1991年、深刻な人材不足を打開するために設立!
記念すべき第1回に訪れたのは、東京都福祉人材センター。
東京都社会福祉協議会が運営する同センターは、福祉関連の仕事紹介をはじめ、福祉業界合同採用試験や地域に根付いた面接会の開催、能力開発講座の実施など、福祉業界を活性化させるための様々な取り組みを行っている。
同センターが設立されたのはバブル景気真っ只中の1991年11月。景気の良い産業に人が集まる中、福祉業界は深刻な人材不足に頭を悩ませていた。
そんな状況を打破するために作られたのが、東京都福祉人材センターだ。
社会福祉法人東京都社会福祉協議会
東京都福祉人材センター 人材情報室室長
中村孝一さん
福祉の仕事の魅力を伝えたい――
その想いが様々な対策を作り出す
東京都福祉人材センターで現在行っている取り組みについて、人材情報室長を担う中村孝一さんはこう語る。
「当センターでは通常行っている福祉業界の仕事の紹介斡旋のほかにも、様々な事業を展開しています。たとえば、介護有資格者専用の相談窓口を設置。これは、資格を持っている人が相談に来やすい環境を作りたいと考え始めた取り組みです。また、資格は持っているけれど介護の仕事に就いていない“潜在有資格者”の方に向けた『能力開発講座』も開講しています。資格取得以降、介護の世界から離れてしまっていた方がスムーズに就職できるよう、最新の介護技術や知識の演習や実習を行っています。
最近好評だったのは、『福祉業界の合同採用試験』。これは、当センターが初めて行う取り組みで、東京都社会福祉協議会が定めた一定の条件をクリアしている事業所と小論文と適性検査の一次試験にクリアした求職者の方とのマッチングを行うもの。面接対策などを行う就職支援セミナーなども頻繁に開催していますよ。どのサービスも無料でご利用いただけます」
数年前に比べると、福祉業界に興味を持つ人も増えているという中村さん。現在の課題は、福祉に興味を持った人をどのように定着させていくかだという。そのために企画しているのが、地域に密着型の合同面接会や福祉業界内での人事交流だ。
「福祉業界は地域密着型の仕事だと、私たちは思っています。ですから、地元で働きたいと考えている方にとって嬉しいサービスができたらと考えているんです。地道な作業ですが、都内の様々な場所で小さな面接会をコツコツ行っていきたいなと。
一時のマスコミ報道の影響もあり、“福祉の仕事=辛い仕事”というイメージを持っている方も少なくありません。興味はあるけれど、自分にはムリだと思ってしまう人も多いんです。確かに、福祉の仕事には大変な事もあります。例えば、老人ホーム。いろいろな事情を抱えて入所される方が多いため、一生懸命接してもなかなか信頼関係が築けないということが多々あるんです。しかし、挨拶をしてもプイッと横を向いてしまっていた方が、次第に目を見て『ありがとう』と言ってくれるようになる。その嬉しさは、他の仕事ではなかなか味わえないものではないでしょうか?私は、こんな場面に遭遇できることこそが、この仕事ならではのやりがいであり、魅力なんだと思うんです。それをより多くの方に知ってもらい、福祉業界で働きたいと感じてもらうことが私たちの役割なんですよね」
『優しい接し方セミナー』で“聴く力”を身につける!
取材に伺った当日、東京都福祉人材センターで行われていたのは、介護業界に興味のある方を対象にした就職支援セミナー。『優しい接し方セミナー』というセミナー名に惹かれ、編集部もお邪魔してきました。
自己紹介とちょっとしたゲームで打ち解けた後、「コミュニケーションとは何か」という基本を講師の下條先生が伝授。その後、2人組になってワークショップを行いました。
話し手と聞き手に分かれて会話をしていくのですが、聞き手が相手の目をまったく見ず、相槌さえ打たない場合と、しっかり目を見て相槌を打つ場合では、会話の盛り上がり方が全然違う!実際に体験してみることで、“聴く”ということの大切さを再確認することができました。
そして何よりも驚いたのは、参加者の方々の表情が参加前と後で全く違うこと。実生活にも役立つ内容で皆さん大満足だったようです。
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