世界最高レベルのファッション校「アントワープ王立芸術アカデミー」を抱え、ドリス・ヴァン・ノッテン氏やアン・ドゥムルメステール氏たちを輩出したファッション大国、ベルギー。そのモード首都、アントワープ市生まれのバッグブランド「Kipling(キプリング)」と、1990年代を代表するスーパーモデルの1人、HELENA CHRISTENSEN(ヘレナ・クリステンセン)氏とのコラボレーションが実現し、 カプセルコレクションが9月に全世界同時に発売されます。
今回のカプセルコレクションは、ヘレナの暮らしの中の小さな出来事からインスパイア。現在は写真家でもある彼女自らが撮影したお気に入りの写真をプリントした「ローズトートバッグ」も用意されました。ヴィンテージテイストのダスキーピンクの陰影が彼女ならではのセンスを感じさせます。
デザイン性と機能性を兼ね備えたカジュアルバッグとして有名な「Kipling」は1987年にスタート。2012年に創業25周年を迎えました。独特のシワ加工を施したクリンクルナイロンは軽く、撥水性も高いことで知られています。ブランド名の由来はノーベル賞作家のラドヤード・キプリング氏(1865~1936年)。彼の代表作である小説『ジャングルブック』に登場するモンキーがイメージシンボルになっています。「Kipling」というブランド名に、モンキーの長いしっぽがからんでいるロゴでもおなじみです。
Basicラインではエキゾチックな秋冬のカラーパレットに加え、都会的なスネークプリントが用意されました。よりスタイリッシュに仕上げた「Kipling Mixte」ラインは、アニマルテクスチャーがミックスされたナイロンと上品なバックルが目を惹きます。シーンを選ばないデザインです。「Versatile(万能な)」「Irresistible(非常に魅力的な)」「Valuable(価値の高い)」「Yours(あなた)」の頭文字をとった「Vivy」ラインはフォーマルスタイルにも、ドレスアップシーンにも合う格上の品格が薫ります。
「ノースフェイス」や「バンズ」「イーストパック」「ティンバーランド」などのブランドを保有する、米国のスポーツアパレル総合企業、VFコーポレーションの傘下に「Kipling」も属しています。現在67カ国・地域、260店以上の直営店を展開。日本でも2001年から本格的に展開を始め、ファンを増やし続けています。2013年秋には表参道と横浜に“New Concept Shop”のオープンも予定されています。
ファッションジャーナリスト。複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤー、プレスも経験。ファッション業界の現場経験を生かして、最新コレクションやトレンド情報を多彩なメディアで発信している。
「買う側・着る側の気持ちが分かる」という消費者目線で、世の中の流れ・今を発信する、リアリティを感じさせる解説に定評がある。
宮田理江 公式ブログ :「fashion bible」