25 AUG/2015

結婚費用は全国平均でいくら? 未婚女子が知っておくべき結婚に掛かるお金と貯蓄のコツ【FP監修】

高山一恵さん
マネーのプロが平均額で教えます!
女の一生とマストマネー

未婚の働く女性の中には、「毎月あるだけお金を使ってしまって、貯金は全然ない!」という人も少なくありません。でも、将来の結婚や出産、その後のライフイベントについて考えると、まとまったお金が必要になる時がやってくるのは明白。その時々で、どのくらいのお金が必要になるのか知っておくことで、きちんと準備もできそうです。そこで、この連載ではファイナンシャルプランナーの高山一恵さんが、“平均額”を用いて女性の人生に必要なお金のことをお教えします!

ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し、10年間取締役を務め、退任。その後、2015年に株式会社Money&Youの取締役へ就任。女性FPと女性をつなぐマッチングサイト「FP Cafe」の事業に注力。また、全国で講演活動・執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書に『35歳までにはぜったい知っておきたい お金のきほん』(アスペクト)など多数

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。この連載では、20代から30代の働く女性たちが気になる、お金のことをお教えしていきたいと思います。女性にとって大切なライフイベントに掛かる費用のこと、その準備に役立つ貯蓄方法、そして生涯を通じたお金との付き合い方まで……いろいろなアドバイスをしていきますね。

“理想の結婚”に掛かる費用は?
→全国平均で436.2万円

結婚式

参考:結婚情報誌『ゼクシィ』「結婚トレンド調査2014」、「ゼクシィトレンド調査」

まず、第一回目となる今回のテーマは、「結婚」です。近いうちに結婚の予定がある人も、いつかは結婚したいという人も、多くの女性が気になるのが結婚費用だと思います。

披露宴、ハネムーン、マリッジリングなどなど、どのくらいお金を準備しておけばよいのでしょう。出会ってすぐに意気投合し電撃結婚!なんてこともあるかもしれません。そんな事態が起きても対応できるように、備えを万全にしておきたいものですよね!

結婚情報誌『ゼクシィ』の「結婚トレンド調査2014」によると、結納・婚約〜新婚旅行を含めた結婚費用の全国平均は、436.2万円だそう。

その中でも最も大きな割合を占めるのが挙式と披露宴に掛かる費用で全国平均で333.7万円掛かっています。でも、これはあくまでも平均です。親、兄弟、親しい友人だけという、ごく内輪だけの挙式、食事会ですませるスタイルもあれば、たくさんの招待客を招いてホテルで盛大に行うスタイル、レストランや一軒家を借りて行うオリジナルウェディング、ハワイやグアムなどでの海外ウェディングなど形式は実にさまざま。

選ぶスタイルによっては、10万円程度で済む場合もあります。今の時代、結婚のスタイルもさまざま。親族だけでパーティーをするのか、海外挙式なのか、ホテルで盛大に挙式を挙げるのかによって、予算はピンからキリまで。最近では、会費形式の1.5次会を開催し、費用を抑えるカップルも多いようです。

また、ハネムーンの平均的な日数は7〜8日で、費用は2人分で平均57.9万円程度。さらに、お土産代が平均で11.4万円程度なので、ハネムーンの総額としては約70万円程度となっています。

婚約・結婚までのお金はどうやって用意する?

結婚式

結婚資金にできるお金は、①自分達の貯蓄、②親からの援助金、③ご祝儀の3つが一般的。2人でどれだけのお金が出せるのか、親から援助がある場合は、いくらぐらいになるのかを考えて、プランを立てていきます。

「ゼクシィトレンド調査」によると、結婚のために貯蓄をしていた人は9割を超え、2人の貯蓄額は全国平均で298.4万円。ご祝儀の相場は、だいたい1人あたり3万円で、合計の全国平均は226.3万円となっています。ご祝儀は結婚式当日にいただくことが多いので、結婚式費用より新生活準備のために使うと考えた方が良いでしょう。

親からの援助は全国平均で182.8万円となっており、結婚資金の準備金として全国平均の数字を合計すると、2人の貯蓄額「298.4万円」+ご祝儀「226.3万円」+親からの援助「182.8万円」=707.5万円となっています。

親からの援助とご祝儀でかなりの資金をまかなえるようにも思えますが、これはあくまで仮定の話。人によっては全く援助を受けられない場合もありますし、知人を大勢呼ばない結婚式をするのであれば、ご祝儀も集まりません。ですから、やっぱり自分自身で備えておくことが大切になります。

結婚の費用を貯めたいけれどなかなか貯められないという人は、お給料日に自動積立でお金を貯められる「先取り貯蓄」を実践してみるのはいかがでしょうか。貯蓄分を自動的に別の口座に振り分けることができるので、うっかり使ってしまうことがありません。まずは目標額を100万円に設定し、毎月の積立額を決めましょう。毎月2万円貯めれば、4年2カ月で目標達成、4万円貯められれば2年1カ月で達成です。

会社員で財形制度が利用できる人は「財形貯蓄」を、会社に制度がないという人、派遣やフリーランスの人は、銀行の「自動積立定期預金」や信用金庫の「定期積立」を利用するのがオススメですよ。

もしも結婚しなかったら?

ひと昔前は、女性は適齢期になったら結婚というのが王道のコースでしたが、今は結婚をしないという選択をする女性も増えています。もし結婚しなかった場合、自分で自由に人生を謳歌できる反面、老後の生活、散り際まですべて自分で準備をしていく必要があります。老後に掛かる費用などについては、またの機会に詳しくお話ししますが、シングルで老後に衣食住の基本生活を送ろうと思ったら現在の年金制度が続くと仮定し、65歳までに2,000万円程度を貯める必要があります。

ただし、女性は結婚するしないにかかわらず、「おひとりさま」になる可能性が大! 実際国勢調査のデータを見ると、2005年時点での女性の未婚率は22.7%。意外に少ないと感じた人も多いと思いますが、これは、離婚や死別を含まない数字。離婚や死別を含めたシングル女性というくくりにすると、なんと女性全体の41.8%が「おひとりさま」。約半数近い女性がシングルライフを送っています。

これにはいくつかの理由があります。1つは、離婚率の高さ。今や3人に1人が離婚する時代。一度結婚しても、残念ながらパートナーと別れることになる可能性は決して低くありません。

そして、なんといっても女性の方が男性よりも平均寿命が長いということです。2014年における日本人の平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳になっており、女性の方が6年長く生きることになります。

ですから、女性こそ、将来に備えてマネープランを練っておくこと、仕事を長く続けていくことが必要になるのです!

次回は、出産とお金をテーマにお話したいと思います。
お楽しみに。

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