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MAY/2012

話題の「漢方外来」は、働く女性によくある「なんとなく不調」を解消

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女性のカラダは年齢で変化する。ホルモンバランスの崩れから今まで感じなかった症状が出たり、気分が落ち込んだり。だけど、忙しい働く女子はそんな日も休んでいられない…。仕事を続けていくにはカラダの変化や症状とうまく付き合っていく方法、治療の選択肢をきちんと知ることが大切。自分のライフスタイルに合わせたカラダとの付き合い方を見つけよう!


冷え性や「疲れやすい」など、病名がつかない症状の改善に効果的な漢方薬。最近その効果が注目され、「漢方外来」という診療科が話題となっています。どのような悩みで受診する人が多く、どんな診断が行われているのでしょうか。
大学病院内の漢方外来(東洋外来)で診療されている、日本大学板橋病院・東洋医学専門医の上田ゆき子先生にお話を聞きました。

患者さんに触れて、聞いて、感じて…
五感に基づいた診察で病気を見立てる漢方外来

漢方
漢方医学が中国から日本に入ってきたのは奈良時代。それ以降、日本の伝統医療として漢方は独自の進化を遂げてきました。西洋医学が日本に入ってきたのが明治以降だと考えると、伝統の厚みの差は歴然としています。

西洋医学が入ってきたことで医学はめざましい発展を遂げましたが、反面、検査で病気を診断し、病名を決め、それに対して治療を行う西洋医学だけですべて治るわけではない、つまり「西洋医学は万能じゃない…」ということに、人々は気づき始めたんですよね。たとえば、多くの女性が悩む“冷え”は西洋医学では治すことができません。

漢方医学では、患者さんの内側で何が起こっているのかを漢方医学の“四診”とよばれる、4つの診察方法で診ていきます。
“望診”では、顔色や表情、歩き方、体型、姿勢、舌の状態など、目で見てわかることを観察します。“聞診”では、しめった咳、乾いた咳、声の調子、話し方など耳で聞くことで分かることを分析。“問診”では、患者さんの食生活から生活習慣、起きている症状、生理の状態などをお聞きします。“切診”は、脈やお腹など身体を触る診察。脈を診ることで、その人のエネルギー量(気)の高さなども分ります。

こうした五感をフルに活用した診察で、患者さんの置かれている状況や、起きている症状を診るのが漢方医学です。

漢方医学は「虚・実」、「寒・熱」、「気・血・水」
という軸に照らして患者さんの状態を表す

漢方医学では、病気は体全体の調和が崩れたために起こると考えられています。そのため体全体の状態「証」を診断し病状を判断します。「虚証」は体力が無く弱々しい感じの人で、「実証」は体力や抵抗力がありそうな人のこと。実証なら問題ないかといえばそうでもなく、なにごともバランスが大切です。

気・血・水は、身体を維持するための3つの要素で、“気”は生命エネルギーのこと。目には見えませんが、元気がないことを“気枯れ”といったりします。西洋人にはなかなか理解できないようですが、日本人には馴染みの深い概念ですね。“血”は血液のこと。“水”は血液以外の体液を指します。気と血と水を上手く巡らすことが大事で、3つのどれが滞っても身体に不調が表れます。

たとえば「足がむくむんです」と訴えてきた患者さんは、水の異常が疑われます。雨の日の調子はどうですか?とか、乗り物酔いはしますか? バスのなかで本は読めますか? おしっこの状態はどうですか? 頭のてっぺんが重くないですか? と、一見、何の関係もなさそうなことをお聞きするんですが、気候によって身体はとても影響を受けますし、これらの情報は、診断をくだす上ですべて必要な内容なのです。

生活習慣の改善アドバイスで
症状が改善することも

日本大学 内科学系統合和漢医薬学分野 助手 上田ゆき子先生漢方外来ではアトピー性皮膚炎など体質が関係している病気の治療として、食生活の改善アドバイスも行います。毎日、どのような食事をしているか食日記をつけていただく場合もあります。「甘い物はあんまり食べてないです」とおっしゃる患者さんでも、仕事をしながら気付かないうちに、大量のチョコやスナックを食べたりしていて、日記をつけることで「はっ」と気付かれる方もいらっしゃいます。漢方薬は変えていないのに、食事指導をしたら症状が改善されたという患者さんも少なくないので、医食同源といいますが、“食べた物がその人自身を作っている”と改めて思います。

主食を米飯にすると、食生活を見直しやすいと思いますよ。お米を食べようとすれば、自然と和食になりますし、お味噌汁や納豆などに加えて、旬の野菜を摂ればバランスの良い食事になります。夏のキュウリやトマトは身体の熱を冷まし、冬によく食べる鍋やけんちん汁は、根菜類を摂ることができ身体を温めます。旬のものを食べることは、理に適っているんですよね。
20代から30代の女性の患者さんの場合、生理不順や冷え性、月経困難(生理痛)、ニキビ、不妊、PMS(月経前症候群)、胃腸虚弱、偏頭痛、肩こりなどを訴えて受診される方が多いですね。こうした症状は、西洋医学で治すことが難しいものも多いですから、ぜひ漢方医学を扱っている医師のもとを訪ねてみてください。漢方医学こそ、女性にもっともっと活用してほしいと思います。

【編集部より】
漢方は「なんとなく不調」といった不定愁訴や女性ならではの症状など、西洋医学が苦手とする分野を補ってくれるありがたい存在でもあります。漢方薬メーカーや漢方医学を紹介するサイトを見ると、漢方医学を専門的に学んだ医師が紹介されています。長年の悩みが解消されるきっかけになるかもしれませんので、健康保険もききますし、ぜひ漢方外来を尋ねてみてください。


お話を伺った先生
日本大学 内科学系統合和漢医薬学分野 助手
上田ゆき子先生

千葉県出身。1997年、旭川医科大学医学部卒業後、旭川医大麻酔科を経て、北里研究所東洋医学総合研究所で2年間、漢方医学を学ぶ。現在は日本大学板橋病院東洋医学外来で診療にあたる。日本東洋医学会専門医(認定医)。anan漢方book『食養で不調を改善』、Pen+漢方特集『男の薬膳手料理レシピ』監修など。

取材・文/渡邉由希

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