秋のメンタル不調を「食」で解決! 不安やイライラを軽減させる2大栄養素とは【管理栄養士監修】
秋らしくなってきましたね。夏が終わり、気温が寒くなると心理的に落ち込みやすくなると言われています。働く女性の中にも、「秋になると急に不安な気持ちになったり、イライラしたりする気がする」という人も多いのでは? そこで今回は、そんな秋の憂鬱を軽減するのに効果的な栄養素と食品をご紹介します。

【企画・執筆】株式会社 asken 執行役員 管理栄養士 道江 美貴子
女子栄養大学栄養学部卒業後、グリーンハウス(100%出資親会社)に入社。これまで100社以上の企業で健康アドバイザーを務める。2007年、「あすけん」の立ち上げに参画し、企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、あすけん事業統括責任者。 著書「なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?」(クロスメディア・パブリッシング)など
不安やイライラを軽減させる2大栄養素
「アミノ酸(トリプトファン)」と「ビタミンC」

不安やイライラを感じると、そのストレスを和らげようようと、脳はストレスに対抗する神経伝達物質を分泌します。これらを総称して「抗ストレスホルモン」と呼び、「ドーパミン」「セロトニン」「アドレナリン」「ノルアドレナリン」の4つがあります。不安やイライラを軽減させるためには、「抗ストレスホルモン」を体内でつくるために必要な栄養素をしっかり取ることが大切です。
【1】 アミノ酸(トリプトファン)
不安やイライラを軽減させるためには、「ドーパミン」「セロトニン」「アドレナリン」「ノルアドレナリン」などの「抗ストレスホルモン」と呼ばれる神経伝達物質の分泌が不可欠。これらの抗ストレスホルモンは、たんぱく質の最小単位であるアミノ酸から作られています。中でも、セロトニンの原料となるトリプトファン(必須アミノ酸の一つ)は、体内で合成されず、食事でしか取れない栄養素。セロトニンは、精神を安定させ、質の良い睡眠をもたらしてくれる大切な物質となるため、その原料であるトリプトファンを食事からしっかりと補う必要があるのです。
【アミノ酸(トリプトファン)が多く含まれる食材】
大豆、かつお、まぐろ、豚肉、レバー、牛乳
【おすすめ料理】
◆戻りカツオのたたき
◆豚肉の生姜焼き
◆豆腐のチャンプルー
カツオやマグロにはトリプトファンの他にも「DHA」、「EPA」が豊富。最近ではこれらの栄養素が精神疾患を緩和する効果があるという研究結果が出てきています。
【2】 ビタミンC
ビタミンCは抗ストレスホルモンの合成に必須な栄養素です。そのため、ストレスを感じている時には、ビタミンCの消耗が激しくなります。ビタミンCは、柿やさつま芋などの秋の味覚にも豊富に含まれているので、さっそく普段の食事に取り入れてみてください。
【ビタミンCが多く含まれる食材】
さつま芋、ジャガ芋、ピーマン、柿、キウイ、ブロッコリー、キャベツ
【おすすめ料理】
◆さつま芋の甘煮
◆肉じゃが
◆ピーマンの味噌炒め
◆キャベツの千切り
芋とピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくいとう特徴があるので、特にお薦めです。
秋はメンタルの不調が出やすい季節とはいえ、日ごろ食べるものにちょっと気を付けるだけで、症状が回復する可能性もあります。それに加えて、ストレスを抱え込まないようにするなど、注意も必要です。「最近、何だか憂鬱な気分が続いている……」と感じている人は、さっそく今日の食事にアミノ酸(トリプトファン)とビタミンCが豊富ものをチョイスしてみてはいかがでしょうか。

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