31 JUL/2017

「とりあえず普通預金に貯めてるだけ」ではNG! 貯蓄で損する28歳・女医のマネー事情【FP監修】

高山一恵さん
職種別にチェック!
隣のアノ子のお財布事情

どんなに仲の良い友達でも、「年収どのくらいあるの?」「貯金いくら持ってるの?」なんて、聞きにくいもの。周囲の人のお財布事情が分からないだけに、今の自分のお金のやりくりが正しいのかどうか、判断できないものですよね。そこでこの連載では、ファイナンシャルプランナー高山一恵さんに、これまでにあった相談事例を元に、働く女性たちのお財布事情を職種別に解説してもらいます。

ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し、10年間取締役を務め、退任。その後、2015年に株式会社Money&Youの取締役へ就任。女性FPと女性をつなぐマッチングサイト「FP Cafe」の事業に注力。また、全国で講演活動・執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書に『35歳までにはぜったい知っておきたい お金のきほん』(アスペクト)など多数

~File.19~
産婦人科 女医のお財布事情

先日、友人のご紹介で、28歳の女医Aさんがマネー相談にやってきました。

彼女は、都内の大学病院で産婦人科に勤務しています。医師というと、エリート、高収入で一生安定の職業というイメージが強いと思いますが、彼女の年収は600万円程度。

同世代の女性と比較すると高収入ですが、ご本人は「激務な割にはあまりもらっていない」と感じているようです。

女医のマネー事情

「普通預金にただお金が貯まっていく」だけじゃダメ?

清楚な服装に身を包み、見た目の印象からも誠実さが伝わってくるAさん。命の誕生の瞬間に立ち会える今の仕事に誇りを持ち、毎日精力的に仕事に取り組んでいるとのこと。

一方で、産婦人科の性質上、夜間勤務や休日勤務も多く、毎日仕事に追われてお金のことを考える余裕が全くありません。

貯金はしているものの、ただ普通預金にお金を貯めているだけで、何か資産運用をしているわけではないとのこと。賢くお金を増やす方法が知りたいとのことでした。

というのも、今後もし子どもができた場合は非常勤で勤務することになる可能性が高いそう。すると、現在の年収を下回る可能性が高く、年収は500万円程度になるそうなのです。

現在、結婚を前提にお付き合いをしている彼は、年収500万円程度の会社員。出産で自分がフルタイムで働けなくなった場合、世帯年収は1000万円程度です。

平均的な家庭よりも収入はしっかりありますが、せっかく収入があるからこそ資産運用はしっかりしていくべきですね。

臨時出費が重なるとピンチ!?多忙な人ほど“自動的に貯まる”仕組みをつくっておこう

まずは、今の家計整理からスタート。Aさんの家計簿を拝見したところ、派手にお金を使っている様子は全くありませんでした。

家賃と食費が家計費の中では高めですが、激務なため、職場に近い都心のマンションを借りていること、なかなか自炊ができないため外食が多いことが理由なので、ある意味、必要経費ともいえます。

その他は特に無駄使いしているところもなく、毎月10万円程度普通預金に貯まっている状況。ボーナスは、年に数回行く海外旅行に使っています。

ただ、冠婚葬祭など臨時出費が重なってしまうと、順調に貯蓄できなくなってしまう可能性があります。ですから、Aさんのように忙しい人ほど、漠然と貯蓄せず、自動的に貯蓄できる仕組みづくりをしておくことが大切です。

女医のマネー事情

ではどうするか。まずは、お金を「日々出入りするお金」、「5年以内に使い道が決まっているお金」、「将来のためのお金」に分け、それぞれ別の口座や金融商品、方法で貯めるという仕組みをつくりましょう。

●「日々出入りするお金」
もしもの場合に備えるお金や、日常生活費です。日々出入りするお金は出し入れしやすい普通預金口座で貯めておくと便利です。生活費の6カ月〜1年分は確保しておくといざという時に安心できます。

●「5年以内に使い道が決まっているお金」
結婚資金やマイホームの頭金など、5年以内に使い道が決まっているお金は普通預金よりも利回りがよく安全性が高い定期預金や国債などへ預けるのがオススメです。

毎月3万円程度、財形貯蓄や銀行の自動定期積立などを利用してみると良いでしょう。

●「将来のためのお金」
将来のためのお金は、使うまでに時間の余裕があるので、元本が割れる可能性はあるけれど、大きく増える可能性がある投資信託や確定拠出年金に預けてOK。

こちらも銀行や証券会社などの積立サービスを利用すれば、毎月指定した商品を自動的にコツコツ積み立てることができます。ボーナスについても半分は貯蓄できるようにすると良いですね。

毎月自動的にお金を貯める仕組みをつくれば、効率的に資産を増やしていくことができます。

世間では「医者になったら一生安泰」というイメージがありますが、それでも女性であるがゆえに結婚・出産などのライフステージの変化でキャリアプランの変更を余儀なくされることはあるものです。

忙しく働いているとすぐに時間は過ぎてしまいますから、意識的に立ち止まり、自分の将来のお金・キャリアのことを考えてみる時間を持ちたいですね。

女医のマネー事情

次回は<ホテルで働くフロント女子>のお財布事情です。
お楽しみに!

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