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FEB/2018

今夜は新宿御苑へ。爆笑必至の“バックステージコメディー”でストレス発散/『卒業式、実行』

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NO残業デーは劇場で“非日常”な体験を。
ふらり~女の夕べ

プレミアムフライデーに、NO残業デー。働き方改革が進み、プライベートタイムは増えたけど、一体その時間に何をする……? 会社を追われ、行き場をなくし街を彷徨うふらり~女たちへ、演劇コンシェルジュ横川良明がいま旬の演目をご紹介します。奥深き、演劇の世界に一歩足を踏み入れてみませんか?

横川良明
演劇ライター・演劇コンシェルジュ 横川良明
1983年生まれ。関西大学社会学部卒業。ダメ営業マンを経て、2011年、フリーライターに転身。取材対象は上場企業の会長からごく普通の会社員、小劇場の俳優にYouTuberまで多種多彩。年間観劇数はおよそ120本。『ゲキオシ!』編集長


演劇には詳しくない……という人も、この人の名前は知っている人も多いのでは。『古畑任三郎』(フジテレビ系)からNHK大河ドラマ『真田丸』まで数多くのヒット作を抱える脚本家の三谷幸喜さん。三谷さんが世に出たのは、1983年に結成した劇団・東京サンシャインボーイズがきっかけ。そして、平成の喜劇王・三谷幸喜さんの十八番として広く知られているのが、シチュエーションコメディーというジャンルです。

シチュエーションコメディーとは、読んで字のごとく登場人物の置かれたシチュエーション(状況)によって笑いを生むコメディーのこと。2002年にオンエアされた日本初のシットコム『HR』(フジテレビ系)を筆頭に、映画『12人の優しい日本人』など三谷作品にはキラリと光る傑作シチュエーションコメディーがズラリ。そして今、東京の小劇場シーンでこのシチュエーションコメディーの系譜を受け継いでいるのが、屁理屈シチュエーションコメディー劇団・アガリスクエンターテイメントです。

今回はその最新作『卒業式、実行』をご紹介します。

アガリスクエンターテイメント第25回公演『卒業式、実行』
Point1:舞台は卒業式の舞台袖。両者のプライドを懸けて、絶対に負けられない戦いが始まる……!

卒業式、実行

ある困った状況に追いやられた主人公が、何とか窮地を打開しようとあの手この手を尽くすのだけど、かえって事態がややこしくなるばかりで右往左往する……なんて感じのコメディー、見たことはありませんか? これは、シチュエーションコメディの代表パターンです。瑛太さん上野樹里さんが主演した映画『サマータイムマシンブルース』もそのひとつ。日本でシチュエーションコメディーと言えば、場面転換も行わず、ひとつの場所だけで全編が進行するワンシチュエーションものが多く、三谷幸喜さんの出世作『王様のレストラン』(フジテレビ系)なんかも、レストランを舞台にしたワンシチューションコメディーです。

(アガリスクエンターテイメント『ナイゲン(全国版)』より)

アガリスクエンターテイメントもこれまで数々のシチュエーションコメディーを送り出してきましたが、今回の『卒業式、実行』は、卒業式当日の舞台袖にスポットを当て、一筋縄ではいかない登場人物たちに翻弄されながら、主人公が何とか無事に卒業式を終えようとするひと騒動を描いたバックステージコメディーです。三谷作品なら唐沢寿明さん主演の映画『ラジオの時間』を例に挙げるとピンと来る人も多いかもしれません。

一般的にバックステージコメディーは、いわゆる演劇などの舞台裏を描いたものが多いのですが、今回は卒業式が題材。はたして粛々と進行する卒業式の裏側で何が起きるのか。まずはここが注目ポイントです。

Point2:ややこしい題材だから、より笑える。国旗国歌問題を題材にしたハイスピードコメディー

近年の卒業式でよく取り沙汰されるのが、国旗掲揚・国歌斉唱問題。数年前、当時の大阪府知事だった橋下徹さんが、卒業式などの学校行事における国歌斉唱時に教員の起立を義務づける条例を定め、議論が紛糾したことがありましたよね。そんなただでさえややこしい題材をあえてコメディーとして料理しようというのが、今回のアガリスクエンターテイメントの挑戦です。

