育休から復帰し自ら働きやすい制度を整える
「復職後は、ワーキングマザーが働きやすいような制度を作ってほしい」
シープランニングで働く高橋志津子さんが社長からそう言われたのは、1年前の育児休暇中。復職する2カ月前だった。
そもそも高橋さんがオフィスのレイアウトや環境、ITのインフラ整備を手がける同社に転職してきたのは35歳のとき。入社後は顧客先に常駐し、リース管理の仕事をこなしていたが、38歳で結婚し、出産。約1年間、育児休暇を取得していた。
「『女性に長く働いてほしい』というのが社長の方針。でもなかなか前例が出なかったんです。家庭と仕事を両立させるために、個々のニーズに合わせて柔軟に対応してくれる環境はあるのですが、まだきちんと目に見えるカタチでは制度は整っていない。だからこそ、ワーキングマザーの私にその白羽の矢が立ったんでしょうね」
2006年8月に復職した高橋さんは、さっそく『短時間正社員制度』の作成に取りかかる。制度を作るというノウハウなどは何もなかったが、情報を収集し、まとめ上げた。ようやく今年2月には労働局への届け出も済み、あとはこの制度を全社にどう広報するかを思案中だとか。
「せっかく制度を作っても利用してもらわなければ意味がない。そこで、短時間正社員制度を社員へ浸透させるため、パンフレットや、グループウエアに掲載する資料を作成しています。まだ出産の予定がない社員でも、制度があることを認知してもらえれば、長く働き続けられるという希望が持てると思うんです」
実際、高橋さんもこの制度を利用しており、週3日の時短勤務で仕事と家庭を両立させている。子どもからある程度手が離れたら、またフルタイムに戻る予定なのだそう。「ワーキングマザーの働き方のロールモデルとして、今後もさまざまな制度を作っていきたい」と意気込みを語ってくれた。