仕事中の眠気を撃退! 管理栄養士が教える集中力アップに効く食事のコツ【管理栄養士監修】
この春から新しい職場で仕事をスタートした方も多いのではないでしょうか。慣れない環境での仕事は、何かと気が散ってしまったり、ストレスを感じることが多かったり、仕事が思うようにはかどらなくなってしまうことがありますよね。
そんなとき、ぜひ注意してほしいのが食事。意外に思われる方も多いかもしれませんが、食事も仕事のパフォーマンスに大きく影響するのです。
そこで今回は、効率的に仕事をするために欠かせない「集中力アップ」、「記憶力アップ」、「ストレス耐性アップ」に役立つ食事のコツについてご紹介します。
集中力が続かないなら……
→野菜から食べ始めよう&低GI食品を選ぼう
仕事中に眠くならずに集中力を保ちたいなら、“食べる順番”を意識してみましょう。食事をすると血糖値が上昇しますが、その上昇角度が急だと血糖値が上がり切った後、急激に下がるため、眠くなったり集中力が下がったりする現象が起きると考えられています。このことから、食後の血糖値を緩やかに下げるような食べ方をすることが眠気対策や集中力維持につながると言えるのです。
【方法1】野菜から食べ始めるようにする
野菜や海藻に含まれる食物繊維は、糖の消化吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑えてくれます。食事をする時は、野菜から食べる“ベジファースト”を心掛けて。
野菜などの副菜→肉・魚などの主菜→ご飯やパンなどの炭水化物の順番で食事を進めていきましょう。ただ、最初の野菜(副菜)は5分くらいかけてゆっくり食べないと十分な効果が得られないとされています。早食いにならないよう、よく噛んで食べるようにしてくださいね。
【方法2】GI(グリセミック・インデックス)が低い食材を選ぶ
GIは、血糖値上昇の目安になる指数です。GIが低い食品ほど、食後血糖値の上昇を低く抑えられます。一般的に炭水化物はGIが高いのですが、精製された白い穀物は未精製の茶色い穀物よりGIが高い傾向です。選ぶなら白米より玄米や雑穀ごはん、うどんよりそばを選択するのがベターです。
すぐに物忘れしてしまうなら……
→タマゴ・大豆食品・青魚を食べよう
私が運営する食事管理サービス「あすけん」に蓄積された2億食の食データを分析すると、ビジネスパーソンの主菜には肉が多く、レシチンやDHAなどの記憶力に関係する脳の働きに必要な栄養素が不足しがちです。記憶力アップをはかりたいなら、レシチンやDHAが豊富に含まれた食品を積極的に食べるようにしましょう。
【方法1】タマゴ・大豆製品を食べる
レシチンは、記憶に関係する脳の神経伝達物質「アセチルコリン」の原料で、情報の伝達に関わると言われています。タマゴ(卵黄)、大豆、大豆製品、レバー、アーモンドに多く含まれる栄養素なので、これらの食品を意識的に取るようにしましょう。
【方法2】青魚を食べる
もう一つ脳の健康に有効と言われているのがDHA(ドコサヘキサエン酸)。DHAは脳神経の発達や機能の維持に欠かせない栄養素。魚の中でも、カツオやマグロなどの青魚の脂身の部分にたくさん含まれています。
ストレスに打ち勝ちたいなら……
→豚肉、キャベツ、キウイを食べよう
仕事をしていれば多かれ少なかれストレスは抱えているものですが、通常は脳内で「抗ストレスホルモン」という物質が働き、ストレスを緩和してくれます。「抗ストレスホルモン」の原料は、たんぱく質から作られるアミノ酸。そこに、ビタミンB6・葉酸・ナイアシン・鉄・ビタミンCといったさまざまなビタミンが作用して生成されます。これらの栄養素が不足しないような食事のメニューを選んでみましょう。
【方法1】豚肉を食べる
豚肉に豊富に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」は、ストレスをやわらげてくれる「セロトニン」の原料にもなります。仕事中のランチで、豚のしょうが焼きなどのメニューをチョイスするといいですよ。
【方法2】野菜や果物を食べる
ビタミンCはたんぱく質から「トリプトファン」を生成するときに必要なビタミン。それ以外にも抗ストレスホルモンの合成に利用されるため、ストレスを感じると消耗が激しくなります。「ちょっとストレスが溜まってきたな」と感じたらキウイなどの果物でビタミンCを小まめに補いましょう。また、ビタミンCはキャベツなどの野菜にも豊富に含まれているので、食事のおかずにキャベツの千切りを加えてみるのもいいですよ。
春は「何となくやる気が出ない」という人が増える時期でもありますが、食生活を見直し、仕事のパフォーマンス向上につなげてくださいね。
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