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APR/2015

実はあなたもプレ・ワーキングプア!? 30代になる前に見直すべき仕事とお金の「そこそこ」思想

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ワーキングプア
今やすっかり定着した感のある「ワーキングプア」という言葉。“働く貧困層”とも訳されるが、「貧困レベルにまではいってないし」と対岸の火事のようにとらえている人も多いのでは? だが、各世代の平均年収ほどは稼げない……そんな、「プレ・ワーキングプア」層が非常に多く存在していることが国の統計などから浮き彫りになってきた。

収入が少ないと、日々の生活で我慢を強いられることはもちろん、将来的に見てもさまざまなリスクや不安が考えられる。そこで、将来プレ・ワーキングプアにならないために20代のうちから身に付けておくべき仕事やお金に対する心構えを、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんと、キャリアカウンセラーの水野順子さんに伺った。

30代で年収が300万円以下なら
プレ・ワーキングプア!?

まずは女性の平均年収について改めて頭に入れておきたい。平成25年度『民間給与実態統計調査』(国税庁)によると、現代の女性の平均年収は272万円(正規・非正規雇用含む)。年齢階層別に見ても、年収ピークは35~39歳時の297万円。男性が50~54歳のピーク時に649万円に達するのと比較すると、日本の女性の年収伸び率は男性に比べて顕著に低いことが分かる。

「女性の場合は事務職など補助業務に就いている人が多いですし、管理職に就く方も少ない。なので、データで各世代の平均年収を見てみると、一定以上で給与が上がらなくなっています。国税庁が出しているデータは全国版なので、都内で働く女性たちの年収はもう少し高くなると思いますが、ピーク時の平均年収で約300万円となっています」(氏家さん)

20代のうちはそれなりに仕事をこなしていれば周囲との給与差はあまり生まれないかもしれない。しかも、フルタイムで働いていれば、自分が食べていくだけのお金は問題なく稼げるだろう。だが、30代を迎えるころには稼ぐ力のある人と乏しい人とで収入に明確な差が生まれてくるもの。ライフステージが大きく変わる年代でもあるため、30代でプレ・ワーキングプア状態では、その後の生活にも不安が出てくる。

一方、「稼ごう」という意識はあっても「現代の労働市場ではなかなか収入が伸びづらいのも事実」と水野さんは指摘する。

「最近は年功序列制度を採用している企業も少なくなっていますから、勤続年数が長いからといって給与アップにはつながりません。将来的にプレ・ワーキングプアにならないためには、日々の仕事をただこなすのではなく、意識的に成果を出し続ける必要がありますね」(水野さん)

「仕事も稼ぎもそこそこ」では、
自分の望む未来は選べない可能性大

だが、現状差し迫った問題がないと、なかなか貯蓄や収入アップについてまで深く考えられないのもまた本音。「給与はそこそこでいいから、仕事もそこそこ。プライベートを充実させたい」と考えている20代の人も多いのではないだろうか。

確かに働き方は人それぞれが選択すべきこと。だが、自分の働き方を選択する際には、さまざまなリスクも考慮した上で慎重な決断を下した方が後悔しないだろう。では、30代を迎えたときに、世の中の平均年収ほどの稼ぎがないプレ・ワーキングプア状態だったら、どんな問題に直面することになるのだろうか。

「最も困るのは、人生の選択肢が減ること。これに尽きると思いますね。収入が低くても結婚はできるし子育てもできます。けれど、子育てをしながら都心で家を持つ、子どもを全員中学校から私立に進学させるという選択は、夫の稼ぎがよっぽどよくない限り難しいかもしれません」(氏家さん)

男性の収入も伸び悩んでいる昨今。妻の稼ぎに頼らず子どもを大学まで行かせられる男性は、全体の1割程度だそう。この1割と結婚できるかどうかに賭けるのは、あまりにリスクが高い。

さらに、プレ・ワーキングプア状態では貯金する余裕のない人が多い。だが、子どもの教育資金やマイホームの購入資金、自身の老後資金といった「人生の三大資金」が持てないことは、今後の人生を危うくさせる要因にもなり得る。

「多くの人は、この人生の三大資金に備えて貯蓄をします。もしも家族形成の願望はあるのに貯金がないとなれば、結婚や住宅購入などのイベント時に金利の高いローンを組まなければいけなくなる。お金がないからと言って貯蓄を先送りすることで、逆に出費が増えて、最終的に自分の老後資金も足りなくなってしまいます」(氏家さん)

計画的なマネープランとスキルアップが
低所得時代を生きぬく強みになる

自分の望む人生を選択していきたいなら、その選択ができるだけの稼ぐ力を身に付けてプレ・ワーキングプアにならないようにすること。

「稼ぐ力を20代のうちから身に付けること。そのためにも、どんな仕事にも目的意識を持って取り組んでください。今の仕事をどうすればもっと効率化できるか、どうすればより良い効果を出せるか意識しながら働くだけで、周りの評価は変わるはず。あなたのそうした姿勢を見て信頼してくれた上司から、より良い仕事やポジションを与えてもらえることもあるでしょう。さらに、自分の好きなことだけでなく、いろんなことにアンテナを広げて、社会情勢や自社の現状・今後についてもしっかり把握しておくことが大事です。これからの時代は女性も管理職になることが求められます。責任あるポジションに就くことやパイオニアになることを恐れず、むしろ積極的に上を目指してください。それが、自立した“稼ぐ力”を持った女性になるためには不可欠だと思います」(水野さん)

そして、人生の三大資金を準備しておくことも大切。氏家さんは「貯金額は30歳までに300万円を目指した方が良い」と目安を示す。

「自分の年収相当額を貯金しておけば、失業や病気といった不測の事態にも備えられます。そのためにも、30歳で300万円の貯金を。この金額があれば、結婚などのライフイベントで必要となる頭金が捻出できますから。給料だけで貯金を増やしていくのが難しいなら、お金に働いてもらうことを考えてみるのも良いでしょう。具体的には、毎月の貯金額のうち、例えば1万円程度を投資信託に回してみるのがオススメ。投資と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、本を一冊読めば大体のことは分かるし、専門家に聞いたらきちんと丁寧に教えてくれます。もちろん多少のリスクはありますが、お金の貯まるスピードが上がりますよ」(氏家さん)

テレビや雑誌で「貧困女子」なんて特集を見ても、つい他人事のように思ってしまうが、この低所得時代、自分がその立場になる可能性はゼロではない。先行きの見えない時代をサバイブするためにも、まだ先の話などと考えず、今からしっかりマネーとキャリアについてプランニングしていこう。

>>今の稼ぐ力はどのくらい? あなたの適性年収をチェックする

 氏家祥美さん

ファイナンシャル・プランナー
氏家祥美さん

専業主婦、会社役員を経て、2010年に女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」を設立。家計管理とキャリア&マネープランを得意とし、女性に向けての個人相談のほか、講演、セミナーなどを積極的に行っている。女性の自立と自己実現を応援する「キャリア35」のメンバーとしても活躍中
http://www.heart-money.net/

 水野順子さん

キャリアカウンセラー
水野順子さん

女性とキャリア研究所主宰、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある。
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com

取材・文/横川良明

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