成果が上げられなければすぐ解雇? 20代で年収800万、外資系IT企業マーケティング女子の悩み
どんなに仲の良い友達でも、「年収どのくらいあるの?」「貯金いくら持ってるの?」なんて、聞きにくいもの。周囲の人のお財布事情が分からないだけに、今の自分のお金のやりくりが正しいのかどうか、判断できないものですよね。そこでこの連載では、ファイナンシャルプランナー高山一恵さんに、これまでにあった相談事例を元に、働く女性たちのお財布事情を職種別に解説してもらいます。
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
~File.17~
外資系IT企業マーケティング女子のお財布事情
外資系IT企業でマーケティングを担当しているAさん(29歳)。Aさんの年収は今現在800万円。幼少の頃に外国で暮らしていた経験があり、英語力は『TOEIC®』満点レベル。学生時代から語学を活かした仕事に就くことを目標にしてきたそうです。現在は、希望通り得意の語学を活かして働くことができ、仕事は充実しているそう。
成果を上げられなくなったら減給、解雇のリスクも!
実力主義の外資系企業で働き続ける不安
今の年収は高いAさんですが、外資系なので仕事は完全な実力主義。今までは順調に成果を出してお給料も右肩上がりでしたが、今後、成果を出せなくなってしまったらお給料の減額や解雇のリスクが常にあるため、将来への不安は強いとのこと。今から将来に備えておく必要を感じています。
仕事が忙しく自炊している暇がないので、外食代はかさんでしまうそうですが、その他の費目にはあまりお金を使っていません。
毎月10万円程度の貯蓄ができているそうですが、普通預金にお金が貯まっている状態とのこと。せっかく10万円も貯蓄できる余裕があるので、毎月の積立先を変えることを提案しました。
「自動積立」で守り、「投資信託」で攻める! 貯めるだけでなく、賢く増やす方法も取り入れよう
将来に備えるために効率的にお金を増やすには、「先取り貯蓄」を心掛けることが第一。先取り貯蓄をする際は、「自動積立」を活用すれば毎月給料日に指定した額を口座から自動的に引いて積立をしてくれるので、面倒な作業が不要になります。
また、10万円のうち半額程度は、投資信託などの投資商品で積立てたいところ。例えば、毎月5万円を「自動定期積立」、残りの5万円を「投資信託積立」という具合に分散して、確実にお金を貯めつつ、積極的に増やすことも考えましょう。
さらに、Aさんのように年収が高い人が金融商品を活用する際には、「節税」を意識した方が賢明です。年収が高くなればなるほど、毎年支払う所得税、住民税の金額に嫌気がさしてきますよね。
例えば、今年から利用者が拡大して話題となっている「個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)」。こちらは毎月の掛け金が所得控除になり、所得税と住民税を安くすることができたり、運用中の利益が非課税になったりと、効率的にお金を増やすことができます。
仮に「iDeCo」に毎月2万円掛け金を支払った場合、Aさんの所得税の税率が10%だった場合には、所得税と住民税合わせて年間で48,000円分の税金が安くなります。
年間20万円以下の副業であれば、確定申告の必要なし!
収入から経費を差し引いた所得金額でOK
また、Aさんは、将来のキャリアも考えて翻訳の副業も始めました。Aさんは、真面目な性格で、週末にコツコツと副業をしており、副業から得られる1年間の収入が40万円になりそうとのことでした。
Aさんは、「副業も20万円を超えたら確定申告をしなくてはいけない」と聞いたようで、確定申告の心配をしていましたが、この20万円という数字は、単に収入の金額ではなく、収入から経費を差し引いた所得金額です。
Aさんは、翻訳の副業をするにあたり、パソコンや書籍を購入したり、セミナーに参加したりしていて、これらの費用は経費になります。これらの経費はまとめて20万円以上かかっていたので、Aさんの副業の所得金額(所得)は20万円以下となり、確定申告の必要はありません。
副業でその他の収入源を確保しつつ、本業の実務面でも成果を上げ続けられるように、日々スキルアップをしていくといいですね。
次回は<大学職員>女子のお財布事情です。
お楽しみに!
『隣のあの子のお財布事情』の過去記事一覧はこちら
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