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DEC/2018

「何でもやってみる」その心意気が未来を変える! 女性エンジニアが“長く働く”を実現する方法【IT職種 異業種エンジニア座談会】

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女性が長く働くことは当たり前になったものの、まだまだ女性の進出が遅れている職種もある。例えば、エンジニアがその一つだ。圧倒的に男性が多い環境で、「このまま働き続けられるのか」と悩む女性もいる。どうすれば、女性の「長く働く」は実現できるのだろうか? Web、SI、コンサル、それぞれの業界で活躍する現役エンジニア3名に話を聞いた。

女性エンジニア座談会
写真左:株式会社サイバーエージェント
大泉 明日香さん

2016年9月に入社。前職からWebのフロントエンドエンジニアを経験し、現在は『AbemaTV』のフロントエンドチームのリーダーとして活躍

写真中央:Sky株式会社
川井美樹さん

2017年10月入社。前職は地方のIT企業。Sky入社後は、モバイル系開発エンジニアとして、Web開発やアンドロイドアプリ開発に携わる

写真右:アクセンチュア株式会社
楊 姝碧さん

2018年3月入社。前職は日系のSIer。現在はSEとして、保険会社をクライアントとするプロジェクトに参画

いつまでコードが書ける?
将来のキャリアは共通の悩み

————皆さんは現在の会社に中途入社されていますが、転職のきっかけを教えていただけますか?

大泉さん(以下、敬称略):前職の会社では、フロントエンドエンジニアとしてグループウェア開発に4年半ほど携わっていましたが、同じサービスを延々と作り続けるより、新しいサービスにチャレンジしたいと思ったのが転職を考えたきっかけです。前職は小規模な会社で手掛けるサービスも限られていたので、次はいろいろなサービス開発に携われる会社で働きたかったことと、大きな組織で自分の実力を試してみたいという思いから、サイバーエージェントを選びました。現在はサイバーエージェントが運営する『AbemaTV』のWeb開発チームのリーダーを務めています。

川井さん(以下、敬称略):前職は地方のIT企業で働いていたのですが、地域密着型の会社で、手掛けるのも市役所など公共団体系の業務開発が中心でした。こうした案件では、新しくシステムを作ることはほとんどなく、保守・運用の連続なんです。それで「このままでは成長できない」と気付き、転職を考えました。Skyを選んだ理由は、業務系からモバイル系、パッケージ開発まで業務の幅が広かったこと。私はモバイル系のエンジニアとして採用されましたが、万が一その仕事が合わなかったとしても、社内で他のキャリアに転換できる選択肢があるのは魅力でした。

楊さん(以下、敬称略):私は新卒で日系のSIerに入社し、SEとしてメガバンクのグローバル系システム開発や保守・運用を担当していました。その中で入社当時から扱っていたパッケージに魅力を感じていたのですが、残念ながらそれを扱う案件がなくなってしまったのです。でも私は「絶対にこれをやりたい!」と思っていたので、業種は問わず、そのパッケージを扱うことができる会社に転職しようと考えました。アクセンチュアに最終的に入社を決めたのは、世界各国に拠点を持っていることが大きかったです。私は中国出身で現在は日本で働いていますが、将来は別の国でも働いてみたいという気持ちがあるので、その選択肢が用意されているのは魅力的でした。

————エンジニアとして働き始めてから、仕事やキャリアについて悩んだことはありますか?

女性エンジニア座談会
大泉:「いつまでエンジニアを続けられるのだろうか」ということは考えますね。前職で当時の上司が「30代後半になるとコードを書けなくなるぞ」と言っていたんです。私も30代になったので、その言葉を思い出して不安になることはあります。だから最近はエンジニアの業務以外に、採用をやったり、チームのリーダーとしてマネジメントを任せてもらったりして、「自分はこの仕事もできるだろうか」と将来のキャリアを考える機会を進んでつくるようにしています。

楊:私の周囲でも30代になると現場を離れてマネジメントに専念するケースが多いのですが、私はコードを書くのが大好きなので、今はまだ将来のキャリアを迷っています。ただアクセンチュアでは、上司がキャリアプランの相談にもしっかり乗ってくれますし、「マネジメントに比重を置く道も、エンジニアとして現場で手を動かし続ける道も用意されているので、どちらでも選べますよ」と言ってくれるので、とても心強いです。

川井:前職では、女性エンジニアだからという理由でやりたい仕事を任せてもらえないことがあり、当時はそれが悩みでした。地方の小さな会社だからかもしれませんが、周囲も「そのうち結婚・出産して、辞めるんでしょ」という空気があったんです。その点、Skyでは、上長と「今後何をやっていきたいか」を話し合う場を頻繁に設けてもらえるので、前職のような悩みはなくなりました。男女で任せてもらえる仕事も全く変わらないので、成長機会も豊富にあります。

語学を学ぶ感覚でコードに触れる
その気軽さが女性エンジニアを増やす

————今後、どうすれば女性エンジニアが増えていくと思われますか?

大泉:人数を増やすなら、企業が未経験者を採用して育成していくことができると良いですよね。そもそも大学で理系に進む女性の数が少ないですから、IT関連やプログラミングを学んだ人だけを新卒で採用していたら、女性エンジニアは増えません。だから採用の時点で、もっと門戸を広げられれば、可能性は広がると思います。企業が文系の学生を対象とした「未経験インターン」に力を入れるのもいいと思います。私は文系出身ですが、理系でなければエンジニアの適性がないとは全く思いません。

川井・楊:私も文系です!

