ストレス解消旅行と合コン三昧で貯金ゼロ! 航空業界グランドスタッフ女子のお財布事情【FP監修】

どんなに仲の良い友達でも、「年収どのくらいあるの?」「貯金いくら持ってるの?」なんて、聞きにくいもの。周囲の人のお財布事情が分からないだけに、今の自分のお金のやりくりが正しいのかどうか、判断できないものですよね。そこでこの連載では、ファイナンシャルプランナー高山一恵さんに、これまでにあった相談事例を元に、働く女性たちのお財布事情を職種別に解説してもらいます。
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
~File.06~
航空業界グランドスタッフ女子のお財布事情
先日、成田空港に勤務する26歳独身のグランドスタッフ女子Aさんがマネー相談にやってきました。空港で働くことに強い憧れを持っていて念願叶って就いた職業ではあるものの、仕事がきつく、将来長く続けられるイメージが持てないため、キャリアとお金のことが不安になったのだそうです。

次々に退職していく同僚たち
将来のキャリアパスが描けない……!?
素敵な制服を身にまとい、空港でテキパキと働くグランドホステスに憧れる女性は多いですよね。Aさんもその1人でした。
ただし、華やかなイメージとは裏腹に、実際は重労働。空港勤務なので、早番・遅番のシフト制の勤務体制となっていて休日も不規則です。また、1日中立ち仕事で空港内を歩き回ることも多いため、「体力勝負」とのこと。ハードなのにお給料はそこまで高くないというのもネックだそうです。
年齢を重ねてライフステージが変われば、家庭生活との両立はますます難しくなります。Aさんの周囲の同僚も、20代で辞めてしまう人がほとんど。そんな環境にいるのですから、将来のキャリアやお金についての不安は募って当然ですね。
ストレス解消旅行と合コン三昧で貯金はゼロ!
忙しい日々のストレス解消は、社員割引で買った格安航空券で行く海外旅行。旅先でのショッピングも楽しみの1つだそうです。
また、自分の長期的なキャリア形成に自信がないせいか、結婚願望はかなり高め。暇さえあれば同僚の女性たちと一緒に合コンに行っているとのこと。
合コン相手は、医者や弁護士、起業家などの高収入男性ばかりだそうですが、なかなか関係が発展するまでには至らず……(キャビンアテンダントの友人たちは高確率でカップルになっているらしいです!)。
それでも、「いつか高収入の男性と結婚すれば、貯金がなくても大丈夫だから……」と信じ、合コン三昧、買い物三昧の日々をやめられずにいるそう。そのせいで、月々の貯金はゼロ。ボーナスが入れば数万円余るかな……程度とのこと。
ストレス解消も大事なのですが、もう20代後半なのですから “地に足を着けて”自分の人生を考える必要がありますね。「いつかお金持ちと結婚できるだろう」という思い込みも、根拠がないため全くあてになりません。
リスクの高い結婚観は捨てて、転職を見据えたスキルアップに専念しよう
そこで、Aさんには「転職を見据えた働き方」を意識するようオススメしました。
憧れの仕事だったかもしれませんが、働いてみたからこそ見えてくるものもあり、時には手放す勇気を持つことだって重要です。重労働なのにお給料も少なく貯金をする余裕もないようでは、いくら買い物をしてもストレスは根本的に問題は解消されないでしょう。
転職活動を始めるときに大切なのが、「次の会社でも活かせる」と自信を持って言えるようなスキルや経験の有無。自分にとってそれが何なのか見極め、そのスキルをできる限り高めておくことで、転職者の市場価値が上がります。
Aさんの場合は、「語学スキルには自信がある」とのことでした。普段の業務の中でよりワンランク上のやりとりができるようにスキルを磨くも良し、資格を取得して客観的に自分の語学力を示せるようにしておくも良し。自己投資をして、さらなるレベルアップをすべきだとアドバイスしました。
また、男性が持っている資本をあてにした結婚についての考え方も、リスクが高いことを伝えました。今や、共働きがスタンダードな時代。数少ない高収入の男性との合コンに注力するより、経済的にも精神的にも自立できるよう努力する方がよっぽど効率的なのです。収入の少ない女性は結婚相手として選ばれにくいという調査結果も出ています。
「年収800万円以上の男性じゃなきゃ論外!」なんて言わず、身近な男性にも目を向けてみれば結婚の可能性は広がります。
万に一つお金持ちの男性と結婚できても、夫がいつ働けなくなるかも分かりません。離婚する可能性だってゼロではありませんよね。年齢を重ねた時に自分自身に十分な職務経験が無ければ、現代の日本社会で再就職できる可能性はかなり低いと言えます。
後々になって困らないように、自分のビジネスパーソンとしてのスキルを磨きながら、ライフステージが変わっても長く続けられる仕事を見つけましょう。そうすれば、自ずとお金に対する不安感も薄れていくはずですよ。

次回は<美容業界 美容師>女子のお財布事情です。
お楽しみに!
『隣のあの子のお財布事情』の過去記事一覧はこちら
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