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AUG/2014

“ヨコから目線”がカギ? 女性リーダーを悩ませる「男性の年上部下」のトリセツ

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タイプ別“年上部下”の取り扱い説明書
20代後半にもなれば、そろそろプロジェクトのリーダーやチームマネジメントを任される機会も出てくるだろう。若くしてマネジメントを任される立場になると、年上の部下も出てくるもので、どう付き合えばいいのかと戸惑うケースは少なくない。「言うべきことはちゃんと言わないと!」と思う反面、「年上だからこそ、接し方が難しい……」と悩みを抱えてしまいがち。そこで、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』の著者であり、人材育成支援の株式会社FeelWorks代表として活躍する前川孝雄さんに、年上部下と上手に付き合う方法についてお話を伺った。

年上部下に悩む管理職が急増中!
女性は年齢・性別のW逆転でより難しい

年上の部下とうまくつきあう9つのルール
年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(著者:前川孝雄/ダイヤモンド社) 「昨日の上司は今日の部下」、そんな状況が当たり前になってきているものの、年若い管理職も年上の部下も、お互いにやりにくいもの。そのやりにくさを解消するのに有効なのが、つきあい方や対処法を「ルール化」しておくこと。そのルール化の方法と、年上部下との関係をうまく構築するためのコツを人材育成のプロが教える

自分よりも年齢もキャリアも上の部下ができてしまった――。最近、そんな「年上部下に関する悩み」を抱える人が増えていると前川さんは話す。

「あるグローバルメーカーの管理職研修では、参加者の9割が年上部下の悩みを抱えていました。日本は儒教の影響が強いので、年上を敬う慣習が染み付いています。そのため、上司・部下における年齢の逆転は非常に難しい問題です」

特に女性が男性の年上部下をマネジメントするケースは深刻だという。

「男性は組織における“タテ”のヒエラルキーに非常に敏感なため、年齢の逆転に過敏に反応します。さらにかつての日本は男性上司が部下の評価と昇進を決める男性社会でしたが、国を挙げて女性活用を推進するムーブメントが到来した今、女性を積極的に管理職登用する状況が初めて訪れました。つまり女性が男性の年上部下を持つ場合、相手が年上であるだけでもマネジメントが難しいのに、さらに男女逆転というやりにくさを乗り越えなければならないのです」

年上部下をマネジメントするコツは
“ヨコから目線”で頼ること

それでは、女性が年上部下をマネジメントする場合、一体どんなところに気を付ければいいのだろう? 前川さんによると「まずは“上司の定義”を変えていくことが重要」なのだとか。

「上司というと、『人間的に、部下よりも上でなくてはならない』と考えがちですが、あくまで役割としてとらえることが大事です。上司とて強みも弱みもある一人の人間です。多様な人材のモチベーションを高め、それぞれに役割を与えて活躍させることが上司の仕事だと考えましょう」

その上で大切なのが「“ヨコから目線”で頼ること」だ。

「旧来の男性社会のような“上から目線の上司”ではなく、“ヨコから目線”、場合によっては“下から目線”を大切にし、年上部下に頼ることがポイントです。そもそも女性はヨコのつながりを重視する性質があるので、相手を尊重した上でお願いすることは得意なはず。上司としての力みを取っ払ってしまう方がうまくいきますよ」

とはいえ、それでも接し方が難しい年上部下も存在する。前川さんに扱いが難しい、クセのある年上部下の攻略法を教えてもらった。

パターン1
とにかくプライドが高い

昇進志向が強く、「自分はできる人間だ」という自己評価が高いため、年下の上司の元で働くことに対して不満を抱えてしまいがち。指示したことに対して反発することも多い。

「まずは『思っていることを全部聴きます』と本音で向き合い、全てを吐き出させることです。ひたすら聴き続ければ、やがて不満の種も尽き、自分自身の問題に目を向けるようになる。そこで、『じゃあ、そこをどうしましょうか』と水を向け、課題を提示しましょう。女性は傾聴力が高いですから、きっと上手くできると思いますよ」

本人の強みを生かすような役割を共に探し、「~~をお願いしてもいいですか」という“下から目線”で接していけば、意気を感じてガンガン暴れてくれるのがこのタイプ。

「ただし、昇進志向が強いために、他のメンバーに対してマネージャーのように振る舞おうとする傾向があります。最初の時点で『あなたにはプレイヤーとしてのこういう活躍を期待している』と伝え、メンバーであることをしっかり認識させましょう」

パターン2
全然やる気がない

指示を聞き流す、典型的な働かない人。出世できるかどうかが見えてしまった40代半ば以上の世代に散見され、「自分はもうダメなんだ」と諦めてしまっていることが多い。

「会社に認められず、自己評価も低いまま来てしまったタイプです。20代のころは年上の上司から、30代では同期の上司から、そして40代になって年下の上司から、ずっと同じような指摘を受け続けています。特に真面目な女性は“正しさ”を追求し、正論で追いつめてしまいがちですが、逆効果になるので注意して。克服すべき課題や弱点を指摘したところで、『返事はしても、心では聞いていない』状態になっていることが多いのです」

とにかく自己信頼が低いので、「まずは認めることが肝心」と前川さん。

「本人のキャリアや人生について、『どんな場面で張り合いを感じるのか』を聞き、そこに関心を寄せ、認めてあげるところからスタートしましょう。認められたと感じることで、自己信頼が芽生えてきたら、生かせる能力や役割を一緒に見つけていけるはずです。信頼関係を築くのに半年~1年は掛かるので、長期戦と覚悟して向き合いましょう」

難しい年上部下のマネジメントだが、うまくできればチームの他のメンバーのモチベーションをアップにもつながる。

「一生懸命頑張っている上司の姿をメンバーは見ています。『あの人は、年上の部下にもしっかり向き合っている。だったら自分のこともちゃんと見てくれるはず』と思ってもらえますよ。逆に、放置してしまうと、『さぼってもいいんだ』『反発してもいいんだ』と、年上部下の悪い影響がチーム全体に感染してしまうリスクがあるので要注意です」

メンバー全員を適材適所で活躍させることができれば、自分自身も一人ではできないような、チーム全体で取り組む大きな仕事を経験しながら、リーダーとして飛躍していくことができる。

今はちょうど女性の働き方が変わりつつある過渡期。共感力や表現力、忍耐強さといった、一般に「女性的」といわれる資質を重視した“女神的リーダーシップ”という言葉が生まれるなど、女性のならではのリーダーシップに注目が集まっている。“新しい上司像”を作っていく世代として、女性の強みを活かしたマネジメントを目指していこう。

 前川孝雄さん

株式会社FeelWorks 代表取締役/青山学院大学兼任講師
前川孝雄さん

株式会社リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て、日本型ダイバーシティ・コミュニケーションの専門家集団である株式会社FeelWorks設立。多様な部下を育て活かす「上司力研修」は大手企業を中心に100社以上で導入され、若手育成の「ドラマで学ぶ『働く人のルール』講座」も開講。人が育つ現場を創る社内報も手掛ける。青山学院大学ではフィールドワークを通じて働く意味を教えている。主な著書に『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』『女性の部下の活かし方』『はじめての上司道』など
ホームページ:http://www.feelworks.jp/
ブログ:「前川孝雄のはたらく論」

取材・文/上野真理子

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