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MAY/2020

“コロナ金欠”で困ったら?お金のプロに聞いた、緊急時を生き抜くために今すぐやるべき5つのこと【FP監修】

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「次の家賃を払ったら、貯金もそこを尽きる……」「来月以降の生活が見通せない……」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、働きたくても働けない状況に陥り、突然収入が大幅に減ってしまった人は少なくない。特に、接客、販売業で働く人たちには、大きな被害が出ている。

コロナ金欠

そんな中、十分な貯蓄がなく「お金がなくてやばい」という緊急の相談が、フィナンシャルプランナー高山一恵さんのもとには続々と寄せられているという。

もしも、次の家賃を払えないような状況になってしまったら、まず何からすべきなのだろうか。「もう打つ手はない」と諦める前に、 高山さんの5つのアドバイスを試してみてほしい。

高山一恵 さん

高山一恵さん

ファイナンシャルプランナー(CFP)・1級FP技能士 2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務め退任後、(株)Money&Youの取締役へ就任。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。『FP Cafe

「次の家賃が払えない」金欠状態の人がやるべき5つのこと

貯蓄がほとんどない状態で「今」を生き抜くために大事なのは、現金を確保することだ。焦る心を落ち着けて、次の①~⑤のポイントを確認してみよう。

①月々の支出を確認する

最初に手を付けるべきは、「自分が何にどれくらいお金を使っているのか」のチェックだ。コロナショック以降ライフスタイルが変わり、ほとんどの人が平常時とは違う家計になっていることに注意したい。

FP・高山さん

過去1カ月の支出を書き出すなどして、何にどのくらいお金を使っているのかを把握したら、その中から削減できそうなものはないか洗い出してみましょう。

コロナ金欠

レジャーなどの支出が減った一方で、在宅の時間が増えたことにより、食費や水道光熱費、日用品などの生活費が思ったより増えてはいないだろうか?

収入と支出が分かれば、あとどのくらいのお金を手元に確保すれば、しばらく生活できるのかが分かるはず。日頃から家計簿をつけていない人も、面倒臭がらずに確認してみよう。

②固定費を見直して、節約できるものを洗い出す

固定費の多くを占めるのは家賃。でも、お金がない中で今すぐ引っ越しするのは難しい。

そこで最初に見直したいのが、水道・ガス・電気代などの光熱費だ。特に、電力自由化が始まった2016年以降に電気の契約を変更していない場合は、今よりも電気代が安くなるプランを提供している会社がある可能性が高い。

高山さん

一人暮らしの場合、電気・ガス代の毎月の支払いはそこまで大きく下がりませんが、年間で見ると大きな節約になります。

また、携帯料金にも意外な落とし穴がある。大手キャリアで契約している場合は、格安SIMに切り替えることで、毎月5000円程度の節約になることも(MMD研究所が2019年に行った調査によると、平均月額料金は大手キャリアが「8023円」、格安SIMが「2889円」だったので、格安SIMの方が5000円以上も安い)。

在宅の時間が増えている今が切り替えのチャンス。ほとんどのサービスがネット申し込み可能なので、節約できそうなものがないかチェックしてみよう。

③自治体の貸付・給付制度を確認・あてはまるものがあれば申請する

「貯金がなく、来月の家賃が払えそうにない」、そんなときに活用したいのが、「住居確保給付金」制度。家賃の一部を国が補助してくれる制度だ。「給付」なので、もちろん返済の必要はない。

厚生労働省
厚生労働省が「住居確保給付金のご案内」の中で示した「主な給付要件チェックリスト
高山さん

この、住居確保給付金制度は、もともとは廃業や離職で職を失った人のみが対象でしたが、令和2年4月20日より失業していない人にも対象が拡大されています。

支給額や支給要件は自治体によって異なるので、住んでいる市町村の自立相談支援機関に問い合わせてみてください。同じ窓口から申し込みもできます。

また、もしも休業や失業となり、収入が減少した場合には、「緊急小口資金」という貸付ができる。貸付額は、学校の休業や個人事業主等の特例の場合20万円以内、その他の場合は10万円以内。無利子・保証不要で1年間の据え置き期間があり、2年以内に返済することになっている。

緊急小口資金では足りないという場合には、「総合支援資金」という貸付制度も利用できる。生活を立て直すための費用として、単身であれば月15万円以内を原則3カ月、無利子で借りられる。10年以内に返済すれば良く、焦る必要はない。

