初夏のレディライクな装いに!ネックゾーンの演出を楽しもう
ファッションは自分流に楽しみたいから、目先の流行に振り回されたくない。でも、新トレンドのエッセンスは押さえておきたい。そう思っている働く女子は多いハズ。そんな気持ちに応えて、ファッションジャーナリスト・宮田理江が「これだけは見逃せない」という旬のおしゃれトレンドを解説し、明日からの着こなしを引き立てるお役立ちテクニックを提案します。オフィスやプライベートでのスタイリングに生かせる知恵とスキルをあなたにレコメンドします。
映画『ブルージャスミン』の品格淑女スタイル
働く女性にとって映画は身近な存在。仕事が終わってまったりDVDを見たり、週末には映画館に行ったり。実は、映画には使える着こなしや旬のファッションがいっぱい。映画を満喫するのと同時に、オフィスやプライベートで取り入れられるおしゃれのコツを学んでみませんか?
2014年の米アカデミー賞で主演女優賞をケイト・ブランシェットにもたらした『ブルージャスミン』は、『アニー・ホール』や『ハンナとその姉妹』などで知られる名匠ウディ・アレン監督の作品です。これまでシニカルなコメディーが多かったアレン監督ですが、今回は一転。大人の女性を主人公にしたシリアス路線に向かいました。華やかな暮らしに慣れきったニューヨークの元セレブリティー女性が、落ちぶれた新生活に戸惑い、精神的にも追い詰められていくブルー(憂鬱)な姿を描いています。
富裕な夫がいたころの主人公ジャスミン(ブランシェット)は、レディーライクな装いのお手本にぴったり。NYリッチらしくハイエンドなブランド物をさりげなく取り入れ、余裕を感じさせる着こなしを見せていました。そして、孤独になってからも、かつて高級ブランドに囲まれていた頃に培ったファッションセンスを生かし、手持ちのブランド品をうまくやりくりしてコーディネートを組み立て、どうにかしのいでいます。しかし、次第にブランド品を強調する、ブランド頼りの着こなしに。着たきり雀状態の一張羅はへたっていき、見るからにすさんだ着姿に変貌。主人公の人生が切なく変化していく様子を、服が残酷に物語っていきます。
お金に不自由しなかったころが忘れられないジャスミンは、今の自分を素直に受け入れることができません。でも、マダム生活に浸る専業主婦だった彼女は自分で稼ぐこともできず、生活は困窮していく一方。自分が働き手として何もできないことに初めて気が付きます。ですが、時すでに遅く、「こんなはずじゃなかった」生活は彼女の精神をも痛めつけます。胸が締め付けられるような主人公の辿る人生は、仕事能力やキャリアが女性にとってもいかに大事か、ということを改めて教えてくれます。
首元が決め手!レディーライクファッション
レディー感を引き立てる装いの勝負スポットは、首から胸。襟に始まってデコルテ、胸元に至るネックゾーンを、どう演出するか次第で、気品や落ち着きに差が出ます。顔に最も近く、会った瞬間、目に飛び込んで来るエリアですから、第一印象を大きく左右します。ノーブルな風情のノーカラー(襟なし)は気張りすぎない伸びやかな雰囲気を醸し出してくれそう。襟付きのブラウスも、主張のある色違い襟ややさしいムードを引き出すラウンドカラーを選べば、ネックゾーンに動きが出て、おしゃれ感が強まります。
ノーカラーを選べば、穏やかでのどかな佇まいを演出できます。その分、色や柄など強めのトーンを合わせて楽しみましょう。この春夏は、大きめのモチーフがブームになっているので、「柄で遊ぶ」という感覚でプレイフルな装いを試すのもよさそうです。ツイードのような上質素材で風合いに上質感を語らせるチョイスもレディーライクなムードを濃くします。見慣れたカーディガンも手編みやパッチワークで別の表情を持たせれば、ゆるんだカジュアルに見えにくくなります。
薄着になっていく春夏のネック周りではアクセサリーも重要なプレーヤー。深いVゾーン見せのトレンドに乗って、ボリューミーなネックレスで飾ると、小顔効果のおまけが付いてきます。逆に、あえてノーアクセで素肌の透明感を押し出す手もアリ。めざすレディー像に合わせて、首からデコルテにかけてのアクセ演出をアレンジすれば、春夏らしいイメージを印象づけやすくなるはずです。
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