25
AUG/2015

部下と差を付けたがるのは「自信がない」か「勘違いのアホ」! 今も昔も変わらない“上司の品格”

タグ:

堂園稚子
上司に対する「何で? どうして?」をズバっと解説
堂園姐さんの「上司のキモチ」翻訳講座

上司に対して日々感じている「なんでそんなこと言うの?」「どうしてそういうことするの?」という不満や疑念。それを直接上司にぶつけたいと思っても、「余計に怒られるんじゃないか」「印象が悪くなるんじゃないか」とモヤモヤしたまま自己完結してしまっている女性も多いのでは? そんな働く女性たちの疑問に、最強ワーキングマザー・堂薗稚子さんが、上司の立場からズバッと解説! 上司って、ホントはすごくあなたのことを考えてるのかも!?

堂薗稚子(どうぞの・わかこ)
株式会社ACT3代表取締役。1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として数々の表彰を受ける。「リクルートブック」「就職ジャーナル」副編集長などを経験。2004年に第1子出産を経て翌年復職。07年に当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用される。その後、第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、ワーキングマザーで構成された営業組織を立ち上げ、女性の活躍を現場で強く推進。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、13年に退職し、株式会社ACT3設立。現在は、女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行う
部下と差を付けたがるのは「自信がない」か「勘違いのアホ」! 今も昔も変わらない“上司の品格”

こんにちは。堂薗です。

今年は戦後70年ということで、テレビなどのメディアや書籍なんかも戦争をテーマにしたものがすごく多かった気がしますね。私もしみじみとドキュメンタリーや書籍に見入った一人でした。

戦時中のエリート将校たちについて触れていた書籍があったのですが、今も昔も恐らく未来も変わらない、上司としての「品格」のようなものについて考えさせられました。かつてのエリート将校の中には、単身赴任にも関わらず、敷地が広くて、日本間が多くある家屋の官舎でないと納得しない人たちがいたそうです。マンション型の官舎にしたときの効率をいくら説いても、担当者を飛ばして上席者に直訴したりゴリ押ししたりして、下級兵士たちとの差を明確に付けないと気が済まない人たちもいたんですって。筆者が「こういったことにこだわる上官で、実際の仕事ができる人は稀だった」と書いていましたが、身につまされる話です。

仕事も人間性もきちんとしている人は、立場を誇示したがらない

実は、これに似たことは、これまでに何度も見聞きしていますし、私自身も身に覚えがあります。それまでの古いビルから、ピカピカの最新オフィスビルに移転となり、30階代の高層フロアが与えられた時でした。当時は、一定以上の役職者は専用の会議室を持っていいことになっていたのですが、この部屋をめぐる攻防がかなりあったのです。

角の全面がガラス張りの会議室は人気があって、全体レイアウトを見た後に、「なぜ自分はこの部屋で、あの部署はここなのか」といった問い合わせが少なからず責任者のところに入っていたそうです。責任者の方と飲んだ時に、「自分のところだけでなく全体を見てくれとお願いするのだけれど、どうしてもこういう声は出てくる」とぼやいていらっしゃいました。私自身も「自分の組織のデスクからストレージまでが遠過ぎるので、もっと近くにしてくれ」「デスクの後ろが通路だとPC画面が見えてしまって嫌なので、自組織は壁際に置いてもらいたい」などと、文句を言っては却下されていた一人です。

却下されるたびに、「ホント、役所みたいで困るわ!」とメンバーたちに愚痴ったりしていましたし、たまたまガラス張りの会議室があてがわれた時は、密かに喜んで「絵でも飾ろうかしら」とうきうきとスタッフに相談したりして、思い出すと赤面物の恥ずかしい上司そのもの。責任者の方のぼやきは私への忠告なのだと思い至ったとき、「自組織最適」の発想が周囲にどう見られていたか痛感し、猛省することができました。今からでも自分の威張った言動を謝りたいくらいです。

世の中には、「それなりの役職で、多くの人数を束ねている」とか「自分は責任者なのだ」とか、そんなことを誇示しようとする上司が意外と多くいるのではないでしょうか。自分の部屋とかデスクとか、あるいは出張の際にグリーン車を使うとかホテルの格を変えるとか、そんなことで自分の威厳を保とうとする。メンバーから見れば冷めた気分にもなるでしょうね。仕事そのもので勝負しろよ、と自分がメンバーでもせせら笑いたくなります。きっと、本当の意味で仕事ができて、人間的にもきちんとした上司は、「自分のことは気にしなくていい」とメンバーと一緒に平場に座り、普通車に乗って移動し、かえって一体感を持った組織運営をしているのかもしれないと反省させられます。

“裸の王様”状態の上司を見極める方法とは?

