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OCT/2018

“性欲スイッチ”が入らない女たち―「実は知らない性の話」を専門家が解説【宋美玄・麻美ゆま他】

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生理、デリケートゾーン、セックス、避妊。性に関することはなかなかオープンに話しにくい。悩み事があっても、「こんなことで悩んでいるのは私だけかも……」と、不安に感じている人は少なくないだろう。

そんな女性に向けて、日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018での講演「私たちは性のはなしを知らない」の中から、産婦人科医で『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』著者である宋美玄さん、タレントで元AV女優の麻美ゆまさんが語った、「リアルな性」の一部をご紹介。

 デリケートゾーンや避妊に関する疑問を解決! 専門家が教える、実は知らない性の話【宋美玄・麻美ゆま他】

大切なことなのに、学校の保健の授業で少し教わったくらいで、実はきちんと知らない性の話。専門家の見解を見てみよう。

実は知らない性の話1
「生理痛がつらいのは当たり前」ではない

「不妊が社会的な問題になっています。生理不順や性感染症など、不妊の原因はさまざまですが、不妊症のサインの一つは生理痛なんです。『生理はつらいもの』『生理痛はものすごく痛いもの』と思っている人は多いですが、生理痛が重い人は生理痛がない人と比べて2.6倍子宮内膜症になりやすいというデータもあります。もちろんただ生理痛が重い人もいるけれど、何かしらの病気がある可能性は頭の片隅に置いておいてほしいですね。

また、昔は初潮を迎えた数年後には結婚して出産をしていたけれど、今は初潮がきてから妊活を始めるまでに20年ぐらいある。妊娠するまでの生理の回数が多い分、子宮内膜症になりやすいという事実もあります。生理がくるのは健康の証ではあるものの、人生全体で考えると毎月排卵と生理が起きるのはマイナスなんです。妊娠を考えていない時はピルを飲んで排卵を抑えた方が、生理が楽になるし健康にもいいんですよ」

実は知らない性の話2
ピルは太らない

麻美「ピルは『副作用で太りやすくなる』という都市伝説がありますが、実際に使ってみるといいことしかないなと感じます」

「中用量ピルが主流だった時代は実際に太りましたが、低用量ピルであれば問題ありません。ピルを飲んでいるモデルさんだっていますよ。最初は出血が増えることがありますし、血栓症という血が固まりやすくなる副作用もありますが、20〜30代のタバコを吸わない健康な人であれば、リスクはほとんどありません。先ほどお話しした通り、排卵を止めて体の負担を減らすことができるので、妊娠を考えていないのであればおすすめです」

実は知らない性の話3
避妊法はコンドームとピルだけじゃない

 デリケートゾーンや避妊に関する疑問を解決! 専門家が教える、実は知らない性の話【宋美玄・麻美ゆま他】
「男性用のコンドームとピル以外にも、避妊法はいろいろあります。日本では手に入らないものが多いのですが、例えばIUD(子宮内避妊用具)。子宮の中に入れるリングで、私は今このリングを入れているんですけど、生理が止まるし、とても楽です。『経産婦向け』と説明されていることもありますが、それ以外の人でも使えます。保険が利くので、だいたい1万円ぐらい。毎回コンドームを使うよりも安いんですよ。ただ、性感染症は予防できませんから、そこは注意が必要です」

麻美「宋先生みたいに実際に使っている人が身近にいると、イメージができて安心できますね。女性の中にはコンドームが痛いっていう人もいるから、選択肢が広がるといいなと思います。コンドームも合う・合わないがあるから、いろいろ試して、自分に合ったものを探してみてほしいですね」

「コンドームが痛い女性はローションを使うのもいいと思うけれど、男の人の中にはローションを使おうって話をされると『お前のテクニックじゃ濡れない』って言われているように感じる人もいるみたいなんですよね。ですから相手のメリットを考えて、『あなたをもっと気持ちよくさせてあげたいから』と、相手の性器にローションを塗って、その状態で入れてもらうのがオススメです。今はオーガニックや口に入れても大丈夫な製品もありますよ」

実は知らない性の話4
女性も性欲のスイッチを入れるトレーニングを!

