血栓による病気を引き起こしやすくなります。デスクワークなど一日中同じような体勢で座っている方は、こまめに身体を動かしたり、水分を多めに摂ったりして血栓ができるのを予防しましょう。

そして、婦人科の“かかりつけ医”を持つことは、女性の人生に必須です。男性とはまったく体の構造が違う女性の健康は、何かあればまず婦人科医にかかることで、他科への紹介も含め解決することが多いのです。ぜひ、信頼できる婦人科のかかりつけ医を見つけてください。

取材・文/渡邉由希 監修/医師・成田亜希子

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