(アガリスクエンターテイメント『紅白旗合戦』より)
(アガリスクエンターテイメント『紅白旗合戦』より)

かと言って、おカタい政治色は一切なし。ですから、「国旗国歌問題とか難しそう……」という方もご安心を。あくまで議論の的になるのは、生徒による自治。舞台となる高校は自主自律をモットーとし、卒業式の内容はすべて生徒アンケートで決定し、進行も生徒主体の実行委員会が担当しています。ところが、国旗掲揚・国歌斉唱をプログラムに入れるよう大人たちの横槍が入ったことから、事態は面倒臭いことに。歴代の先輩たちから受け継いだ自主自律の精神を守るべく、生徒会長は断固拒否。国旗は揚げるのか、国歌は歌うのか。一向に決着を見ないまま式当日を迎え、実行委員たちは窮地に立たされる……。というのが大枠のストーリーです。

ともすると、大真面目なお話になりそうなところを、どう徹底的にコメディーに仕上げるかが最大の見どころ。怒号と混乱の渦巻く舞台袖で、はたして何が起きるのか? 思い切り笑う準備をしてご来場ください。

Point3:難しく考えなくてOK! 思い切り笑って明日への活力をチャージ

アガリスクエンターテイメントの魅力は、まずそのスピード感。リズミカルな台詞の応酬、次々と現れる個性ダダ漏れのキャラクター、そして一瞬の隙を突くように一気になだれ込む怒濤のストーリー。まさにハイスピードハイカロリーのコメディーが信条だから、見ていて飽きることはありません。

今回も、愛校心が溢れすぎている生徒会長や、卒業してもう何年も経っているのになぜか首を突っこんでくるOB、さらにいつまで経っても来賓のスピーチが思いつかないPTAなど、胸焼けするほど濃いキャラクターが次々に登場。おかげで主人公の実行委員長はどんどん振り回されて……という混乱ぶりが見ていて笑えてくる仕組みです。

(アガリスクエンターテイメント『七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)』より)
(アガリスクエンターテイメント『七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)』より)

そもそも人って、困っている人を見るとちょっと笑えるもの。そんな意地悪な目線も孕みつつ、小劇場俳優たちの壮絶な笑いのデットヒートをご覧ください。特に今回挙げた過去の名作群がお好きな方なら、相性ぴったり。きっと「あ~、むっちゃ笑った~」とスッキリした気持ちで劇場を後にすることができるはず。笑うことは、ストレス発散の一番の薬。思い切り笑って、また次の日からのお仕事を頑張りましょう。

<公演詳細>

■あらすじ
3月8日朝、卒業式実行委員長・榎並夕起は頭を抱えていた。

自主自律を重んじ、卒業式の企画・運営も生徒が主体となって行ってきた国府台高校に、突如降ってきた「卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱問題」。
職務命令のために実施しなければならない教員側と、自治のために反対する生徒側。政治思想も巻き込んで、校内世論は真っ二つ。解決のための協議も決裂。
どちらのプログラムで式を執り行うのか、決まらないまま式当日を迎えてしまったのだ。

校門前には街宣車。火花を散らす生徒と教師。介入してくる保護者にOB。
果たして卒業式実行委員は無事に式を遂行することができるのか!?
委員長は憧れの先輩の卒業式を成功させることができるのか!?

―――そして、開式の時間がやってきた。

■脚本・演出
冨坂友

■出演
淺越岳人、榎並夕起、鹿島ゆきこ、熊谷有芳、甲田守、沈ゆうこ、津和野諒、前田友里子、矢吹ジャンプ / 星秀美、前田綾香、山岡三四郎、斉藤コータ、藤田慶輔、中田顕史郎

■日程
2018年2月17日(土)~25日(日)

■場所
サンモールスタジオ ※東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」大木戸門出口より徒歩3分

>>公式サイトへ

連載『ふらり~女の夕べ』の過去記事一覧はこちら

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