30 JUL/2013

野菜の切れ端で美味しい!美容にもいいと話題のスープ「ベジブロス」が知りたい

野菜

「野菜は、皮やヘタなどの普段は捨てる部分にこそ栄養素が詰まっている」と聞いたことがある人も多いのでは?

普段は使い道がないので捨ててしまいがちだが、有効に使えるのが「ベジブロス」。

野菜の切れ端を煮出して作る栄養豊富な “だし”のことだ。普段の料理に使えば、美味しくなるだけでなく美容効果も期待できる。

「ベジブロスをはじめよう。」を著したタカコ・ナカムラ ホールフードスクールのタカコ・ナカムラさんに作り方やコツを聞いた。

シミ・シワの進行を防ぐ!
毎日の料理に使える万能スープ

ベジブロスには「フィトケミカル」という栄養素が豊富に含まれている。フィトケミカルとは皮と身の間に多く含まれ、抗酸化作用によって、シミやシワなどの進行を防いでくれるアンチエイジング効果がある。よく耳にするベータカロチン、ポリフェノール、イソフラボンなどは、すべてフィトケミカルの仲間。普通の料理で体に取り入れてもなかなか消化しにくいが、煮出すことで吸収しやすくなるのだとか!

料理は和洋中なんでも合うので、味噌汁の出汁代わりにしたり、カレーやパスタも水の代わりに使うことができる。

「個人的にオススメなのはミネストローネ。ベジブロスを使うことでコクや深みが出ます。さらに、ベジブロスを使ったミネストローネをコップ一杯飲んだ1時間後に血液中の抗酸化物質をチェックする実験をしたところ、抗酸化物質量が25%もアップした女性がいました。わたし自身も、目に見える効果に驚きましたね」

料理教室の生徒さんから「健康になってきた」というコメントをもらうことも多いそう。

皮やヘタをストックして煮出すだけ
冷凍で2~3カ月保存できる

野菜

ベジブロスに使う野菜の皮やヘタなどは、他の料理に使う際にむいたものを取っておく。「野菜はむく前に洗っておきます。できれば、50度のお湯で洗う“50度洗い”がおすすめ。汚れが落ちやすく、冷蔵庫の野菜室でストックする際にも持ちがいいのです」とナカムラさん。その後、鍋に入れて水から中火でコトコトと蓋をせずに煮出し、濾すだけで出来上がり。冷蔵庫で2~3日、冷凍庫で2~3ヵ月は持つのだそう。

「ぜひ入れて欲しいのはタマネギの皮。味も色も良くなります。他にはパセリやセロリなど香りのいいものもおすすめです。基本的にはニンジンやジャガイモなど、家にある野菜の切れ端を何でも入れていいですが、ひとつの食材に偏りすぎるのは、味が強く出てしまうので避けましょう。また、ブロッコリーとカリフラワー、キャベツの芯は、長時間煮込むと硫黄成分が出て嫌な匂いがするので使わない方がいいですね」

他に、キュウリなど生で食べる野菜や、リンゴやレモンの皮などのフルーツもOKとのこと。いろいろ試してみたくなってしまうが、そもそも皮を食べるのは農薬の心配があるのではないだろうか。

「ベジブロスを作るなら、やはり有機野菜を使ってもらいたいです。一見高価だと感じるかもしれませんが、丸ごと食べられるし、何より意識して使い切ろうとするので腐らせてしまうことも少ないのです

ベジブロスを続けるコツは、あまり気負いすぎないこと。「野菜くずが溜まってから作らなきゃ」となかなか試せないのでは元も子もない。「野菜の種類が少なければ、昆布や煮干しなど、だしが出る食材を足してください。溜めているうちに野菜が傷んでしまったらもったいないので気軽に。私は毎日のように作って、日々の料理に使っています」

『ベジブロスをはじめよう。』 著者:タカコ・ナカムラ
ホールフードスクール 発行:株式会社 角川マガジンズ 価格:1260円(税込) 野菜の栄養を丸ごといただく新しい食べ方が「ベジブロス」。ベジブロスとは、野菜の種、皮、ヘタをコトコト煮込んで作る、おいしくて体にいい「野菜のだし」のこと。種、皮、ヘタをコトコト煮こんだベジブロスは、野菜のやさしい旨みが凝縮され、和洋を問わずに活躍。50℃洗いや、塩麹など、人気著書多数のタカコ・ナカムラ氏による、ベジブロスのおいしくて体にいい46 レシピ。料理を煮込みながらでも作れる、ズボラレシピも紹介する。話題の栄養成分のフィトケミカルの栄養事典も掲載。
タカコ・ナカムラさん

タカコ・ナカムラさん

一般社団法人ホールフード協会 代表理事。タカコ・ナカムラWholeFoodスクール 主任講師。オーガニック&Lohasをコンセプトにするカフェプロデュース、講演講師、レシピ商品開発、通信講座開発など、全国を飛び回り活躍中。近著に「ベジブロスをはじめよう。」(角川マガジンズ)、「都市型保存食のすすめ」(実業之日本社) 取材・文:栃尾江美(アバンギャルド)