大泉:私としては、プログラミングは「新しい言語を学ぶ」くらいの感覚なので、むしろ文系で英語が好きだった人なんかはエンジニアに向いていると思いますよ。

女性エンジニア座談会
川井:「未経験だからダメ」と最初から線を引くのではなく、女性たちが「とりあえず試してみようかな」と気軽な感じでエンジニアを目指せる環境を企業がつくっていけるといいですね。

楊:私の周囲にいる同年代の女性たちも、「自分はプログラミングなんてできない」と言う人が多いのですが、それは「女性はエンジニアに向いていない」という先入観があるだけだと思います。だからもっとITやテクノロジーのカッコ良さを若い人たちに伝えて、「自分もあんな風になりたい」と憧れるような仕事になればいいですね。私も大学は文系でしたが、経済専攻で統計データの作成などにプログラミングを活用していたんです。その時、自分が書いたコードが動くのが面白くて、就職でもITの世界を選びました。私のように少しでもITやプログラミングの面白さに触れる機会があれば、女性ももっとエンジニアの仕事に興味を持つのではないでしょうか。

「長く働く」を叶えるには
仕事も楽しむ姿勢を忘れてはダメ

————それでは、女性エンジニアが「長く働く」を実現するためには、何が大事だと思いますか?

大泉:育休明けの復職時に育休前と同じ職場に戻れることを確約できれば素晴らしいですね。もちろん人によって事情は違うので、複数の選択肢は用意すべきですが、今やっている仕事が好きな人は育休後も続けられたら幸せだし、元の場所に戻れる安心感は、長く働き続けることにつながると思います。

川井:そもそも女性エンジニアが産休育休明けにどのような働き方をしているのかがイメージしにくいために、復職をためらう人も多い気がします。会社が社員に向けて「出産後もこんな風に働いている女性エンジニアがいますよ」と情報提供したり、復職後のキャリアについて相談できる窓口を設けたりすることは、この課題を解決する一つの方法になると思います。

女性エンジニア座談会
楊:私は「共働きが当たり前」という環境で育ちましたし、周囲にも女性エンジニアとして働き続けている先輩社員が多いので、私も長く働きたいと考えています。ロールモデルになる存在が身近にいれば、若い女性エンジニアたちも安心して働き続けることができるのではないでしょうか。

————皆さんの会社では、女性エンジニアが長期的にキャリアを築いていけるように、どのような工夫をしていますか?

大泉:サイバーエージェントには、女性が長く働くための支援制度「macalon」というものが存在しており、キッズデイ休暇や、認可外保育園補助、子どもが病気の時は在宅勤務可、など様々な項目が盛り込まれています。サイバーエージェントは、「女性だから」「子どもがいるから」という理由で男性と差別されることは一切ありません。女性管理職も多いですし、子どもを産んだあとの仕事の役割やペースについては、きちんと自分の意見を述べる機会があると思います。エンジニアに限るとまだまだ女性の数は少ないのですが、サイバーエージェント全体で見れば現在社員の4人に1人がママ社員。それくらい働きやすい環境が整っています。

川井:当社にも、産休育休制度を利用し、復職してからも活躍している女性はもちろんいます。さらに、Skyは社員間のコミュニケーションが密で、情報共有のスピードも非常に速いのが特徴です。『Skyなう』というツイッターのような社内ツールで上司とやりとりしたり、誕生日には社長から「おめでとうございます」とメッセージが届いたりと、お互いの距離が近く感じられるのが良いところです。最近では、部門を横断しての業務連携もより密になっていて、困ったときに悩みを相談し合えるような女性社員同士の横のつながりづくりも進めています。

楊:先ほどもお話したように、アクセンチュアではバリバリ働き続けることもできるし、ワークライフバランスを考えて家庭を大事にしながら働くこともできるし、グローバルで働く道も開けています。私自身も将来のキャリアにまだ迷っているところですが、こうして幅広く選択肢が用意されているのはとてもありがたいですし、女性の働きやすさにつながっていると思います。

————最後に、転職の際に自分に合う会社をどのように選べばいいか、アドバイスをお願いします。

女性エンジニア座談会
楊:まずは「自分が何をやりたいのか」をはっきりさせることが大事だと思います。私は「楽しさ」を追求するタイプ。コードを書くのも楽しいし、自分が作ったシステムをエンドユーザーの方に役立てていただけるのも楽しいので、その楽しさを最も実現できる会社を選びました。ですから、今までの仕事で自分がどんな時に楽しいと感じたかを振り返ってみると、自分に合う会社を見つけることはできるはずです。

川井:
私の場合は、「このサービスやコンテンツを作りたい」という方向性は明確ではありませんでした。だから転職する時、「一度入社したら、仕事を好き嫌いしない」と決めました。今の会社でも、Web系の開発をやったり、アンドロイドアプリの開発をしたりと、いろいろな機会をもらっていますが、もし私が「それは嫌」「あれも嫌」と言っていたら、何の成長もありませんよね。もし転職する時点で自分のやりたいことがはっきり思い描けないのであれば、「何でもやってみよう」という心意気を持っていた方が楽しく働けるはず。会社の環境も大事ではありますが、一番大事なのは自分自身のスタンスかなと思います。

大泉:
私も楊さんと同じで、「楽しいか、楽しくないか」が一番重要です。川井さんから「好き嫌いしない」という話も出ましたが、それも同感ですね。だって、「あまりやりたくないな」と思った仕事でも、やり始めたら意外と楽しめることってありますから。どんな会社に転職するにしても、目の前の仕事の中に楽しさを見つけようとする気持ちがあれば、前向きに働き続けられると思います。

取材・文/塚田有香 撮影/洞澤佐智子(CROSSOVER) 

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