17
OCT/2018

家事も育児もやらない夫は“出世”できない!?「自分のキャリアより夫の昇進」を優先した女性が直面する壁

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 育児と「豊かなキャリア」の両立を!ワーママ2.0
『育キャリカレッジ』池原真佐子のWebメンタリング
育児と「豊かなキャリア」の両立を!【ワーママ2.0】

結婚しても、出産しても、仕事は続けたい。しかも、ただ働くだけじゃなく、やりがいのある仕事がしたい!――そんなワーキングマザーから寄せられたお悩み相談の数々に、働く女性向けにメンターサービスを提供する『育キャリカレッジ』代表の池原真佐子さんがメンターとして回答していきます!

今回の相談

(Aさん 営業職/33歳/子供3歳)

夫が家庭のことや子育てに非協力的なので、私がほぼワンオペで育児をしています。私も仕事が好きだしもっと働きたいけれど、「夫に出世してほしい」という気持ちもあるため、「今度はあなたが時短をして」とか、「もっと家庭のことに時間を使って」とか、本音を言えずにいます。夫の会社は男性で育児休暇を取っている人などはいなくて、男性の子育てに対する理解があまりなく、いつも夜遅くまで働いています。正直ワンオペはつらいのでどうにかしたいと思っているのですが、夫の出世を支えたくもあり、悩んでいます。

池原さんからの回答

女性が仕事をベースにした人生設計を行う上で、パートナーとの関係性は避けて通ることができません。“女性が豊かなキャリアを育む”をコンセプトに、女性にメンターをマッチングする『育キャリカレッジ』でも、このような悩みは多く寄せられます。

ワンオペ育児が辛い、でもパートナーのキャリアもサポートしてあげたい、とはいえ本音で話せない……。
そのような相談者さまに似た女性は全国に多くいると思います。

また、今回寄せていただいた相談内容を拝見すると、Aさんご自身にも4つの思い込みがあるように感じました。

育児

一つ目は、「夫の出世は、今の(長時間労働が良しとされている)会社で、長時間働くことによって達成される」という思い込み。二つ目は、「夫の家事や育児参加は、出世の妨げになる」という思い込み。三つ目は「出世というのは、一つの会社の中での昇進」であるという思い込み。そして何より重大なのが四つ目で、「自分自身の仕事の働きがいや達成よりも夫の出世の方が価値がある」という思い込みです。

確かに、残念ながら、今の日本の会社の多くは、長時間労働することでより多くのアウトプットを出し、それが社内の役職昇進に繋がると、給与が上がる、という傾向があることは否めません。

しかし、「人生100年時代」と言われる昨今、安泰だと思っていた企業がグローバル化やAIの流れを受けて消えていくことは往々にしてあるものです。そのような古い体質の会社で、長時間労働をして昇進を獲得することは、果たしてパートナーの長期的な「キャリアの成功」に繋がるのでしょうか。

また、もしパートナーがこのまま同じ会社で昇進していく場合でも、今後、彼の部下にワーキングマザーや介護をしている部下が増えてくると思います。その際「育児も家事も妻に任せきりで長時間労働してきた」上司が、そのような多様な部下の事情を理解し、能力を伸ばすような人材育成ができるでしょうか

育児は、思うようにならない存在を育てるという経験。家事は、家庭を運営していく上で不可欠なタスク。それを、人生の共同創業者である妻と話し合い責任を負っていくという経験は、パートナーのキャリア、つまり部下の育成、組織の成長への貢献という点で、にマイナスになることではないと思います。また、夫婦でまかないきれない家事は外注するなどの判断もまた、ビジネスマンとして経営視点を培う上で役に立つと思います。

何が言いたいかというと、育児や家事をどうしていくかと考えることは、パートナーにとっても、ビジネスマンとしての長期的成長に不可欠だということです。ぜひそのような話をパートナーとしてみてください。

