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MAY/2017

小池百合子都知事が語る東京が目指す「保育」のカタチとは? 『みんなの保育の日』イベントレポート

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「#保育園落ちた」
「#保育園入りたい」

子を持つ親の悲痛な叫びが聞こえてくる。有能で仕事への意欲が高い女性たちが、働くことを諦めざるを得ない状況に置かれることも少なくない。日本は「深刻な少子化問題」を何とか解決し、より一層「女性活躍」を推進していきたい国のはずだが、現状はそれとは全く正反対の様相を呈しているように思える。

2017年4月19日(水)、東京・六本木ニコファーレにて認定NPO法人フローレンスが主催する『みんなの保育の日』イベントが開催された。当日は、保育関連業界で働く人や、行政・政治分野における保育分野の担当者、各種メディア、子育て・保育の問題に関心を持つ一般参加者まで、あらゆる人が参加した。

みんなの保育の日
認定NPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹さん。『みんなの保育の日』イベントを、「子どもを社会みんなで育てる」ムーブメントを創り出していくスタートの日として宣言した

同イベントの開会式でコメントを寄せたのは、東京都知事の小池百合子さん。東京都が目指す「保育」のカタチについて、自身の考えを語った。今回は、そのメッセージをご紹介しよう。

「平成31年度末までに、保育サービスを7万人分拡充して待機児童を解消」
社会全体で子どもを育てる東京都を目指す

「『子どもは社会で育てよう』という本イベントのコンセプトは、私が目指す新しい東京の道筋でもあります。去年の12月に東京都は2020年に向けた実行プランを策定しまして、政策の柱に『子どもを安心して産み、育てられる街』を位置付けました。

女性も男性も誰もが働きながら、地域で安心して子育てができるよう、平成31年度末までに、保育サービスを7万人分拡充して待機児童を解消するのが目標です。新年度を迎え、東京都は安心して子育てができる東京の実現に向け、さらに取り組みを加速させていきます。

まずは保育所の設置促進です。待機児童対策には、知事就任後から取り組んでまいりましたが、今年度からは税制対策や、企業主導型の保育施設の開設など、新たな取り組みも行います。

また保育サービスを支える人材の支援も欠かせません。来年度は国も保育士の方々の処遇改善を行いますが、東京都では補助額を大幅に拡充して参ります。合わせて、保育士の方々の産休育休後の職場復帰を後押しするため、ベビーシッター費用の支援を行う取り組みも開始いたします。

保護者に対する支援も重要です。保活の苦労を和らげることができるように、保育所に関する情報提供や相談を行う保育コンシェルジュが増えるよう取り組んで参ります。

さらには、働き方改革にも力を入れていくことで、保育事業者、保育士、保護者の皆さまとともに、子どもを社会全体で育てていくムーブメントをつくり出し、安心して子どもを生み育てられる環境の充実を図ってまいります。引き続きご協力をよろしくお願いします」(小池さん)

「作っても作っても保育園が足りない」
実際のところ、都内の待機児童は増加している?

「待機児童ゼロ」への政府目標は、まだ遠い。『日本経済新聞』の調べ(17年4月1日時点)によれば、昨年と比較して待機児童が「増えた」と回答した都内の市区は、34市区中16市区にものぼっている。保育所の定員はこの1年間で約3万人分増えているが、ニーズに追いついていない。安倍首相はかつて「2017年度末までに待機児童をゼロにする」ことを公約として掲げていたはずだが、この目標の達成は諦め、期限はあっさりと「19年度末まで」に先延ばしにされてしまっている。

保育に関わる課題は山積みで、その解決は一長一短で進むものではないだろう。だが、だからと言って子育て世代ではない働く女性にとっても、他人ごとではいられない問題だ。一人一人が「保育」に関心を持ち、声を上げ続けていくことが未来を変えるカギになるだろう。

女性も男性も生涯働き続けるのがスタンダードな時代。誰かが犠牲を強いられたり、誰かがギリギリのところで踏ん張りながら働くことと育てることを両立するような環境ではもう立ちゆかない。皆がもっと自然なカタチで、「働き、産み、育てられる」豊かな社会をつくっていきたいものだ。

>>「働く親はなめられている」矛盾に満ちた日本の保育をどう変える?――境治・治部れんげ・日経DUAL編集長『みんなの保育の日』トークセッションレポート

取材・文・撮影 栗原千明(編集部)

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