社団法人 日本介護福祉士会
会長 石橋 真二さん
介護福祉士のキャリアアップに注力!
今回の訪問先は「介護福祉士」資格の社会的評価・価値を高めるために様々な取り組みを行っている日本介護福祉士会。介護福祉士資格取得者の大半が入会するという同会の会員は現在4万人以上。スキルアップ研修の実施をはじめ、労働環境改善のため国家への提言することはもちろん、介護業界全体のイメージアップに関する施策などその取り組みは多岐にわたる。
「現在は『介護福祉士のキャリア構築』に力を入れている」と語るのは同会の会長である石橋真二さん。
「介護福祉士の方々に専門性を高めてもらうため『生涯研修制度』というものを作りました。介護福祉士になったばかりの人たち向けの初任者研修をはじめ、特化していきたい分野ごとに専門的な研修を用意。キャリアステップを明確にすることで、現場の人が目指す道を作りたいと考えているんです」
より働きやすい環境のために――
現場の声を吸い上げ公的機関に提言を行う
描けるキャリアとして現在あげられているのは、施設長を担う「管理介護福祉士」、研修会の講師などを行う「研究介護福祉士」、そして認知症介護など専門分野に特化して仕事を行っていく「専門介護福祉士」。現場で経験を積んだ後の働き方を知ることで介護職に付きたいと考える人たちも増えるのではないかと考えているという。
「また、介護業界の労働条件改善のために、公的機関に提言を行うのも私たちの大切な仕事です。現場からあがってきた意見を吸い上げ、国の社会保障審議会分科会や地方自治体などにその要望を伝えているんです。例えば、先日行われた介護報酬の改定にあたり、できるだけ現場職員の人たちの賃金に反映するような介護報酬体系を作って欲しいと要望を出しました。結果3%上がりましたが、今後それが定着していくかはまだ判らない。上がったから終わりというのではなく、しっかり検証していきたいと思っています」
そのほか、介護業界全体のイメージアップのために国へ働きかけ、11月11日を『介護の日』に制定するなど同会の活動は幅広い。
「一時のマスコミ報道により、介護業界の悪い面ばかりが強調されていますが、当然介護業界には良い面もたくさんあります。その介護の実態と魅力をしっかりと伝えていくことも私たちの役割だと思っています。今後は各都道府県と一緒になってイメージアップを行っていきたいですね」
全国各地から人が集まる全国大会!
設立以来、毎年行われている全国大会。約1000人の介護福祉士が全国から集まり、毎年決められたテーマで議論を交わす。
2009年度の全国大会は12月4日(金)~5日(土)まで大阪で行われる。
テーマは「好きやねん介護福祉士」~創る力!変える力!活きる力!未来への希望を信じて~。
介護報酬改定で賃金改善などが行われるという良いニュースを聞くことができた2009年だが、この結果に甘んじず、高齢者の方や障害者の方、そして全ての国民が安心して生活できる環境を整えるために、自信と責任を持って働こうという想いが込められている。
介護福祉士同士のコミュニケーションの場になると好評の研修会だけに、今年も期待が高まる。