「『セックスが痛い』『性欲が分からない』という相談が私のところに寄せられますが、マスターベーションをしたことがない人が多いんです。男性は中学生くらいになるとAV談義で盛り上がったりするじゃないですか。でも女性の場合、周りの人に感化されてマスターベーションをするっていうことがない。本当は女性でもかなりの割合がマスターベーションをしているけれど、あまり情報が表には出てこないんですよね。

でもマスターベーションは、実は性欲のスイッチを入れるトレーニングになるんです。長くパートナーと付き合っていると『もう相手に欲情なんかしない』っていう話があるじゃないですか。そういう時、自分の性的嗜好を掘り下げていない人はしんどくなってしまうと思うんです。自分が何に欲情するか分かっていれば欲望のスイッチを入れることができますから、そういうトレーニングは必要だなと思います」

実は知らない性の話5
AVのマネはしなくていい

 デリケートゾーンや避妊に関する疑問を解決! 専門家が教える、実は知らない性の話【宋美玄・麻美ゆま他】
麻美「AVは作られた嘘の世界です。ファンタジーとして見ている人を楽しませるものだから、実際のセックスで同じことは絶対にしないでほしいんです。他に参考になるものがないから、女性もAVを見て『こうやって男の人を楽しませるんだ』って考えている方が増えています。でも、AVは教科書じゃありません。こういう現状は変えていかなきゃなって思っています」

「AV はビジュアルで見ている人を興奮させるもの。だから激しく動いていますが、本当はそんなに動かずにそっとしている方が、女性にとっては気持ち良いことも多いんですよ」

実は知らない性の話6
膣の中は洗っちゃダメ!

「膣には常在菌がいて、その菌が雑菌から体を守ってくれています。洗ってしまうとこの菌が殺されてしまうので、膣の中は洗ってはいけません。ただ、デリケートゾーン自体は垢が溜まりやすい部分です。お湯だけでは落としきれないけれど、ボディソープで洗ってしまうと粘膜によくない。デリケートゾーン専用の洗剤があるので、それで洗うのが一番いいですね。なお、アンダーヘアが生えている意味は特にないので、全部なくした方が皮膚トラブルは減りますよ」

実は知らない性の話7
デリケートゾーンの黒ずみには保湿が◎

「前提として、デリケートゾーンの黒ずみを気にする必要はありません。『黒ずんでいる人はセックスをたくさんしている』みたいな話もありますけど、人によってデリケートゾーンは全然違うんです。妊娠中の女性ホルモンの影響で黒くなることだってあります。ただ、どうしても気になるのであれば、乾燥や摩擦が黒ずみの原因になるので、保湿は効果的。生理用ナプキンを着けていると摩擦で黒ずむこともあるので、例えば膣内に入れる月経カップを使うといった方法もあります」

取材・文・撮影/天野夏海


【登壇者プロフィール】
タレント/元AV女優
麻美 ゆま さん

2005年にAV女優デビュー。ドラマ、映画などでも活躍。2013年に境界悪性卵巣腫瘍と診断され、卵巣と子宮を全摘出。現在は講演活動、歌手、タレントとして活動。

産婦人科医 医学博士
宋 美玄(そん みひょん)さん

日本周産期・新生児学会会員、日本性科学会会員/一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事/丸の内の森レディーズクリニック医院長。『女医が教える本当に気持ちいいセックス』著者。“カリスマ産婦人科医”として、メディアを通し、女性のカラダの悩み、妊娠出産、セックスや性等について啓蒙活動を行う。

国際基督教大学 公共政策専攻/#なんでないの プロジェクト代表/世界性科学学会Youth Initiative
福田 和子さん

国際基督教大学公共政策専攻。性に関する学びのため1年間スウェーデンに留学。帰国後、性の健康を当たり前に守れる社会を目指し「#なんでないの」プロジェクトをスタート。

株式会社TENGAヘルスケア 取締役
佐藤 雅信さん

幼少より性の楽しみや快感を追求。追及の過程で性的な健康を損なっていった自身の経験を元に2016年TENGAヘルスケアを設立。性の悩みや問題のない社会を目指す。

福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦さん

川崎医科大学卒業。泌尿器科専門医、医学博士、日本性機能学会専門医。
誰もが性を楽しめる社会のためにTENGA医療を実践している。

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