10
APR/2012

うつ病や不安障害――その陰には、過食や買い物依存が併存している

タグ:

女性のカラダは年齢で変化する。ホルモンバランスの崩れから今まで感じなかった症状が出たり、気分が落ち込んだり。だけど、忙しい働く女子はそんな日も休んでいられない…。仕事を続けていくにはカラダの変化や症状とうまく付き合っていく方法、治療の選択肢をきちんと知ることが大切。自分のライフスタイルに合わせたカラダとの付き合い方を見つけよう


新型 うつ
仕事上極度の多忙さ、対人関係上の悩み、将来への不安感などのさまざまなストレスによって、働く女性が陥りやすいメンタルヘルス系の症状には、うつ病や不安障害、過食症、買い物依存症などが挙げられます。どんなサインがあったら心療内科系クリニックを訪ねた方がいいのかを精神科医の福西勇夫先生に伺いました。

2週間以上気分が落ち込み続ける「うつ病」と
今流行の一時的に落ち込む「新型うつ」は大きく違う

20代後半から30代前半の女性の患者さんで多いとされる心の病として、うつ病、不安障害、過食症や買い物依存症などがあります。

従来の「うつ病」の定義は、2週間以上ほとんど毎日、気分の落ち込みや意欲の低下などの抑うつ症状が持続してみられるものをいいます。ところが、最近では、従来のうつ病とは異なる病像を呈する「新型うつ」と呼ばれる状態が急増しています。
新型うつは若い女性に多く、抑うつ症状としては気分の変動がジェットコースターのように激しく、強い気分の落ち込みが突然やってくることが少なくありません。こういう場合は、従来のうつ病ではなく、最近流行の新型うつを疑ったほうがいいかもしれません。

新型うつでは、嫌いなことはできなくても自分の好きなことはできます。また、休日は全然問題ないのですが、出社しようとすると調子が悪くなります。

女性の新型うつは何気ない一言が引き金で発症する場合も

 女性の新型うつに関する症状は、心の中の不安や葛藤に関連したものが多く、「上司にひどいことを言われた」「同僚に無視された」などを始め、職場や家族の対人関係上のトラブルがその引き金になっています。

性格特徴として、よくみられる傾向のひとつは、とても傷つきやすいということ。周囲の上司や同僚、知人や友人、家族や親せきの人たちからすれば、何気ない一言であっても、本人は過剰に反応してしまって、傷ついてしまっていることは少なくありません。

そして、他人の些細な一言に傷ついた結果、あたかも全人格を否定されたように感じ、敵意性や攻撃性を露に表現することもあります。理由もなく涙が出てきたり、イライラしたりなど、感情のコントロールができなくなることもあります。時には、身近な人たちに八つ当たりしてしまったり。総じて、女性の新型うつでは、対人関係上の傷つきからさまざまな問題行動に発展することがあるのです。

女性の症状とは異なる男性のうつ症状

女性にみられるうつ症状は前述お話しましたが、男性に関しては新型うつを呈することは少なく、しかも従来のうつ病が男性にみられた場合でも、主たる症状としては、「頭が思うように働かない」「仕事が効率よくできない」などの思考面に関する訴えが多くみられます。女性に頻繁にみられる感情面の訴えはそう多くないのです。

男性の場合、終電ぎりぎりまで毎日仕事をしていて、心身の疲労困憊の状態からエネルギーが枯渇してしまうパターンが多いように思います。男性では、悲しくて涙が出てくるなどの感情面の症状を呈することは稀です。このように同じうつでも男女間では抑うつ症状に大きな違いがあります。

日本人にみられる新型うつは民族性が影響している

 日本人は、人にどう見られているか、どう評価されているかを特別気にする民族です。このことは、日本人が自己のアイデンティティを構築する際にも顕著に現れます。一般に人間は、青年期、思春期頃に精神的に自己を確立しようとしますが、その際に他人からの評価がかなり大きなポジションを占めます。

欧米人も他人の評価を気にしますが、日本人ほどではありません。欧米人からすれば、「日本人はどうしてそこまで他人の目を気にするのだろう?」と思うことがしばしばです。

日本人にみられる新型うつでも、人からどうみられているかをとても気にする症状が強く出る傾向があります。不安が強く、自分自身に対して自信がないときはよりいっそうその傾向は顕著にならざるを得ません。

薬が効かない新型うつ

うつ病の治療には薬物治療とカウンセリングがあります。しかしながら、新型うつでは薬物治療はあまり効果を発揮しないといわれています。カウンセリングとしては、認知行動療法が効果を示すこともあります。この治療では、誤った認知の歪みを矯正し、物事を歪みなく見ることができるようにする治療法です。


南青山アンティーク通りクリニック 院長
福西勇夫先生 精神科医

1984年徳島大医学部卒業。1992年米国カンサス州メニンガークリニックに留学、1994年から東京都医学研究機構・東京都精神医学研究所・臨床心理研究部門主任研究員、同研究所リエゾン精神医学心身医学研究部門長を経て、2003年に南青山アンティーク通りクリニックを開院。2000年より、米国マサチューセッツ州ハーバード大学医学部、マサチューセッツ総合病院客員教授を兼任している。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Woman typeの最新情報をお届けします

あなたにオススメの記事

うつ病を招く危険行為!? 自律神経のバランスを崩すNG行動
ミチワクリニック心療内科・内科院長の佐久間一穂さんに、働く女性たちがやってしまいがちな「自律神経のバランスを崩すNG行動...

「冬季うつ病」を寄せ付けない簡単ライフスタイルチェンジ術
「冬季うつ病」は、「冬うつ」とも呼ばれ、その名の通り、冬が引き起こすシーズン限定のうつ症状。産業カウンセラーの大美賀直子...

働く女性が陥りやすい「うつ病」や「不安障害」などの不調を招く...
今回は、働く女性が陥りやすい、精神的な不調を招く食生活のNGパターンをご紹介します。

「私に任せて」の一言が悲劇を招く!? 同僚が「うつ病っぽい」...
職場の「うつ病」で悩む人々の診療・復職支援を行う精神科医の五十嵐良雄さんに、「この人、うつ病かも?」と思う同僚を精神的に...

あなたにオススメの企業

オススメ求人特集

福利厚生が充実している会社

やっぱり欲しい安定感! 大手・上場企業で働こう

制度充実!子育てしやすい会社

トレンドを発信!ファッション・コスメ系の仕事