03 JUN/2014

夏のおしゃれ気分を盛り上げる!モードなピンク服を操るコツ

宮田理江が働く女子に“旬”のファッションを解説
今知りたい!トレンド・キーワード

ファッションは自分流に楽しみたいから、目先の流行に振り回されたくない。でも、新トレンドのエッセンスは押さえておきたい。そう思っている働く女子は多いハズ。そんな気持ちに応えて、ファッションジャーナリスト・宮田理江が「これだけは見逃せない」という旬のおしゃれトレンドを解説し、明日からの着こなしを引き立てるお役立ちテクニックを提案します。オフィスやプライベートでのスタイリングに生かせる知恵とスキルをあなたにレコメンドします。

ファッションジャーナリスト 宮田理江(みやたりえ)
ファッションブランドの販売員やバイヤー、プレスを経験して、ファッションジャーナリストへ。現場経験を生かしたファッショントレンド分析・解説、スタイリング提案までマルチにこなす。自分らしい着こなしを見つけるための手ほどきを集めた著書『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(共に学研)が発売中http://riemiyata.com/

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』のときめき色ワールドへ

働く女性にとって映画は身近な存在。仕事が終わってまったりDVDを見たり、週末には映画館に行ったり。実は、映画には使える着こなしや旬のファッションがいっぱい。映画を満喫するのと同時に、オフィスやプライベートで取り入れられるおしゃれのコツを学んでみませんか?

夏のおしゃれ気分を盛り上げる!モードなピンク服を操るコツ

©2013 Twentieth Century Fox

夏のおしゃれ気分を盛り上げる!モードなピンク服を操るコツ

ホテルを舞台にした映画はいくつもありますが、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の主人公は伝説のコンシェルジュ。泊まり客のどんな要望も満足させる凄腕ホテルマンです。欧州の架空の国にあったという設定の格式高いホテルを仕切るコンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、上顧客のマダムが遺言で名画を彼に託したことから、遺産をめぐるトラブルに巻き込まれます。「マダムを殺した」というあらぬ疑いをかけられたグスタヴは、信頼を寄せるベルボーイと一緒に逃亡を続けながら、ミステリーの核心に迫っていきます。

ミステリアスで小粋な作品を得意とするウェス・アンダーソン監督ならではのユーモアとファンタジー感に彩られた物語は小気味よいテンポで進み、あっという間にクライマックスまで連れていかれます。エドワード・ノートンやビル・マーレイといった豪華キャストが脇を固め、ストーリーに深みを与えています。

アンダーソン監督お得意の、凝りに凝ったデザインも見どころ。たとえば、ホテルの外壁にはピンクが使われ、お菓子の城のようなメルヘン感が漂います。ホテル内のインテリアにも独創的な色使いが取り入れられていて、エレベーターの内側は真っ赤。ホテルマンの制服はパープル。ベルボーイの恋人が働くケーキ店のシーンでは、おとぎの国のティーパーティーに並びそうなパステルカラーのスイーツがいくつも登場。あまりの愛くるしい見栄えゆえに、検閲官がケーキにナイフを入れるのをためらうシーンも納得です。映画のカラーワールドを堪能して、おしゃれ心もときめかせましょう。

モードでおしゃれなピンク服で、気分も上々!

夏のおしゃれ気分を盛り上げる!モードなピンク服を操るコツ

VICTORIA, VICTORIA BECKHAMSONIA RYKIELOLYMPIA LE TANCARVEN/MSGMBURBERRY PRORSUM(画像協力 thecorner.com

ホテルの外壁やケーキに用いられ、映画のキーカラーとなっていたのが、夢見心地に誘うようなピンク。2014年はピンクがトレンドカラーになっているから、普段は敬遠しがちな人も流行を口実に試しやすいはず。強烈なショッキングピンクはシーンを選んでしまいますが、スモーキーなピンクならレトロな風情があり、大人っぽくまといやすくなります。ワンピースはピンク一色に染め上げずに好対照な黒を縁取りや柄で配すと、甘くなりすぎません。甘い印象が強くなるピンクですが、アート風モチーフを乗せれば、モダンな雰囲気に変わります。近頃はアートをまとうトレンドが活気づいているので、ありきたりではない大胆な柄を選ぶ楽しみが広がっています。

ピンクをシックに落ち着かせたいなら、色のトーンを落としつつ、素材感で別ムードを添えるのが賢い手です。流行のシャイニーな生地や、透けるレース仕立てなどを組み合わせることによって、ピンクの主張を抑え込みやすくなります。フラワーモチーフのピンクのブラウスに光沢を取り入れれば艶やかな見栄えに。淡いピンクは気品も寄り添わせるので、上手に操りたい色です。素肌をのぞかせるカットワークやレースのブラウスは、透明感がピンクの甘みをやわらげてくれます。若々しさとフェミニンを薫らせるピンクを味方につければ、着こなしの幅がぐっと広がり、おしゃれ気分も高めてくれるでしょう。