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DEC/2011

妊娠力は20代後半から落ち始めている。「いつ産むか」を考えてライフプランを!

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女性のカラダは年齢で変化する。ホルモンバランスの崩れから今まで感じなかった症状が出たり、気分が落ち込んだり。だけど、忙しい働く女子はそんな日も休んでいられない…。仕事を続けていくにはカラダの変化や症状とうまく付き合っていく方法、治療の選択肢をきちんと知ることが大切。自分のライフスタイルに合わせたカラダとの付き合い方を見つけよう!


妊娠
国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター副センター長の齊藤英和さんは、次のように語る。

「最近は40代で出産する著名人の姿をメディアで見かけるようになり、まだまだ大丈夫という根拠のない安心感やキャリアを中断することへの不安感から、妊娠・出産を先延ばししている人も多いのではないでしょうか。学校の授業では、避妊のことは習っても、家族を持つことや妊娠適齢期についてはほとんど学びません。今回から二回に渡り「妊娠と年齢の関係」「不妊の原因と治療」について考えてみます。“もっと早く知っていれば—―”と後で悲しむことがないためにも、妊娠と年齢の現実についてご紹介します」

妊娠力(妊孕性(にんようせい))は20代後半から落ち始める!
8歳ごとに1割ダウンする現実を受け止めて

まず下のグラフをご覧ください。フランスのデータですが、排卵期に性交した場合の妊娠率を年代ごとに現したものになります。

妊娠

19-26歳では一番タイミングが合ったときで50%の妊娠率なのに対し、27-34歳では40%、35-39歳では30%という結果に。およそ8歳ごとに1割ずつ、妊娠力がダウンしているのが分かります。このデータは、排卵期に性交することを前提にしたものですので、実際の妊娠率はもっと低くなることが予想されます。

26-34歳といえば、ようやく結婚を考えはじめ、相手探しをする人も多い年代です。この頃すでに妊娠力が落ち始めているというのは女性にとってはショッキングな現実かもしれません。

ブルーのグラフは、男性が5歳上のカップルの場合です。女性が19-26歳のグラフでは、男性は24-31歳になります。男性の場合は、40歳を過ぎると妊娠させる力が落ちているのが分かります。

何もしなくても、卵子は卵巣のなかで消滅!?
排卵以外でも、毎月300個の卵子が消えていく

お母さんの胎内にいるとき、女の赤ちゃんの卵巣内には700万個の卵子が存在します。それが生まれるときに200万個になり、初経を迎えるころには40万個にまで減少します。

その後も、毎月1個(生理がある40年間で480個)の卵子が失われます。排卵以外でも、卵巣内の卵子(原始卵胞)は毎月300個ほど自然消滅という形で消えていくと言われます。毎月1個の選び抜かれた卵子が排卵される際に、およそ300個の卵子候補(原始卵胞)はオーディションに敗れ、消えていってしまうのです。

昔に比べれば人間の寿命は非常に伸びていますが、妊娠できる生殖年齢はほとんど伸びていません。それは人間のもつ体内時計が影響しているのかもしれません。何もしなくても卵子は毎月消滅し、妊娠する力を持つ良質な卵子は姿を消していくという現実を知っておくことは、「いつ産むか」を考える上で、とても大切なポイントです。

“普通に健康でいること”が、産めるカラダを保つためには、最も必要なこと

歳を重ねるごとに卵子が消滅していくという現実がある一方で、産めるカラダを保つための方法がある訳ではないのが厳しいところです。妊娠するにも、無事に出産を乗り切るためにも“普通に健康でいること”が一番大切。太らない、痩せすぎない、高血圧や糖尿病にならないよう気をつけること。十分な睡眠をとる、ストレスを溜め込まない、適度な運動をするなど、当たり前に言われていることですが意識して生活することです。

これらに加え、婦人科検診を年に1度は受け、いつでも産めるように性感染症や子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がんなどにかかっていないかチェックをすることも忘れないでください。子宮頸がんの発症を防ぐために、ウィルス(HPV)予防ワクチンを打っておくことも有用です。

子どもをいつかは持ちたいと思うのなら、「いつ産むか」を早い時期に考えてほしい

20代後半から妊娠力は低下していくという現実がある一方で、その低下率には個人差が大きいのも事実です。30そこそこで既に妊娠が難しい人もいますが、30代後半でも良質な卵子をたくさん持っている人も。

たとえ33歳で妊娠できるカラダだとしても、34歳で同じである保証はどこにもありません。その人の妊孕性がいつまで高い値をキープできるのかを予測することは、医者でも難しいというのが本当のところなのです。

こうした現実を知った上で、子どもを持つのか、持たないのか。いつ産むかを選択するのは自分自身。「40過ぎても産める!」といった情報を過信し出産を先延ばしにするのではなく、子どもを望むなら、“いつ産むのか”を早くから考えてみてください。そして、子どもを持つ時期を含めたライフプランを立てることがとても大切です。妊娠についての正しい知識がなかったためにタイミングを逃し「もっと早く出産を考えておけば…」と嘆く女性が、一人でも減ってほしいというのが婦人科医としての願いです。

【編集部からのコメント】
人間の寿命は延び、女性の仕事・生活環境はどんどん変化していく中、出産適齢期は20年前と同じ。これって女性にとって厳しい現実。せっかくこれからバリバリ働こうと思っていたのに…ってときに妊娠・出産を迎えるということだから。でも子どもを産める時期は限られている。1番大事なのは妊娠について、きちんとした知識を持つこと。ちゃんと知った上で選択する。これを機会に少しライフプラン考えてみてはいかがですか。

取材・文/渡邉由希


齋藤英和先生
国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 副センター長
齊藤英和さん

山形大学医学部付属病院講師、山形大学医学部助教授を経て2002年より現職。専門は生殖医療、不妊治療。白河桃子さんとの共著に『妊活バイブル』(講談社+α新書)、『後悔しない「産む」×「働く」』(ポプラ社)など


取材・文/栗原千明(編集部)

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