18 OCT/2016

「生涯独身or結婚して子持ち」これからの時代、お金で得をするのはどっち? ――生き方の選択で変わる、働く女性のお金のこと【FP監修】

高山一恵さん
お金のプロに聞きたい!
働く女性のマネーのお悩み相談室

仕事をしている女性であれば、自分の収入や貯金、保険や税金のことなど、お金のことで一度は悩んだことがあるはず。そこでこの連載では、女性から大人気のファイナンシャルプランナー・高山一恵さんに、読者の皆さんから寄せられたマネーのお悩み相談に乗っていただきます! 自分のお金を賢く貯める・増やす・使う術を学びましょう

ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し、10年間取締役を務め、退任。その後、2015年に株式会社Money&Youの取締役へ就任。女性FPと女性をつなぐマッチングサイト「FP Cafe」の事業に注力。また、全国で講演活動・執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書に『35歳までにはぜったい知っておきたい お金のきほん』(アスペクト)など多数
未婚と既婚

シングルで将来不安だけど、そこまで強く結婚を望んでいない……という女性は少なくないようですね。「結婚する・しない」、「子どもを持つ・持たない」という選択は各自の価値観の問題。精神論的な話はおいておくとして、今回は、生き方の選択次第で必要なお金や収入がどう変わるのかを考えてみたいと思います。

子ども1人にかかる教育費は1000万円以上
共働きにするか、専業主婦になるかで生活レベルは激変

人生の三大資金といわれるものには、「住宅資金」、「教育資金」、「老後資金」があります。どの資金もまとまった金額が必要になるものですが、子どもがいる人生といない人生で大きく違うのが「教育資金」でしょう。

教育資金は幼稚園から大学までオール国公立の場合で子ども1人につき約1000万円オール私立の場合で約2000万円かかるといわれています。これに日常の生活費などを考慮すると、子ども1人を育てるのに家1軒分建ってしまうほど。シングルの場合、この教育費がかからないので、子持ちファミリーよりは、家計に余裕がでるでしょう。

収入については、結婚後、共働き家庭なのか、専業主婦家庭なのかによって大きく違います。共働き家庭であれば、子どもを持ってもレジャーなどの余暇を楽しむ余裕もありますが、専業主婦家庭の場合には、シングル時代の生活レベルをかなり下げる必要があるでしょう。

「お金の余裕はある」ように見えるシングルライフ
実は、食費、生活費、家賃などの面では費用対効果が悪い

シングルの場合、正社員を続け安定した収入があれば、基本的に自分だけにお金を使えるので趣味、旅行など、余暇を楽しむ経済的余裕があるでしょう。ただし、生活に余裕がある分、無駄遣いをしてしまう傾向もあるので注意が必要です。

こう見てくると、お金の面からはシングルでいる方が圧倒的に有利のように見えますが、食費や生活費、家賃などの観点からみると、シングルの方が費用対効果は悪いといえます。

というのも、食費や生活費などは人数が多い分、シングルよりもお金はかかりますが、シングルだからといって単純に半分の費用にはならないからです。

住居もファミリータイプとシングルタイプでは、シングルタイプの方が割高です。その他、子持ちファミリー世帯には、扶養控除や配偶者控除など、さまざまな税金の優遇制度があったり、企業によっては家族手当という制度を設け、月に数万円支給したりするところもあります。

さらに、子どもがいると、国から児童手当が支給されるなど、子どもがいるからこその優遇を受けられる場合も少なくありません。

“働けなくなる”リスクも考えて、貯蓄やネットワークづくりを怠らないこと

それぞれメリット・デメリットがありますが、やはり教育費がない分、生涯シングルの方が経済的には余裕があると言えます。

ただし、シングルの場合の最大のリスクは自分が病気になったり、介護状態になってしまったりした場合、頼れるのは自分だけというところ。

日頃より意識的に貯蓄をしたり、いざという時に頼れるネットワーク作りをしたりする努力はしておく必要がありますね。

どのような生き方をするにしても、お金は人生に欠かせないものの1つ。自分なりによく考えた上で、選択をするようにしましょう。
 

『FP Cafe』

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