「とにかく利用者さんと接する時間が好き。だから現場にいたいと思ったんです」
そう語るのは、デンタルサポートでサービス提供責任者として活躍する赤池敏江さんだ。福祉関連の専門学校を卒業後、介護職としてのキャリアを着実に積んできた彼女だが、サービス提供責任者という立場に挑戦することには葛藤があったという。
「専門学校を卒業してすぐ介護の現場で働いた場合、23歳で一人前になるといわれています。その後、サービス提供責任者、ケアマネージャーへとキャリアップしていく人が大半なんです。私の友人たちもサービス提供責任者へとキャリアアップしていきました。しかし、責任者という以上、ヘルパーさんたちをまとめる存在にならなくてはいけませんよね。自分にできるのかという不安と現場でやっていきたいという想いから、挑戦すべきか否かで悩んでいたんです」
しかし、出産を機に仕事を離れ、パートタイマーとして介護職に復帰して以来「何かを変えたい」という気持ちが大きくなっていた赤池さんは転職を考えるようになる。サービス提供責任者への挑戦を決めたのは「これからも介護の仕事で頑張りたい」という気持ちが明確になったことがきっかけだった。
「転職を考えたとき、実は介護以外の仕事も検討してみました。他の仕事にも目を向けたことで、“自分に本当に合っている仕事は介護なんだ”と実感したんですよね。だったら、自分を変えるスキルアップの一歩として、サービス提供責任者になってみようと思ったんです」
デンタルサポートに入社しサービス提供責任者として働き始めてから、赤池さんがもっとも大事にしていること。それは「現場の意見を聞く」ことだ。
「この仕事はやはり現場がメイン。だからこそ、現場から上がってくる意見は大切にしたいと思っているんです。責任者だからといって上から目線で発言するのではなく、ヘルパーさんたちと一緒に良い環境を作っていきたいんですよね」
そのために、話しやすい雰囲気を作るよう常に心がけている赤池さん。仕事の相談を受けることも多くなってきたという。
「普段から、コミュニケーションをとるようにしてきた結果だと思います。仕事の話だけでなく、日常会話もしていることで打ち解けやすくなっているのかもしれませんね。仕事面では、気になる利用者さんへの提供前に声を掛けてもらったり、提供後に様子を報告してもらったり。マメに連絡をとっているんです」
真剣に取り組んでいるからこそ、一緒に働く人たちに注意をしなければいけないこともある。注意をすることで、自分が辛い気持ちになることもあったが、想いや考えをしっかり伝えることで信頼関係も築くことができた。
「注意しながら、自分で泣いてしまったこともあります。でも、真剣に伝えることで分かってもらうことができた。サービス提供責任者は現場に近い立場で、理想の環境づくりをしていける仕事。これからもこの立場で仕事を頑張っていきたいと思っています」