今秋はニットが豊作! ゆるニットを着崩さないバランスコーディネート
ファッションは自分流に楽しみたいから、目先の流行に振り回されたくない。でも、新トレンドのエッセンスは押さえておきたい。そう思っている働く女子は多いハズ。そんな気持ちに応えて、ファッションジャーナリスト・宮田理江が「これだけは見逃せない」という旬のおしゃれトレンドを解説し、明日からの着こなしを引き立てるお役立ちテクニックを提案します。オフィスやプライベートでのスタイリングに生かせる知恵とスキルをあなたにレコメンドします。
映画『ダイアナ』に見習う、着崩さないプライベート着こなし
働く女性にとって映画は身近な存在。仕事が終わってまったりDVDを見たり、週末には映画館に行ったり。実は、映画には使える着こなしや旬のファッションがいっぱい。映画を満喫するのと同時に、オフィスやプライベートで取り入れられるおしゃれのコツを学んでみませんか?
ロイヤルベビー誕生の余韻が残る英国王室にはこのところおめでたい話題が続いています。近年は英国調のファッションが世界的なブームになり、キャサリン妃の着こなしにも注目が集まりました。
ウィリアム王子の母、ダイアナ元英皇太子妃は伝統的な様式美を尊重しつつ、彼女流のアレンジも加え、見惚れるような着姿に整えていたことでも有名です。そんな彼女の評伝映画『ダイアナ』にはブリティッシュルックのお手本がいっぱい。主演した女優ナオミ・ワッツの熱演も見どころです。
『ダイアナ』が主に描くのは、ダイアナさんが王室を離れ、悲劇的な事故死に至るまでの最晩年期。別の男性との恋に手を伸ばしながらも、相手側の事情で再婚の夢がかなわなかったという悲恋を軸に、1人の女性「ダイアナ」の私生活をつづっていきます。プライベートライフが物語の柱だけに、彼女の普段着姿がたくさん登場します。王室時代のセレモニー的な装いとは違って、もっとフレンドリーな、気取らない雰囲気でありながら、元妃の品位を損なわない絶妙の落とし所に着地させているところに注目です。
様々な装いが披露される中、とりわけお手本にしたいのは、ニットの操り方。肌当たりがソフトなニットは、包み込まれるような安心感をくれるハートウォーミング素材。着ているだけで自然と気持ちが穏やかになる上、見た目もリラクシングに映るから、上手に手なずけたいもの。
劇中のダイアナさんはニットを愛用しつつ、手抜きに見えないスタイリングを披露しています。私的なお出掛けや、息子たちとのふれあいの際に好んで着ていて、ニットの助けを借りて、本来の自分に戻ろうとしているかのようです。この秋のエフォートレスなニットスタイリングを映画を通して取り入れてみてはいかが。
ゆるフォルムでもだらしなく見えない知恵ありニット
この秋は色や柄、編み方、ディテールまでニットが豊作。ケーブル編みのざっくりニットはコーディネートにナチュラルな風情を添えてくれます。ゆるやかな裾広なので、こなれた着姿に整えやすく、くつろいだニュアンスを出せるから、オフの日にピッタリ。
定番的なボーダー柄の人気も続きますが、見慣れているだけに一工夫が肝心。横広の襟ぐりがのどかな雰囲気のニットは、肩にあしらったゴールドボタンがさりげないアクセントに。ビジュー付きのニットは、リラックス感ある表情に、華やかさをプラスしてくれます。
シンプルな形のニットは、生地の風合いが肝心。見るからにぬくもりを感じさせるほっこりしたニットは、丁寧な編み込みが落ち着いたたたずまいを生んでいます。ゆるやかなシルエットは程よく力の抜けた雰囲気を醸し出してくれます。
前後を異素材で切り替えた愛らしいバックリボン付きのカーディガンはこれ1枚でトレンドの異素材ミックスに。フロントとバックスタイルの異なるサプライズで着こなしも倍楽しめます。後ろ丈が少し長めなので、腰からヒップのラインを頼もしくカバーしてくれるのもうれしい。
襟や袖を色で分けるカラーブロックはニットでいきるデザイン。ポケットの形も際立って、ユーモラスなムード。ロング丈シルエットはシャープなボトムスとも好相性を発揮してくれます。
ニットはオンとオフをまたぐ着回しにも向くので、印象を変えるコーデ技の引き出しを増やしたいもの。力まないおしゃれに人気が高まりつつあるだけに、秋からの着こなしのキーアイテムになってくれるはずです。
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