アートに興味を持つ人なら、まず知らない人のいない「モダンデザインの父」、ウイリアム・モリス(William Morris、1834~96年)。近代デザインの創始者とされるモリスは、芸術家、デザイナー、詩人でもあった才人で、生活と芸術を融合させるデザイン運動「アーツ・アンド・クラフツ」を英国で起こしました。その思想と活動は、世界のアーティストや工芸家に大きな影響を与え、20世紀のモダンデザインの源流にもなったともいわれます。彼の世界観や美意識を映すバッグが日本初登場となる「MORRIS & Co.」ブランドのバッグコレクションです。
多方面で精力的に活動し、それぞれの分野で大きな業績を挙げたモリスは自ら経営者となって「MORRIS & Co.(モリス商会)」を営みました。同商会からは壁紙、刺繍、テキスタイル、ステンドグラス、宝飾、家具など、様々な装飾作品が世に送り出されました。西川産業が日本で初めて発売するバッグは、モリスのデザインの正式な継承者として認められているサンダーソン社と提携して制作されています。
日本初お目見えとなるバッグは、春コレクションが2月に発売されます。モリスのアーカイブの中からアザミのモチーフを選び、大胆かつグラフイカルにデザインした「Thistle」と、西洋菊を繊細なトワル(西洋更紗)として表現した「Chrysanthemum Toile」の2種類がまず春コレクションとしてデビュー。レザーやキャンバス地のトートバック、ポーチなどが展開されます。
用意されたラインアップはレザートートバックの「MERTON」が4万4100円(価格は全て税込価格)、レザーハンドトートバッグの「BENSON」が1万290円から、トラベルトートバッグの「SCOTT」が1万2600円から、ランチトートバッグの「WANDLE」が8190円から、フラットトートバッグの「JEFFREY」が1890円から、ポーチ類が3990円から。
伊勢丹新宿店、ユナイテッドアローズなど、全国の百貨店やセレクトショップにて販売される予定です。2月からの発売に合わせて、3月14~20日には伊勢丹新宿店3階で販売イベントも開催されます。
手仕事の価値を重んじ、自然の美を愛したモリスの芸術哲学は、現代をはるかに先取りしていたとも言えるでしょう。職人意識の尊重、アートと日常の共存、ボタニカルモチーフへの愛着などはあらためて再評価を受けています。モリスの高い精神性をまとったバッグは、アートを持ち歩くよろこびまで感じさせてくれそうです。
「MORRIS & Co.」Bag Collection
2012年3月14日(水)~20日(火)
伊勢丹新宿店で販売イベント開催!
(問い合わせ先)
MORRIS & Co.(西川産業)
TEL:03-3664-3962
URL:
www.nishikawasangyo.co.jp
BENSON(ベンソン) レザーハンドトートバッグ
SCOTT(スコット) トラベルトートバッグ
ポーチ類
ファッションジャーナリスト。複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤー、プレスも経験。ファッション業界の現場経験を生かして、最新コレクションやトレンド情報を多彩なメディアで発信している。
「買う側・着る側の気持ちが分かる」という消費者目線で、世の中の流れ・今を発信する、リアリティを感じさせる解説に定評がある。
宮田理江 公式ブログ :「fashion bible」