少し前のことですが、昇進した部下とお祝いの食事に行って、「あなたは今の仕事を、仕事をよく知らない人にどう説明する?」と聞いてみたことがあります。すると彼は「『○人のメンバーを束ねる営業マネジャー』と言うと思います」と答えました。それは、○人ものメンバーの上司だ、ということが一番の誇りだという証でもあります。たくさんの部下がいるということは、それだけ「人を育てる力がある」と思われていると言えそうだし、上司然とした雰囲気も出るし、彼の胸を張りたいような気持ちはよく分かります。

けれど、「○○の商品価値を世の中に広める」とか「営業効率を高めるための仕組みを作る」などの重要なミッションより先に、「部下が○人」と答えるのはとても危険な兆候だと思います。また裏返すと自分の力に自信がないからこその発言だともいえるでしょう。言葉じりだけを捉えて判断してはいけませんが、私は彼にその危険度を指摘して、「部下の人数だけをプライドにせずに、自分のミッションそのものを誇れるような仕事をして、自信を付けなさいね」とアドバイスしました。もちろん自戒の念がばりばり入ったアドバイスです。

上司たるもの、自分自身が「清貧」であり、「私欲」がないことが部下の信頼を得る前提になります。部下はそんな上司の「品格」をよく見ているものですよね。立場を誇示するような態度を取ったり、部下と差を付けたがる上司というのは、上司としての仕事に自信が持てずに「カタチ」で威厳を保とうとしているのか、あるいは勘違いして喜んでいるアホか、どちらかです。

勘違い上司は、部下からの冷たい視線や他部署から煙たがられていることに気付きにくいでしょうね。部下に「こういう人だ」と思われていても、人格に関わる指摘になってしまうので、そうは言ってもらえないからです。実際には、気使いやこれまでの慣習から、部下たち自らが上司と差を付けてしまい、上司自身は戸惑うということもあるのですが、「上司然とした待遇」は心地良いのでその環境に慣れてしまいやすいのです。

本来は一緒に現場で闘い、部下たちの目線でも物事を見る事ができて、こういう「カタチ」にとらわれない上司が一番必要とされているのに、“裸の王様”には簡単になれてしまいます。ピカピカの社長室に調度品、ブランドものの応接セットを置いて、社員のデスクや備品に気を使わない、部下と一緒の出張なのに自分だけファーストクラスに乗る、といったタイプの会社や上司には、付ける薬があるかどうか見極めることが大事かもしれません。事業の責任者・上長としての自覚があり、仕事を本気でやっていれば、待遇の差は邪魔にこそなれ、自分を大きく見せるものにはなりえないのだから。

部下からできることは少ないかもしれませんが、そんな上司が、待遇の差が小さくなるような規定の変更があったとき、どんな態度に出るかを想像してみると、「ついて行くべき人かどうか」が分かるかもしれませんね。付ける薬がなさそうな場合は、とっとと見切りをつけてその上司の下を去るというのも、選択肢としてあるかもしれません。そのくらい、上長の品格って大事なものだと私には思われるのです。

 堂園稚子

【著書紹介】

『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(堂薗 稚子/1,404 円/KADOKAWA/角川書店)
「仕事も子育ても両立したい! 」と思っても現実はなかなか難しいもの。それにも負けず、子どもを育てながらてカンパニーオフィサーになった著者の働き方を紹介 >>Amazon

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Woman typeの最新情報をお届けします

あなたにオススメの記事

20代女性がやりがち!? “30代で後悔する”転職先の選び方...
未経験転職で失敗する女性たちに共通している“転職先の選び方”があるそう。キャリアアドバイザーの水野順子さんに、「絶対にや...

選考で人事が本当に知りたいことって? 若手女子が勘違いしがち...
若手の女性の中には、転職時の自己PRすべきポイントを誤解している人も少なくない。そこで、キャリアカウンセラーの水野順子さ...

減給、降格、サポート業務……それってなんだかヒドくない!? ...
結婚、出産を経ても仕事に戻ってバリバリ働き続けたいけど現実は厳しい? 子どもを育てながら、当時の組織で最年少にして女性唯...

「選ばれたい」と思い過ぎてない? 面接担当者が語る「一緒に働...
元リクルート最強のワーキングマザー堂園稚子さんが、働く女性たちの上司に対する「何で?どうして?」を解説!今回は、数々の採...

あなたにオススメの企業

オススメ求人特集

育児と両立可能な会社

憧れの上司と働く!女性管理職がいる会社

インセンティブ充実!プチリッチな生活を手に入れる

プライベートも充実!年間休日120日以上の求人

未経験でも安心!ノルマが厳しくない営業求人