秋ファッション先取り! ちょっと古風な50年代スカート・ワンピの淑女スタイル
ファッションは自分流に楽しみたいから、目先の流行に振り回されたくない。でも、新トレンドのエッセンスは押さえておきたい。そう思っている働く女子は多いハズ。そんな気持ちに応えて、ファッションジャーナリスト・宮田理江が「これだけは見逃せない」という旬のおしゃれトレンドを解説し、明日からの着こなしを引き立てるお役立ちテクニックを提案します。オフィスやプライベートでのスタイリングに生かせる知恵とスキルをあなたにレコメンドします。
映画『タイピスト!』流の50年代ファッションに注目
働く女性にとって映画は身近な存在。仕事が終わってまったりDVDを見たり、週末には映画館に行ったり。実は、映画には使える着こなしや旬のファッションがいっぱい。映画を満喫するのと同時に、オフィスやプライベートで取り入れられるおしゃれのコツを学んでみませんか?
窮屈なコルセットから解放され、身体にフィットした動きやすい服へとおしゃれの常識が様変わりしたのが大戦後の1950年代。女性の社会進出が勢いづいたのに伴い、それまでよりも格段に機能的でモダンな装いが広まっていきました。
映画『タイピスト!』はその50年代を舞台に、タイプライター入力の腕前だけを武器に秘書就職を目指す天然系田舎娘がタイピング早打ち世界一に挑む奮闘を描きます。キュートで頑張り屋の主人公ローズ(デボラ・フランソワ)をはじめ、当時の秘書たちのお仕事ファッションが見どころの1つ。ポップな50年代カルチャーを感じさせる着こなしは、今の目で見ると、かえって小粋に感じられます。
それまでの名残りを引きずった、トップスはコンパクトにまとめ、スカート裾に向かってボリュームたっぷりという「フィット&フレア」のシルエットはレディのたたずまい。「永遠の妖精」オードリー・ヘプバーンの髪型をそのまま使ったというポニーテールも清楚で可憐。仕事を得るのに一生懸命という主人公の心境も象徴しています。
パンツルックの女性がほとんど登場しないのは、当時のルールを物語るかのよう。その代わり、ちょっと古風なスカートコーディネートが参考になります。
首の詰まったワンピースは胸元のリボン結びがコケットなムード。上半身をコンパクトにまとめつつ、腰から下にプリーツやドレープをあしらう演出は現代でも真似してみたくなる着こなしです。ボリュームや質感を生かしたおしゃれが楽しめる秋は、淑女スタイルを取り入れて、チャーミングな現代オードリーを気取ってみては。
クラシカルレディ気分で秋ファッション先取り
2色使い(バイカラー)のワンピースはアームホールのカッティングがノスタルジックな表情。ボディラインをシャープに見せてくれる切り替えも施されています。
ハードな印象のフェイクレザーと懐かしいムードのチェック柄がドッキングしたワンピースは、1枚で異素材ミックスを取り入れた今年らしい着姿に仕上げてくれます。
肩周りにドレープをたっぷり施したデザインのブラウスは気品を感じさせるだけでなく、二の腕カバーにも効果を発揮。きちんと感の出る白襟が、古風な節度ルックを印象づけるポイントです。
ウエストにゴムとギャザーが入ったペプラムのようなデザインのブルゾンジャケットは、ノーブルな表情を醸し出してくれます。
ティアードスカートは正面に大きめのラッフルを垂らすと、優雅な動きが生まれます。ボリュームが出る分、上半身はコンパクトにまとめるのが正解。
見慣れた花柄スカートも、フィフティーズ感を漂わせる色と柄を選んで、レトロモダンな雰囲気を招き入れて。
夏のリラックスな装いから一転し、フェミニンと品格を際立たせてくれる50年代ルックはこの秋に見逃せないスタイルとなりそうです。懐古的な装いとして、そのまま取り入れるのではなく、別テイストのアイテムとミックスすると今年らしさが出ます。例えば、足元だけスニーカーにするといった、少しカジュアルやスポーティなエッセンスを取り入れて、ネオ50’sにアレンジすれば、今までとは違う、新鮮なスタイルに仕上がります。
『トレンドキーワード』の過去記事一覧はこちら
>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/trend/trend-trend/をクリック