25 OCT/2017

ノー残業デーに何してる? 働く女性がいま「劇場」に足を運ぶべき理由【連載:ふらり~女の夕べ】

NO残業デーは劇場で“非日常”な体験を。
ふらり~女の夕べ

プレミアムフライデーに、NO残業デー。働き方改革が進み、プライベートタイムは増えたけど、一体その時間に何をする……? 会社を追われ、行き場をなくし街を彷徨うふらり~女たちへ、演劇コンシェルジュ横川良明がいま旬の演目をご紹介します。奥深き、演劇の世界に一歩足を踏み入れてみませんか?

横川良明

演劇ライター・演劇コンシェルジュ 横川良明
1983年生まれ。関西大学社会学部卒業。ダメ営業マンを経て、2011年、フリーライターに転身。取材対象は上場企業の会長からごく普通の会社員、小劇場の俳優にYouTuberまで多種多彩。年間観劇数はおよそ120本。『ゲキオシ!』編集長


こんにちは。演劇ライターもとい演劇コンシェルジュの横川良明です。今回からこのWoman typeで演劇について記事を書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします!

といっても、どうして「働く女性のためのWebマガジンで演劇?」となりますよね。分かります、その気持ち。

ですが、実はこれからの働く人たちの生き方を考えたとき、演劇をはじめとする余暇活動ってとっても大事なんです。なぜなら、皆さんご承知の通り世の中、働き方改革まっさかり。まだまだ長時間労働が蔓延している現状は否めませんが、いずれ社会全体を通して労働時間の短縮化が進むのはほぼ確実。また、AIの浸透により、将来的には週5勤務から、週2~3日勤務がベースという時代が来ることも予測されています。

社会全体がそんなふうに過剰労働から脱却を図るのは、とても喜ばしいこと。ただ一方で、「定時に帰ってください」と言われても、その後の時間で何をすればいいのか思いつかない人が多いのも今の現実ではないでしょうか。習いごとをするバイタリティーもないし、結局友達と呑むか、ふらふらショッピングをするか、家に帰ってテレビを観るだけ。せっかくのオフなのに、何だかちょっと新鮮みがない。

そこで、余暇時間を持て余してしまっている働く女子の新たな趣味として提案したいのが「観劇」です。

「観劇」と言っても、劇場でお芝居を見たのは学校の芸術鑑賞の授業だけ。演劇ってチケットは高いし難しそう……。というハードルの高さも重々承知です。

でも実は、一歩足を踏み込んでみれば、劇場には映画ともドラマともまた違う非日常の特別体験がつまっているのです。

そんな演劇若葉マークの働く女子のために、普段劇場に行く機会がない方でも気軽に楽しめて、何気ない一日がちょっと特別な一日に変わるようなお芝居をご紹介するのが、この連載です。

心を込めてご紹介していきますので、ここはひとつ騙されたと思って、末永くお付き合いくださいませ。

では、前置きが長くなりましたが、早速記念すべき1本目の作品をご紹介します!

タクフェス第 5弾『ひみつ』

ひみつ

今回みなさんにご紹介するのは、2017年10月31日(火)より池袋・サンシャイン劇場にて東京公演が開幕するタクフェス第5弾『ひみつ』です。働き女子にオススメしたい本公演の見どころを、演劇コンシェルジュ・横川がズバッと解説します。

Point1:日本一泣ける劇作家・宅間孝行の最新作!

ひみつ

宅間孝行という名前に覚えのない女子も、顔を見ればピンと来る人も多いのでは。ドラマや映画などで俳優としても活躍。そんな宅間さんが作・演出を務めるエンターテイメントプロジェクトが、このタクフェスです。

実は宅間さんの作品は、長瀬智也さん主演のドラマ『歌姫』や、貫地谷しほりさん主演の映画『くちづけ』など、これまでたびたび映像化されており、その面白さはお墨付き。また、Woman type世代の多くがティーンの頃に夢中になったドラマ『花より男子』『花より男子2』の脚本を手がけたのも、この宅間さん(当時の名義はサタケミキオ)なのです。知らず知らずのうちに宅間さんの作品に触れていた、というWoman type女子も多いはず!

これまで人の想いを丁寧に紡いだ作品を数多く送り出してきた宅間さん。自らが主宰を務めた劇団・東京セレソンデラックス(2012年解散)は「日本で一番泣ける劇団」の異名をとったほど。そんな泣ける劇作家・宅間孝行の4年ぶり書き下ろし新作がこちら。きっと今回も心温まる涙を流せるはずです。

Point2:テレビでおなじみのアノ人の、テレビでは見られない姿が楽しめる!

