眼鏡ショップの販売員からジュエリーの職域販売営業へ
「いつまでもフリーターじゃいけない。打ち込める仕事を早く探して自立しなくちゃ…」
松本香織さんは、そう決心して2005年3月にアルバイト先の眼鏡店を辞めた。社内での事務仕事より、人と接する販売や営業の仕事に魅力を感じていた松本さんは、宝飾系や化粧品など、自分が興味のある商品を扱う分野の接客業をターゲットに転職活動を開始。
3社から内定をもらい、そのうちの1社であった千葉県を基盤に宝飾品販売を展開するジュエルはまへの入社を決めた。松本さんは同社を選んだ理由をこう話す。
「面接の時にお会いした人たちや面接官の方の印象が、ほかの2社に比べてずば抜けて良かったんです(笑)。みんな笑顔が素敵で、とにかく話がしやすかった。この会社で働いてみたいという気持ちになったんです」
入社後は、宝石の基礎知識に始まり、接客マナーなど、新卒入社組と一緒に研修を受けた後、先輩営業に同行して顧客先を回りながら仕事を覚えていった。
同社の中でも大きなイベントである夏の展示会まで先輩の営業サポートに徹し、いよいよこの9月から営業スタッフとして独り立ちした。
同社の営業は、千葉県内の学校や市役所など公共団体を車で訪問する点に特色がある。
職員室や会議室の一角を借り、1~2時間の展示販売を行うのだ。これは、「職域販売」と呼ばれる営業スタイル。地域密着型で30年近い歴史を持つ同社は、千葉県内の公務員の間ではよく知られた存在で、信頼を得ている。
「私の母と同世代のお客様が多いんですよ。お客様と話が弾んだときが一番、仕事の楽しさを感じます。いろんな方と出会い、自分の世界が広がっていく感じがします」
展示販売を1日平均2カ所で行うほか、サイズを直した売約済み商品を納品するなど、1日平均8~10軒の客先を回るそうだ。
「展示販売を行ったり、納品に行かなければならないお客様先など、地図を見て効率良く回れるようスケジューリングしています。自分の担当地域が決まっても、最初は土地勘がなくて苦労しましたね。いまは少しずつ慣れて、もっともっと商品知識を身につけてお客様から信頼されるような営業になりたいと思っています」
会社のバックアップを受けて、来年にはジュエリーコーディネータ検定を受ける予定だという松本さん。彼女の成長はいま始まったばかりだ。