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NOV/2019

ドイツ生活で学んだ“ストレスを受けた心”の癒し方「ハイヒールを脱ぎ捨てて森へ」

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ドイツ人女性に学ぶ「豊かさ」のヒント
池原真佐子の日独ワークライフ通信

仕事と子育てを両立しながら日本とドイツの二拠点で生活を送る著者が、ドイツ人女性の働き方や生き方を見て感じたこと、学んだことをお届けしていきます。豊かな人生をつくるワークライフのヒントが見つかるかも!

池原真佐子

Woman type読者の皆さん、こんにちは。株式会社MANABICIA代表の池原真佐子です。私は現在、ドイツと東京を行き来しながら、仕事と育児の両立をしています。

連載6回目となる今回は、ドイツの生活から学んだ、「心の立て直し方」についてお話ししたいと思います。

ドイツ人にとっては“歩くこと”もレジャー

ドイツに来てからもうすぐ1年、日本と行き来しているとはいえ、ドイツの生活にもすっかり慣れてきました。

東京の便利さ、刺激に溢れた生活は魅力的ですが、それと同じく、緑溢れたミュンヘンの、ちょっと不便だけれどものんびりした生活というのも、実はとても奥が深いのだと気付きました。

ミュンヘンの公園で
ミュンヘンの公園で/筆者撮影

ドイツ人は歩くことがとにかく好きで、「ドイツ人が言う『ちょっとそこまで』、は徒歩1時間」というジョークもあるくらい、週末になると「公園や森で、ただ歩いているだけの人たち」に沢山出くわします。

それも、健康のためのウォーキング、というよりも、歩くこと自体がレジャーであり、楽しみである、というのです。子どもからお年寄りまで、一人人で、あるいは家族や友人たちと、緑の森の中を歩いています。

少し話は逸れますが、レジリエンス(回復力)という言葉を聞いたことはありますか?

レジリエンスとは、ストレスなどの外的な刺激に対する柔軟性を表す言葉です。ストレスが多い現代において、レジリエンスは、心身ともに健康を保つだけではなく、仕事で成果を出すために必要な要素として注目されています。

私は今まで、仕事でストレスや疲れがたまると、まずマッサージや整体に駆け込み、気分転換にとネイルサロンや美容院、あるいは街へウィンドーショッピングに出掛ける、などをしていました。子どもが生まれる前までは、よく飲み会にも出掛け、憂さ晴らしをしていました。「嫌なことは、他の刺激で忘れる」という作戦です。しかし、どれだけ刺激を重ねても、余計に疲れてしまったり、何だか虚しくなったり……。そんな時も多かったように感じます。

しかし、ドイツに来てからは、緑の中でぼーっとして過ごす、ただ歩く、という機会が増え、そこで「あれ? 何だか最近、イライラしなくなっているかもしれない」と気付いたのです。

疲れたときは、緑に囲まれて過ごす

そこで思い出したのが、前述のレジリエンスです。

レジリエンス研究者によると、人が心にダメージやストレスを受けたときに、レジリエンスを発揮して立ち直るために効果的なのは、「運動」「音楽」や「瞑想」だそうです。

また、別の研究によると、日常的に自然の緑に触れている人は、ストレスがたまりにくいという説もあります。

緑の森や林の中でぼーっとすること、無になって、自分の動きに集中すること。これが実は、ストレスを受けた心の回復を早めていたのです。

ミュンヘンの公園で
ミュンヘンの公園で/筆者撮影

確かに、ミュンヘンでの生活は東京と比べてとても不便です。エステやネイルの予約は時間がかかるし、コンビニもほとんどなければ、日曜は全ての店が閉まっています。一方で、不便だからこそ、心がしなやかになっていたのかもしれません

東京でワンオペ育児の仕事を両立していた頃、そして日本と頻繁に往復している現在のドイツ生活。比較をすると、実は今の方が心身ともに大変なことも多いと思います。

でも、東京にいるときは、エステやマッサージを繰り返してお金をかけても取り払えなかった疲労感が、今は、ありません。森や林の中でぼーっとしているだけで、「ま、いっか」と頭がすっきりしてくるのです。

この記事を読んでいる方も、日々仕事やプライベートでとても忙しく、ストレスを溜めている方も多いのではないでしょうか。

心が折れそうなとき、疲労感がなかなか取れないとき、まずお酒や整体に飛び付くのではなく、ハイヒールを脱ぎ捨て、森や林の中で、一人で歩いてみるのはいかがでしょうか?

心がしなやかに、立ち直ることを実感するはずです。


【この連載の寄稿者】
(株)MANABICIA 代表 
池原 真佐子(いけはら まさこ)さん

池原真佐子

福岡県出身、早稲田大学・大学院で成人教育を専攻。PR会社、NPOを経てコンサル会社で勤務。在職中にINSEADのパートタイムのコーチングと組織開発の修士(Executive Master in Consulting and Coaching for Change : 現EMC)を取得。同時に、エグゼクティブコーチング等の人材育成を手がける(株)MANABICIAを創業。その後妊娠するも、臨月でパートナーが欧州に転勤、東京でワンオペ育児開始。産後1年半が経ったころ、女性のキャリアに特化したメンターを養成するスクール運営、企業の働く女性へのメンターをマッチング事業を行う『Mentor For(「育キャリカレッジ」から名称変更 )』を新規事業として立ち上げる。2年半のワンオペ育児を経て現在はドイツと二拠点生活。2017年に英ユニリーバDOVEでNourishing SecretのCMに、日本を代表する新しい女性として出演。ワーママオブザイヤー2018受賞。「第5回女性起業チャレンジ制度」グランプリ(2019)。その他、日テレNews等のメディア出演も多数。著書『自信と望むキャリアを手に入れる 魅力の正体』(大和書房:日本と韓国で発売)

>>Mentof For

『日独ワークライフ通信』の過去記事一覧はこちら

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