14 JUN/2022

【医師監修】夏は冬よりむくみやすい? パンパンの顔・脚をすっきりさせるむくみ解消法

出社前に鏡を見たらなんだか顔がパンパン……。午後になると、なんだか脚が重くなり、少し太くなっているような……? 夏が近づくにつれて、顔や脚のむくみが気になるようになったという働く女性も多いかもしれない。

イメージ

イシハラクリニック副院長の石原新菜先生は、「夏は1年の中でも特にむくみがひどくなりやすい時期。むくみ改善のために、来院する患者さんも増えます」と話す。

夏のむくみの原因とは? どうすればこのむくみを予防&解消することができるのだろうか。石原先生に話を聞いた。

石原新菜先生

【お話を聞いた人】
イシハラクリニック副院長
石原新菜先生

ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。健康ソムリエ理事、ロングライフラボ理事。2006年帝京大学医学部卒業。現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員

夏に顔・体がむくみやすい原因

●冷房で体が冷えて、血・リンパのめぐりが悪くなる

「むくみは体内の血液やリンパがうまく巡らないときに起こります。

動脈から流れてきた血液の水分は細胞間質にしみ出して、細胞へ栄養を行き渡らせる。その後、静脈やリンパ管に水分が吸収され戻っていくが、静脈やリンパ管の流れが悪いと細胞間質に水分が溜まってしまう。

これが、顔や体がむくむメカニズムです」(石原先生)

また、夏の次期は冷房で体が冷えるため、血やリンパのめぐりが悪くなりやすいのだという。

●涼しい部屋にいるのに、水分をとり過ぎてしまう

さらに、夏は熱中症対策などで1日のうちに補給する水分量も増える。夏の時期の水分補給は言うまでもなく大事だが、冷房の効きすぎる寒い部屋で冷たい水などをとり過ぎてしまうと、むくみの悪化につながりやすいと石原先生は言う。

イメージ

「ずっと冷房のきいたオフィスにいて汗をかいていない場合、無理にたくさんの水分をとる必要はありません。体が必要とするだけの水を飲むくらいで十分です」(石原先生)

●涼しい部屋で座りっぱなし

さらに、冷房のよくきいたオフィスで、1日中デスクワークをしていると、脚がむくみやすくなる。体を動かさずにいると、体全体に血液やリンパがめぐりにくくなるからだ。

「オフィスで座りっぱなしの女性は、脚がむくみやすい傾向があります。

筋肉はリンパや毛細血管のポンプの役割を果たしていますから、筋力を動かさないとポンプの役割が弱くなり、毛細血管まで血液が行き渡らなくなって体液循環の働きが低下してしまうのです」(石原先生)

イメージ

また、女性がむくみやすいのは、男性に比べて筋力が弱いからだとされている。心臓から遠いところほど、冷えやすくむくみやすくなっているため、脚がむくみがちというわけだ。

「時々、自分が太っただけなのか、むくんでいるのか、その違いが分からないと仰る患者さんもいらっしゃいます。そういうときに参考にしてほしいのは、サンダルや靴下を脱いだときの自分の脚。

もしも、ストラップの跡や、靴下の跡がくっきり残っていたらそれはむくみ脚である可能性が高いです。また、脚のすねの部分を指でぎゅっと押してみて、指の跡がしばらく残っていたら、それもむくんでいる証拠ですね」(石原先生)

運動・足湯・食事でむくみを予防&解消

むくみの予防、解消を目指すためには、体内の血液、リンパのめぐりを良くすることが何より重要。働く女性が簡単に取り入れられる方法として、石原先生は「軽い運動や、足湯などを生活の中に取り入れて」と呼び掛ける。

「軽い運動は、オフィスや自宅、両方で取り入れられるといいですね。例えば、気づいたタイミングでスクワットを30回くらいしてみるのもいいし、できるだけ階段を上り下りするなどもいい。足湯は自宅でリラックスしたいときに、オススメ。足先を温めると、体全体がポカポカして血のめぐりがよくなります」(石原先生)

