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DEC/2017

ぬくもりが恋しい夜は、“優しい演劇”に包まれて過ごす/演劇集団キャラメルボックス【連載:ふらり~女の夕べ】

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NO残業デーは劇場で“非日常”な体験を。
ふらり~女の夕べ

プレミアムフライデーに、NO残業デー。働き方改革が進み、プライベートタイムは増えたけど、一体その時間に何をする……? 会社を追われ、行き場をなくし街を彷徨うふらり~女たちへ、演劇コンシェルジュ横川良明がいま旬の演目をご紹介します。奥深き、演劇の世界に一歩足を踏み入れてみませんか?

横川良明
演劇ライター・演劇コンシェルジュ 横川良明
1983年生まれ。関西大学社会学部卒業。ダメ営業マンを経て、2011年、フリーライターに転身。取材対象は上場企業の会長からごく普通の会社員、小劇場の俳優にYouTuberまで多種多彩。年間観劇数はおよそ120本。『ゲキオシ!』編集長


今年も残すところあとわずか。外に出れば、吹きすさぶ北風にぶるっと身が縮むこの季節、やっぱりぬくもりが恋しくなりますよね。お鍋にこたつ、毛糸の手袋にホッカイロ。冷えた体を温めてくれる冬の風物詩は数あれど、心までホカホカにしてくれるものはそう多くありません。凍てつくような季節だからこそ、乾いた心にぬくもりを……。

そんなあなたに全力でオススメしたいのが、演劇集団キャラメルボックスの最新作『ティアーズライン』です。

演劇集団キャラメルボックス 2017ウィンターツアー『ティアーズライン』

ティアーズライン
結成32年。これまで数々の傑作を世に送り出し、演劇界で知らない人はいないと言っても過言ではないキャラメルボックス。今回は、キャラメルボックスをまだ観たことがないというふらり~女のみなさんに向けて、その魅力を解説します。

Point1:演劇界の永遠のスタンダード。舞台上で紡がれる良質なポップス

例えば、皆さんの中に読書がお好きな方はいますか? もしあなたが、普段あまり本を読まないという人に、最初の一冊を紹介するなら、どんな小説を選びますか? 今の時代なら東野圭吾や有川浩、あるいは伊坂幸太郎……。そうした人気作家たちの名前を挙げる方も多いはず。キャラメルボックスは、まさに演劇という世界の水先案内人。それも気難しい顔をして観客を試すのではなく、緊張と不安の面持ちで劇場に足を踏み入れた若葉マークの冒険者たちを、両手を広げて歓迎してくれるような、そして最後にはぎゅっと力いっぱい抱きしめてくれるような、優しさと温かさを持った劇団です。

ティアーズライン
(キャラメルボックス『ゴールデンスランバー』より ※撮影:伊東和則)

例えるなら、キャラメルボックスの作品は、誰もが気軽に口ずさめる良質なポップスのよう。ポピュラーソングには、世代も時代も超えて、聴く人の心に鮮やかに息づく魔法の力がありますよね。キャラメルボックスもそう。中高生からシニアまで幅広い世代の観客が一緒に笑って、一緒に泣く。大切な誰かと特別な時間を過ごしに来た人も、今日ちょっと悲しいことがあった人も、分け隔てなく包みこむ普遍性こそが、キャラメルボックスの最大の魅力。決して誰かを傷つけたり悲しませたりしない。だからキャラメルボックスは、演劇界の永遠のスタンダードとして、結成から32年を経た今もなお愛され続けているのです。

Point2:幕開けからノンストップ。スリル満点のジェットコースターストーリー

そんなキャラメルボックスの最新作『ティアーズライン』は、脚本・演出を務める成井豊さんの1年半ぶりの書き下ろし新作。主人公は、元学生ボクサーの探偵。彼が突然謎の殺し屋に命を狙われるところから物語は始まります。そこからの約2時間は、息つく間もないエピソードの嵐。なぜ男は狙われたのか。彼が近づいてしまった真実とは。さまざまな登場人物の思惑が渦巻きながら、事態はさらに思わぬ方向へ……。

ティアーズライン
(キャラメルボックス『スロウハイツの神様』より ※撮影:伊東和則)

ここ数年、キャラメルボックスは『鍵泥棒のメソッド』『ゴールデンスランバー』など疾走感が持ち味の原作を次々と舞台化し、成功をおさめてきました。これらの娯楽作品で磨いてきた展開力を、本作でも遺憾なく発揮。リズミカルな会話の応酬に、観客を飽きさせない巧みな構成。アクションシーンも随所に盛り込まれ、ダイナミックなうねりが舞台上に広がっていきます。クライマックスに近づくにつれ、ボルテージは高まり、最後は多幸感溢れるエンディングへ。これまで脈々と受け継がれてきたキャラメルボックスの活劇系作品の真骨頂と呼べるものが、本作で見られそうです。

Point3:人は、人に愛されて、生きている。キャラメルボックスが届ける圧倒的多幸感

キャラメルボックスの舞台を観て、幸せな気持ちになれるのは、作品に携わるすべての人たちが、人を想い、人を信じ、全力で走り続けているから。その絶対的肯定感こそが、キャラメルボックスの幸福感の秘密。スリリングな展開が続く本作ですが、そんなキャラメルボックスらしさは健在です。

その柱を担うのが、主人公とその母の物語。殺し屋に命を狙われた主人公。その前に突然母親が現れる。心配性で、小言をこぼしながらも、息子のことを献身的な愛情で守ろうとする母。しかし、そんな母にはある秘密があって……。

ティアーズライン
(キャラメルボックス『光の帝国』より ※撮影:伊東和則)

実は、既に通し稽古を観させていただいたのですが、キャラメルボックスの元祖・看板女優の大森美紀子さんが、愛嬌たっぷりのチャーミングな母親を好演。口うるさくて、明るくて、とびっきりの子ども想い。大森さん演じる母を観ていると、そう言えばこの世界で一番温かいものって、お鍋でもこたつでもなく、お母さんの優しい手だったかもしれない。そんな懐かしい記憶が甦ります。

奇しくもちょうど年末。もしお母さんと同居されている方なら、帰り道に何かクリスマスプレゼントでも買ってあげようか、とショーウィンドウを覗いてみたり。もう実家を離れてしまった方なら、お正月は家に帰って久しぶりにお母さんの長話でも聞いてあげようか、と柄にもないことを考えてみたり。優しくて温かい母子のドラマが、ドライな質感の本作にパステルな彩りを添えてくれます。

他にも、各キャラクターごとのドラマもたっぷり。大切な人のために走り続ける登場人物たちの姿に、きっとあなたの心もぬくもりでいっぱいになっているはず!

<公演詳細>
■脚本・演出

成井豊

■出演
畑中智行、阿部丈二、多田直人、大森美紀子、西川浩幸、坂口理恵、三浦剛、森めぐみ、石森美咲、大滝真実、山崎雄也、元木諒、山根翼

<東京公演>
■日程
2017年12月15日(金)~25日(月)

■会場
サンシャイン劇場 ※東京メトロ有楽町線「東池袋」駅 6・7番出口より地下通路で徒歩5分

<兵庫公演>
■日程

2017年12月28日(木)・29日(金)

■会場
明石市立市民会館(アワーズホール) 大ホール ※JR・山陽電鉄「明石駅」より徒歩15分

>>公式サイトへ

『ふらり~女の夕べ』の過去記事一覧はこちら

>> http://woman-type.jp/wt/feature/category/trend/furariijyoをクリック

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