そして何より、Aさんご自身が「自分のキャリアより夫の出世が大事」と思い込んでいることが気になります。愛する人のやりがいや成功を支えたい気持ちは素晴らしいことです。しかし、自分をないがしろにしていいということでは無いと思います。
「私も幸せで、パートナーも幸せ」なキャリアと家庭をつくるにはどうしたらいいかのか、という視点に切り替えてみてください。

パートナーと本音で話し合うためのコツ

パートナーと二人が目指す幸せな生き方、働き方を話合う機会は意外とないものです。相手を思いすぎるが故に、本音を話せなくなるカップルも多いと思いますが、私なりに考えた、話し合いのコツをお伝えします。

育児
1)行動への要求を最初に突きつけない
突然「今度はあなたが時短をして」「もっと家庭のことに時間を使って」と、行動を変えるよう言っても、相手は「出来ない」等と反発、抵抗してしまうかもしれません。これは人間の心理として自然なことです。

そうではなく、まずは、自分の置かれている現状と、夫婦として、そしてあなた自身が望む未来を、冷静に話してみてください。そして、パートナーの仕事の成功も願っていること、その上で育児や家事が今後のキャリアにプラスであること、人間的成長も夫婦で共有できること等も伝えてみてください。

それらを伝えた上で、初めて「行動をどう変えるか」の話に進みます。「どうやったらありたい未来が叶うか」を、夫婦二人で話し合ってみてはどうでしょうか。時短勤務なのか、週末の使い方なのか、行動をどう変えるかは、お互いが納得した形で導いてください。全く新しい方法も出てくるかもしれません。

2)論理的に話す
育児や仕事で思いつめていると、どうしても「分かって!」と感情的になりがちです。私もそういう時はよくあります。私の場合、パートナーが海外に住んでいるので、LINEなどで感情的なメッセージを沢山送ってしまったり(笑)

感情をぶつけたい、聞いてほしいときは「今、私の話を聞いてくれる? 辛いから、あなたにただ聞いてほしいの」とワンクッション伝えておくと、男性は心の準備が出来るようで、オススメです(それをしないと「責められている」と感じるようです)!

一通り感情が落ち着いた後、これからについて話すときは、論理的に話すことを心掛けてください。相手の状況、気持ち、何を考えているのか、「仕事、出世、昇進、長期的なキャリア、家庭の運営、子育て」等について、現在どんな価値観を持っているのかを改めて尋ねてみてください。

正直、話し合いは面倒で、手間がかかる作業ではありますが、自分自身やパートナーに対しても新しい発見があり、家庭という共同経営者として、アップデートした関係性を築けるようになるはずです。

<次回のお悩み相談>
忙しさからくるイライラを子どもにぶつけてしまうというワーキングマザーからのお悩みに池原さんが回答します。
11月中旬公開予定です。


【この連載の寄稿者】
株式会社MANABICIA代表/育キャリカレッジ 代表
池原真佐子(いけはら まさこ)

福岡県出身、早稲田大学・大学院で成人教育を専攻。PR会社、NPOを経てコンサル会社で勤務。在職中にINSEADのパートタイムのコーチングと組織開発の修士(Executive Master in Change)を取得。同時に、エグゼクティブコーチング等の人材育成を手がける(株)MANABICIAを創業。その後妊娠するも、臨月でパートナーが欧州に転勤、東京でワンオペ育児開始。産後1年半経ったころ、キャリア女性にメンターをマッチングさせる育キャリカレッジを新規事業として立ち上げる。2018年秋からはドイツにも拠点を持つ予定。2017年に英ユニリーバDOVEでNourishing SecretのCMに、日本を代表する新しい女性として出演。その他、日テレNews等のメディア出演も多数。著書『自信と望むキャリアを手に入れる 魅力の正体』(大和書房:日本と韓国で発売)

連載『ワーママ2.0』の過去記事一覧はこちら

>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/workingmotherをクリック

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