ひみつ

『ひみつ』の主演を飾るのは、女優の戸田恵子さん。ドラマ『ショムニ』の財テクOLから『離婚弁護士II〜ハンサムウーマン〜』のお喋りパラリーガル、さらには数々の三谷幸喜作品など、私たちの好きだったドラマや映画には必ずこの人がいたと言っていいほどの名女優ですね。テレビでは個性的なバイプレイヤーとして活躍することの多い戸田さんが、今回は主人公を演じます。しかも演じる役どころは、かつて一世を風靡した女漫才師というのだから、いつもコミカルな演技で私たちを楽しませてくれる戸田さんにぴったり。戸田さん演じる渚と、相方だった弟の五郎、そして生き別れになった娘の夢との人間模様が本作の大きな焦点に。

また、その他のキャストには、福田沙紀さん、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代さんや、EXILEの松本利夫さんなど気になる名前がチラホラ。映像と違い、舞台は生。キャストとの距離が近い分、映像では感じられない親しみやすさや魅力をダイレクトにキャッチできるのも舞台の面白さです。終演後には、きっと自然と出演者のことが今まで以上に好きになっていますよ。

Point3:やっぱりイケメンが好き! 舞台を彩る若手俳優たち

女子たるもの、やっぱりカッコいい男の子は気になりますよね。そんなあなたにオススメしたい今回の出演者が、俳優の武田航平さんと赤澤燈さん。

ひみつ

武田さんは、第14回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞した王道イケメン。近年は、岩田剛典さん、鈴木伸之さんら出演の『HiGH&LOW』シリーズの平井役などで活躍。少年っぽさを残した笑顔と、野性味のある肉厚な唇がセクシーな実力派俳優です。

ひみつ

赤澤さんは、近年、演劇界で注目を集める「2.5次元系舞台」の立役者のひとり。女の子のようなくりっとした目がチャーミングです。

どちらもヴィジュアルだけでなく、演技力も本物。自分好みのカッコいい男の子を見つけたいという人は、演劇界には顔良し演技良しの若手俳優が勢揃いしているので、自分だけの「推し」を発掘して、日々の活力源にすべし!

仕事ばかりの毎日だと、心がパサパサに乾燥してしまいがち。無意識に「人とのつながり」を求めてしまうのも、乾いた心が潤いを求めているからかもしれません。満員の客席で、他の観客と一緒に笑って泣ける演劇は、心のクリーニングにもうってつけ。ぜひこの『ひみつ』で温かい涙をこぼし、胸の中にたまった不純物を綺麗さっぱり洗い流してください。

<公演詳細>

■あらすじ
ある秋の日。とある田舎町にある別荘に連れてこられた山之内夢は、車椅子に乗る年老いた一人の女性と出会う。そして突然、名前を名乗ることも出来なくなったその女性こそが、自分を産んだ母親なのだと告げられる。彼女の名前は、本橋 渚。

本橋家には3人の姉弟がいた。姉の渚と弟の五郎は”虹色渚ゴロー”という漫才師として大活躍をしていた。マネージャーでもある末弟の八郎に支えられ、人気絶頂だったこの姉弟に、運命を一変させる、ある出来事が起きる。

なぜ渚は夢と25年間別々に生きる道を選んだのか、そして本橋家の「ひみつ」とは--。

■作・演出
宅間孝行

■出演
戸田恵子/福田沙紀/武田航平、赤澤燈、岡本あずさ/山崎静代(南海キャンディーズ)、東風万智子/松本利夫(EXILE)/越村友一、益田恵梨菜、三谷翔太(Wキャスト)、松本純青(Wキャスト)/ベンガル/宅間孝行

■日程・会場
10/19(木)19:00 鹿児島市民文化ホール 第2 ※終了
10/24(火)18:30 石川・北國新聞赤羽ホール ※終了
10/26(木)18:30 富山県教育文化会館
10/28(土)14:00 新潟・りゅーとぴあ・劇場
10/31(火)~11/12(日) 東京・サンシャイン劇場
11/19(日)14:00 山口・周南市文化会館
11/24(金)~26(日) 愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
12/1(金)・2(土) 北海道・道新ホール
12/6(水)~10(日) 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

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