イメージ

さらに、食生活の中にはレモンやショウガ、タマネギなどを取り入れるとむくみ解消に効果的だという。

「レモンは、むくみを改善する働きがあるへスペリジンという栄養素を含んでいます。この栄養素はレモンの皮に多く含まれているので、皮ごと料理や飲み物に使うのがおすすめ。魚のマリネやサラダに皮ごとスライスしたレモンを入れるといいですね。

また、漢方医学的にはショウガやタマネギも体を温める食材だとされています。顔のむくみが気になる人は夜寝る前に、脚のむくみが気になる人は朝~お昼頃にこうした食材を食事に取り入れると良いですよ」(石原先生)

また、夏にすっきりと飲めるレモン入りの炭酸水は、「炭酸水は血管を拡張する効果があるので、血行促進に効果的です」と石原先生は言う。

「水分をとるとき、むくみ改善には炭酸水がオススメです。炭酸は血管を拡張し血行促進に働き、体のめぐりをよくしてくれます。更に、レモンの皮のすりおろしや丸ごと冷凍したレモンのすりおろしを入れると効果がさらに高まります」(石原先生)

夏におすすめ! むくみ解消に効くさっぱりレモンレシピ

●はちみつレモン&はちみつレモントースト

はちみつレモン漬け

はちみつレモン
<材料>
レモン(国産) 2個
はちみつ 300g

 

はちみつレモントースト

はちみつレモントースト
<材料>2人分
食パン(6枚切り) 2枚
はちみつレモン漬け 6枚
A)はちみつレモン漬け汁 大さじ1
A)クリームチーズ 60g
シナモンパウダー 適量
<作り方>
1.はちみつレモンを作る。レモンは皮をよく洗い水気を拭き、5ミリ幅位にスライスする
2.衛生的な保存容器に1のレモンを半分入れ、はちみつを半分入れる。残りのレモンとはちみつも加えて蓋をし、冷蔵庫で1晩置く
3.はちみつレモントーストを作る。Aはなめらかになるまで混ぜ合わせる
4.3を食パン全体に塗り、はちみつレモン漬けをのせ、トースター1200wで5分程焼きシナモンを振る

 

 

●レモンカレー

レモンカレー
<材料>
鶏もも肉(唐揚げ用) 250g
A)すりおろしにんにく 小さじ1
A)すりおろし生姜 小さじ1
A)プレーンヨーグルト 150g
A)カレー粉 大さじ1/2 サラダ油 大さじ1
玉ねぎ 1個
B)コンソメ顆粒 小さじ1
B)生クリーム 50ml
輪切りレモン 4枚
塩、こしょう 少々
ごはん 茶碗2杯分
レモン輪切りを刻んだもの 1枚分
<作り方>
1.鶏もも肉とAを保存袋に入れてよくもみこみ、30分程漬けこむ
2.玉ねぎはみじん切りにする
3.鍋にサラダ油を熱し玉ねぎを弱火でじっくり炒め、玉ねぎがきつね色になったら1を加え、肉を表裏焼く
4.3にBを加え弱火で5分程煮込み、レモンを加えひと煮立ちさせ塩、こしょうで味を整える
5.ごはんに刻んだレモンを混ぜて、器に盛り付け4をかける

 

 

●レモンのサワードリンク

レモンサワー
<材料>
ポッカレモン100 120ml
レモン(国産) 120g(1個)
しょうが 20g
グラニュー糖(または砂糖) 120g
<作り方>
1.レモンは薄切りにして種を取り、しょうがは皮をむいて薄切りにする。すべてを耐熱ボウルに入れる。グラニュー糖(または砂糖)、「ポッカレモン100」を加える
2. ふんわりとラップを掛け、電子レンジで3分加熱して混ぜる。再びラップを掛けて2分加熱し、アクを取って冷ます。清潔な保存容器に入れて冷蔵室へ 保存の目安は2週間。飲むときは、炭酸水(分量外)などで4倍に希釈する

 

むくみをもたらす以外にも、体の冷えはだるさや疲れなどさまざまな体の不調を招く要因に。冷えない、むくまない体づくりで、この夏を健康に乗り切ろう。

構成/Woman type編集部