ロイヤルファッションがお手本! 秋冬のトレンド「きれい色アウター」の着こなし術
ファッションは自分流に楽しみたいから、目先の流行に振り回されたくない。でも、新トレンドのエッセンスは押さえておきたい。そう思っている働く女子は多いハズ。そんな気持ちに応えて、ファッションジャーナリスト・宮田理江が「これだけは見逃せない」という旬のおしゃれトレンドを解説し、明日からの着こなしを引き立てるお役立ちテクニックを提案します。オフィスやプライベートでのスタイリングに生かせる知恵とスキルをあなたにレコメンドします。
映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』で出会った60年代スタイル
働く女性にとって映画は身近な存在。仕事が終わってまったりDVDを見たり、週末には映画館に行ったり。実は、映画には使える着こなしや旬のファッションがいっぱい。映画を満喫するのと同時に、オフィスやプライベートで取り入れられるおしゃれのコツを学んでみませんか?
『エルメス』の名品『ケリー・バッグ』に名を残す、往年のハリウッド女優グレース・ケリー。人気絶頂のまま銀幕を去り、ヨーロッパの小国、モナコの公妃に迎えられたエピソードでも有名です。そのグレース妃の評伝映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』では女優ニコール・キッドマンがグレース妃役を演じています。ロイヤルウェディングから6年目となった1962年が時代背景となっているだけに、当時の60年代ファッションが随所に登場し、気品を漂わせる装いのお手本になってくれます。
公妃になったものの、しきたりや立場になじめず、ハリウッド復帰説もささやかれていたグレース妃。しかし、その頃、モナコに国の存立を揺さぶるような外圧が隣国フランスから降りかかってきます。大国が押しつけた無理難題に、国家元首として悩む夫を見て、それまで政治とはほとんど無縁だったグレース妃が立ち上がります。秘策を胸に開いた大パーティーで各国のリーダー達を集めたグレース妃は、一世一代のスピーチに臨みます。
『エルメス』はもちろん、『カルティエ』や『クリスチャン・ディオール』『サルヴァトーレ・フェラガモ』などの有力ブランドが衣装や靴、アクセサリーなどを提供しているので、気品のあるクラシカルなおしゃれが目を楽しませます。ニコールの熱演が生んだ、グレース妃の凛とした所作やクールビューティーな表情も見逃せません。本物のレディーには、単に豪華なうわべだけではなく、芯の強さや品格の備わった物腰なども重要なのだということを、改めて気付かせてくれます。鮮やかな色や抑えめトーンのニュアンスカラーを上手に操っているのも、グレース妃の別格ファッショニスタぶりを印象づけています。
「ヴィヴィッドカラーvsスモーキーパステル」きれい色アウターに挑戦!
沈んだ色合いが多くなりがちな秋冬だからこそ、利かせ色をうまく織り交ぜて、退屈に見せない工夫をしたいもの。この秋冬は鮮やかなヴィヴィッドカラーとちょっとくすんだスモーキーパステルの両方が支持を集めそうな気配。どちらも程よく主張してくれる大人っぽい色だから、この流れに乗ってキレイ色のアウターに挑戦してみたくなります。
ネオンカラーのようなショッキングピンクはインパクトが強すぎて苦手という人も、艶やかなフューシャ系のピンクなら、アウターでもまといやすいはず。ほっこりしたシルエットも、愛嬌たっぷりです。主張カラーの代表格と言えるレッドも上質な素材のアウターならば、格段にクラス感がアップ。ワインに寄せた深みのある赤を選べば落ち着いた印象を与えられます。ゆったり羽織るローブ風のアウターは、着姿に落ち着きをもたらすでしょう。
ロイヤルブルーの人気が飛び火して、青系カラーは注目の色に。ターコイズブルーはシャイニーな生地との相性に優れるので、秋冬の貴重な艶めきカラーに迎えて損なし。面積の広いコートは無難な渋い色を選びがちですが、ライトピンクのような淡い色を選べば大人のかわいらしさを演出できます。少しくすんだ色をアレンジとして加えると、自然体の装いにまとめやすくなります。
エレガントなコートルックに仕上げたければ、浅い色目のミックスカラーが賢い選択肢に。ローズピンクのノーカラーコートは、二の腕までつながった裁ち出しのなだらかなラウンドショルダー。女性ならではのやさしい曲線を描き出しています。さわやかなスカイブルーも彩度を下げた水色ライクなトーンだと、コーデの幅も広がりそう。表面に張り感を出すネオプレン素材だから、若々しいムードを呼び込めます。
アウターのカラーや素材の持ち味を生かせれば、秋冬のスタイルにもリズム感がプラスされるでしょう。春まで着続けやすい“きれい色”とのお付き合いを、この秋から始めてみませんか?
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