株式会社 七夢
代表取締役 山本 康永さん
介護職に見合った待遇をしっかりと確保
「介護業界のイメージをガラリと変えたいんです」
そう語るのは訪問介護業を行う株式会社七夢の山本康永さん。大手外資系自動車メーカーのトップセールスマンを経て、昨年1月に起業した山本さんは介護職の地位向上のために、さまざまな取り組みを行っている1人だ。
「介護職の印象は“賃金が安い”、“大変そう”などといったネガティブなものが強い。しかし、介護職は専門性の高い素晴らしい仕事です。ですから、当社の社員にはそれに見合った待遇を確保したいと思っているんです」
たとえば、社員に少しでも多くの給与を支払うために、社長のお給料は社員以下に設定。必要最低限の生活費を除いて、売上は全て社員へと還元している。
介護業界のイメージを変えたい!
そのために、様々な取り組みを実施
「会社はヘルパーさんが働いてくれたお金で成り立っています。だからこそ、社員を何よりも大事にしたい。そのためには賃金面だけでなく、社員の向き不向きも理解した上で仕事を任せるなど、楽しみながら働いてもらえるシステムを考えなくてはいけません。今は小規模な組織のためなかなか思い通りにはいきませんが、徐々にそれらの仕組みを確立していきたいと思っています」
また、介護職を明るく楽しいものだとイメージ付けするために、ユニフォームにもこだわっている。利用者のもとへ行くときは保育園の先生が着ているようなかわいらしいクマのイラストが入ったTシャツやジャンパーを着用するのだ。
「訪問介護は、利用者様のお宅にお邪魔して介護を行います。初対面の人を家にあげるのは勇気のいる行為。暗くて静かな人をあげるより、明るくて元気な人の方が安心できますよね。この温かみのあるイラストが入ったユニフォームを着用することで少しでも緊張をほぐしてくれたら嬉しいなと思うんです」
起業をしてからというもの、「毎日が変化の連続で楽しい」と語る山本さん。今後の目標は会社を大きくし、介護業界に影響を与えることだと語る。
「自動車メーカーから転身し、年収は1/5になりました。普通だったら、こんな決断はなかなかできないと思います。けれど、介護は今後絶対に欠かすことのできない貴重な仕事です。そんな価値ある業界をより働きやすく変えていくことの方が、今の自分にはお金よりもよっぽど魅力的なことなんですよね」
利用者のためを想い
枠にとらわれないサービスを展開
メインで行っているサービスは訪問介護。明るく元気なヘルパーが要介護者の居宅を訪問し、介護や日常生活上の世話を行っている。
ヘルパーは主婦をはじめ75歳の女性まで本当に様々。それぞれが自分のペースに合わせて働いている。
最近開始した新たなサービスは、無料の介護相談。介護保険などの知識が全くない1人暮らしの高齢者などが、気軽に話を聞きに来れる場所を作りたいという想いからはじめた試みだ。
近所にビラなどを配ったところ好評で、相談者の数も増えているという。
今後も枠にとらわれないサービスを展開したいというファミリーケア七夢。今後の取り組みが楽しみだ。