「20代で年収550万円だけど貯金ができません」顧客ゲットのための自腹経費がきつい!? 保険営業女子のお財布事情【FP監修】
どんなに仲の良い友達でも、「年収どのくらいあるの?」「貯金いくら持ってるの?」なんて、聞きにくいもの。周囲の人のお財布事情が分からないだけに、今の自分のお金のやりくりが正しいのかどうか、判断できないものですよね。そこでこの連載では、ファイナンシャルプランナー高山一恵さんに、これまでにあった相談事例を元に、働く女性たちのお財布事情を職種別に解説してもらいます。
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
~File.08~
金融業界 保険営業女子のお財布事情
今回のご相談者のAさんは、大手保険会社に勤務する、保険業界の営業女子。年齢は26歳。人と接することが好きだったため、営業職を選んだそう。
持ち前の明るさとバイタリティーで保険の契約を次々に取り、お給料は右肩上がり。自分の努力次第で収入も比例して伸びる今の仕事には、やりがいを感じているとのことでした。
異業種交流会への参加に、お客さまへのお土産代……
稼いでいるのに貯まらない理由
社内でも営業成績が良いAさん。お給料も同世代の女子の中では高収入の、年収550万円。本来であれば、十分な貯蓄ができるほどの年収です。
しかしながら、「全然貯蓄ができない」というのです。よく話を聞いてみると、新規顧客開拓のための異業種交流会への参加や、顧客フォローのための手土産持参など、全て自腹で用意しているそう。経費がかさんでしまい、稼いでいる割にお金が貯まらないのがお悩みとのことでした。
なぜ、仕事のために必要な経費が自腹なの? と思った人もいるかもしれませんね。
保険営業の場合、正社員ではなく、会社と業務委託契約を結んでいて、いわば個人事業主という立場になることが多いもの。そのため、経費はすべて自腹。新規の契約が取れないとお給料が大幅に減ってしまうという人も多いのです。
お金の使い方を投資、消費、浪費に分けて分析! 投資になるお金の使い方を意識しよう
顧客開拓や維持のための経費がどうしても削れない場合、家計の無駄を見直すことで貯蓄に回せるお金を捻出し、貯蓄額を増やしていくのがベスト。
そこで、現状の家計を見直すために、Aさんと一緒に「投資」「消費」「浪費」の3つをチェックしてみることにしました。
・投資とは?
将来の自分にとって「有益」と判断できる費用のこと。例えば、キャリアアップにつながる資格取得、健康維持のためのジム通いや比較的高価でも安全性の高い食品の購入など。また、貯蓄や株、投資信託など、将来のお金を増やすためにする行動も、「投資」といえます。
・消費とは?
食費、住居費、衣服費、日用雑貨費など、生活するために必要な費用のこと。使った金額とほぼ同等の価値と感じるものは「消費」としてのお金の使い方です。
・浪費とは?
使ったお金よりも価値がなかったと後で感じるものは「浪費」です。例えば、仕事が忙しくて全く通えていない習い事の月謝、欲求のおもむくままに衝動買いして後悔したブランド品などです。何に使ったか覚えていないというようなお金の使い方も「浪費」といえます。
一度、支出を「投資」「消費」「浪費」に分けてみることで、自分のお金の使い方のクセも分かってくるはず。そこからお金を使うべきところ、使わないようにすべきところを見極めていきましょう。
なるべく、浪費を少なくし、投資となるお金の使い方を増やすと、貯蓄も増えていきます。
営業、販売力は一生の財産! 経営の勉強をして付加価値をつけてみよう
既に営業成績が良いというAさん。しかし、やればやるだけお給料が上がる仕組みなのであれば、今以上に稼ぐ力をつけていくというのも貯蓄金額を増やす1つの手です。
人当たりの良さや、コミュニケーション能力の高さに加え、もう1つ自分の強みを作ることができると、市場価値も上がっていくでしょう。
特に営業職や、個人事業主として働いている人であれば、「経営」について勉強し、自分に付加価値をつけることでより稼ぐ力が増していくと思います。ビジネス書を読んでみる、セミナーに参加してみる、できることはいろいろあるはず。
経営を学ぶと、コストをかけずに売上を上げる視点や、仕事の効率化についての知見がよりいっそう深まっていくと思います。 まさに、これは「投資」のお金の使い方と言えるでしょう。
浪費カットと投資の強化で、ますます稼げる&貯まる女性になれるはずです!
次回は<小売業界 デパート販売職>女子のお財布事情です。
お楽しみに!
『隣のあの子のお財布事情』の過去記事一覧はこちら
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