厚生労働省
新型コロナウイルス感染症の影響による休業や失業で、生活資金でお悩みの皆さまへ

「総合支援資金」の申し込みは、住んでいる市町村の市区町村社会福祉協議会から可能だ。

高山さん

申請の際には給与明細や預金通帳など、収入が減少していることを証明できる資料を準備して持っていきましょう。

今後も、こうした制度は新たに設置されたり、変更になったりする可能性がある。普段は自治体のホームページを見ない人も、いまは緊急時と心得て小まめにチェックを。SNSだけに頼らず一次情報をチェックし、正しい情報を得るように心掛けたい。

④公共料金、スマホ代、保険料などの「支払猶予申請」をする

電気・ガスなどの公共料金やスマホ代、生命保険料などは、すでに支払い猶予申請の受け付けが始まっている。

https://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/documents/20200430_kuni_korona.pdf
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、電気・ガス料金の支払いが困難な皆様へ

「猶予」なのでいつかは支払わないといけないが、お金がない“今”を切り抜けるために、支払い猶予が認められるものは申し込みを。

高山さん

新型コロナ対策で独自に支払い猶予申請を受け付けているサービスが増えています。毎月一定額が引き落とされるサービスを契約している場合は、各事業者のHPを漏れなくチェックしてみましょう。

当たり前だが、支払い猶予申請には手続きが必要だ。ただ料金支払いが遅れるとサービスが受けられなくなるので要注意。必要とされる証明書類を準備して申請しよう。

⑤会社員なら経理担当に各種手当の確認を

会社が従業員に休業を要請した場合、会社は従業員に休業手当を支払うことが労働基準法で定められている。基本的に平均賃金の6割以上が休業手当として支給される。

ところが、社員数が少ない会社などでは会社側が制度を十分に理解しておらず、休業手当の支払いが漏れてしまうケースなども稀にあるという。もしも休業手当が振り込まれていないことが判明したら、すぐ経理担当に確認しよう。

高山さん

もしもそこで『うちにはそういう手当はない』と言われてしまったり、きちんとした回答が得られなくても、諦めてはダメです。制度に詳しい人が社内にいないなら、自分で調べて伝えるくらいの粘り強さが必要だと思います。

会社をすぐ辞めるのはNG! 転職活動は焦らず冷静に

コロナ金欠

いまの勤め先の経営が芳しくなくて金欠状態に陥ったら、多くの人が転職を検討するだろう。実際、高山さんのもとにマネー相談に来る人の中には、職場への不満を口にする人や転職したい旨を語る人も少なくないという。

しかし、「感情的になって会社を辞めるのはNG」だと高山さんは警鐘を鳴らす。

高山さん

焦って転職するのはおすすめできません。お金がないときに転職すると、目先の給料ばかりに目がいってしまい、ブラック企業に入ってしまうケースも多いのです。不景気のときには、そうした相談者の方をたくさん見てきました。

また会社を辞めるにしても、会社都合と自己都合とでは、その後にもらえる「失業給付金」の給付開始時期にも大きな差が出る。

高山さん

会社都合の失業の場合は待機7日間でもらえますが、自己都合の場合はさらに3カ月待つ必要があります。この状況でそんなに先まで待てるかなんて、分かりませんよね?自分が冷静な状態で物事を判断できるときまで、転職活動は待つべきかもしれません。

転職活動の鉄則は、会社を辞めずに行うこと。緊急時の今だからこそ、会社員の立場を確保しながら転職のチャンスを伺うのが得策だろう。

コロナショックを機に、見直したいお金の基本

コロナ金欠

コロナ金欠になってしまった人でも、今回紹介した5つの対策でしばらくはしのげる人も多いのではないだろうか。ただ、こうした緊急時はいつまた訪れるか誰にも分からない。そこで大事なのが、「普段から」お金の管理ができていたかどうか。

高山さん

今回のことをきっかけに、「お金の基本」を改めて見直してみるといいと思います。私たちが安心して生活していくためには、生活費の半年〜1年分くらいは常に貯金しておくこと。貯金さえあれば、急に収入が途絶えても次のアクションがとりやすくなるはずです

貯蓄下手な人には、家計の把握ができていない人が多いと高山さんは話す。いつも「貯金がない」と言っている人の中には、自分が何にいくらくらい使っているのか、知らない人が少なくないのだそう。

高山さん

自分の“リビングコスト”を把握し、毎月の予算管理を習慣づけることが大切です。今のうちにお金を管理する習慣を身につけて、いざという時に備えましょう。

最近は、オンラインで勉強できる機会も増えている。お金のことを勉強したいと思ったら、在宅の時間が増えた今こそチャンス。二度とキツイ思いをしなくて済むように、知識と習慣を身に付けておこう。

取材・文/一本麻衣 編集/栗原千明(編集部)

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