首・肩の凝りや代謝ダウンを招く「スマホ巻き肩」が働く女性に急増中!?【医師監修】
朝夕の通勤時間や、仕事の空き時間、寝る前などにスマホを見ているという働く女性は多いのではないでしょうか。スマホを見ながらうつむいたままの姿勢で長時間を過ごしてしまい、ふと気付くと首や肩がすごく疲れていた、なんてこともよくありますよね。
ピップ株式会社の調べによれば、20代女性の75%が1日あたり1時間以上スマホを使用しているとのこと。その間はどうしても背中を丸めたうつむき姿勢が続き、“スマホ巻き肩”の状態になっている女性が増えているのだそうです。
この、“スマホ巻き肩”の状態になると、女性の体にはさまざまな悪影響が出てきます。最も多いのが、首や肩の凝り。中には、「息苦しさ」を訴える女性も。
呼吸器専門医の池袋大谷クリニック院長・大谷義夫先生は「スマホを使う時の姿勢は、肺を圧迫するので吸い込む酸素の量が減り、全身の血流が滞ることで疲労感、集中力や記憶力の低下などを招くことがある」と指摘しています。
その他、以前弊誌で掲載した管理栄養士の道江さんによれば、体内に十分な酸素が運ばれなくなると、エネルギー代謝が低下して体が冷え、痩せにくい体になってしまうとのこと。
また、「スマホを使い始めて首や肩の凝りだけでなく、息苦しさや全身の不調を感じるようであれば、スマホ巻き肩を疑った方がいいでしょう」と『肩こり研究所』所長の丸山太地先生。スマホ巻き肩のチェック方法と、対策ストレッチ法を教えてくれました。
さっそく、確認してみましょう!
思いあたる項目が多い人ほど要注意!「スマホ巻き肩」チェックシート
□体が丸まっているように感じる
□病院で異常がないと言われたのに、喉のつまり感や首の前・胸の凝りを感じる
□呼吸が浅い、または息を吸いにくいと感じる
□壁にかかと、ヒップ、後頭部をつけて立つと違和感がある
□鏡で横からの姿をみると胸よりも肩甲骨がよく見える
□首に横しわがある
□ブラジャーの肩紐の長さを最近調節した、または数年前と比べて長くした
□バストの下垂が顕著になってきた
□バンザイをして腕が耳までつかない、または非常に困難である
□リラックスして両手を下げて立つと、肘が曲がっている
以上の項目に1つでもチェックが付くようであれば、スマホ巻き肩の姿勢がクセになっている可能性があるので注意が必要です。
オフィスでもできる! 「スマホ巻き肩」解消ストレッチ法
「もし首・肩の凝りを感じたらスマホを一旦置き、姿勢を正してストレッチなどをしましょう。コリの原因でもある血流を改善するために磁気治療器などを併せて使うとより効果的です」と、丸山先生。
オフィスでもできるおすすめのストレッチ法を教えてもらいました。
【1】肩すぼめ1
両肩にぐっと力を入れて上に持ち上げ数秒静止し、一気に力を抜く。
これを3回程度繰り返す。
【2】肩すぼめ2
肩甲骨をぐっと寄せ合い数秒静止し、一気に力を抜きます。
これを、3回程度繰り返す。
【3】肩回し
肘を耳の高さまで上げること意識して、前に10回、後ろに10回肩を回します。
この時、あごを引かずに顔を上げて行うように注意。
【4】背中式呼吸法
イスに深く座り、頭の後ろに両手を置いて大きく3回深呼吸。
頭の重さを利用して大きく胸を拡げて呼吸し、体にたっぷり空気を取り入れて。
仕事もプライベートも楽しむには、健康な体が不可欠。不調を感じたときには、「たかが肩凝り」と軽く見ず、なるべく早めに改善していきたいものです。全身の不調を悪化させてしまう前に、スマホの使い方や自分の姿勢をいま一度見直してみましょう!
取材・文/栗原千明(編集部)