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JUL/2018

「私、もしかして発達障害?」セルフチェック&症状改善の方法/もややちゃんが脳内科医の先生に聞いてきた【Part4】

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最近よく耳にする「大人の発達障害」という言葉。だけど、実際のところ、どういうものなのかよく分からないという人も多いのでは?

そこで5回に分けて、脳内科医の加藤俊徳先生が「大人の発達障害」の基礎知識をまるっとレクチャー。知っているようで知らない発達障害について、もややちゃんが聞いてきました!

「私、もしかして発達障害?」セルフチェック&症状改善の方法/もややちゃんが脳内科医の先生に聞いてきた【Part4】

「発達障害」ってどんなもの?

発達障害は、読んで字のごとく脳の発達過程に障害が見られること。特に「大人の発達障害」でよく見られるのは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、自閉症スペクトラムの2つ。AD(注意欠陥)とは、いわゆるうっかりとか忘れっぽいと言われるような症状のことで、仕事の面ではケアレスミスや整理整頓、時間の管理が苦手といった傾向が見られます。HD(多動性障害)とは、落ち着きがないと言われるような症状のことで、貧乏揺すりをしたり髪をいじったり、そういったクセがある人が多い。

もしも「発達障害かも」と思ったらどうすればいい……?

いろいろお話を聞いてきましたが、思った以上に「大人の発達障害」が身近でビックリしました。正直に言うと、自分もそうなんじゃないかと疑うぐらいです。もし自分が発達障害かもしれないと思ったときはどうすればいいのでしょうか?

まずは自分自身の状態を冷静にセルフチェックしてみるといいでしょうね。物忘れがひどいとか、仕事で簡単なミスが続くとか、問題になっていることを書き出してみる。その上で、それがいつからなのかを把握することが大事です。昔からそういう傾向があったのと、最近そういう症状が見られるようになってきたのとでは、話が違いますからね。

よくネットで検索したらチェックリストとか出てきますよね。あれはやはり当てはまる項目が多いほど、発達障害である可能性は高いんでしょうか。

そうとも言えますし、該当する項目が1つだったとしても、発達障害であることは十分にあるので、そのあたりはケースバイケースです。

やっぱり最終的には病院に行ってみるのがベストですか?

ADHDを例に挙げれば、大人の90%が未治療と言われています。「アノ人、仕事できないね」で片付けられてしまうことがほとんどですから。適切な治療を受けることはもちろん大事なのですが、病院に通えば必ず治るわけでもないということは覚えておいた方がいいでしょうね。Part2で申し上げた通り、今の医療ではまだ脳の状態から明確に診断する技術が確立されていないんです。

そうなんですね……。ちなみに、良いお医者さんの見分け方ってありますか?

発達障害は脳の発達過程に障害があることから起きるものです。ですから、主観に頼らず、きちんと脳を見てくれるお医者さんを選びましょう。あとは、発達障害は症状を軽減させることはできても、完治が見込めるものではありませんが、影響を最小限に抑えることはできます。

1日1時間の散歩が脳に良い影響を与える

基本的には完治しないという前提で、長い目で一緒に付き合ってくれるお医者さんを選ぶことが大事そうですね。

そう思います。あとは、自分でできるケアもありますよ。要は、脳の発達を促進していくことが大事なわけですから、見て、聞いて、話すことを意識して増やしていくことが、まず重要。いろいろな感覚を使うように意識してみてください。そうやって脳に情報を送ることで、それが刺激となり、脳を鍛えることができます。あとは、適度な運動も効果的。キツイことをやる必要はないので、1日1時間の散歩を習慣化させるくらいのことから始めてみてはいかがでしょう? 朝に30分、夜に30分、とかでもいいので。

散歩が脳にいいんですか?

散歩をすることでいろんな景色が見られるし、体も動かせますからね。あとは規則正しい睡眠。最低でも毎日6時間は寝るようにしましょう。食生活も野菜・魚介類を中心とした栄養バランスのとれたものを。アルコールやカフェイン、炭酸といった刺激物は脳にダメージを与えるのでNGです。

健康的な生活が脳にもいいんですね!

それこそビジネススキルを磨いていくことも、立派な治療の1つ。そうやって社会の中で生活をしながら、少しずつ症状を改善していくのがいいと思います。これはぜひ覚えておいてほしいのですが、発達障害の治療の第一手段は薬ではありません。まずは正確な診断を得ること。そして、自身が発達障害であることを自覚することが第一。その上で、本人はもちろん家族や周囲も発達障害のことをよく理解した上で、環境を最適化できるよう整備していくことが大切なんです。

環境整備には周囲の理解が欠かせませんよね。ということで、次回は“もし自分の同僚が発達障害だったら”どうしたらいいかを聞いていきたいと思います。


【お話を伺った方】
脳内科医/脳の学校代表 加藤俊徳さん
脳内科医/医学博士/脳科学者。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。米国ミネソタ大学放射線科MR研究センターでアルツハイマー病や脳画像の研究に従事。発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。慶應義塾大学、東京大学などで脳研究後、2006年、株式会社「脳の学校」を創業。2013年、加藤プラチナクリニックを開設。発達障害やグレーゾーン、認知症などの診断・治療だけでなく、MRI脳画像を用いて社会人の脳が成長する脳トレ医療を実践。著書に『脳の強化書』(あさ出版)、『発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング』(秀和システム)『めんどくさいがなくなる脳』(SBクリエイティブ)『脳を強化したければ、ラジオを聴きなさい』(宝島社)などがある。
【書籍紹介】
『脳を強化したければ、ラジオを聴きなさい』(加藤俊徳/宝島社)
怒りっぽくなった、集中力がもたない、何度も聞き返してしまう。原因は「聞く力」の低下にあった!1万人の脳を診断・治療してわかった身近な悩みを解決する「攻めの脳トレ」40。 >>Amazonで購入する

 

取材・文/横川良明

連載『「大人の発達障害」基礎知識』の過去記事一覧はこちら

>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/developmentaldisordersをクリック

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