06
OCT/2014

転職を繰り返す人を採用したくない3つの理由

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転職

9月28日付で日本版ハフィントン・ポストに経営者の安達裕哉さんが『「転職回数多すぎ」に思う。』という記事を書いていらっしゃいます。

記事の内容は「途中入社した人は出世できないのは日本だけ」「転職回数と実際のスキルは無関係」「日本社会は生え抜きが好きなので転職の多い人は好まれない」というもので、私には全体的に転職を繰り返しても問題ない、という論旨に読めました。

しかし経営者としてこれまで数百人の方々と面接し採用してきた経験からいうと、2~3年以下という短い年数で何度も転職を繰り返す人を採用することはごくまれです。また、多くの経営者は同様の感覚を共有しているのではないかと思います。ここでは雇用者の立場からその理由を書いてみたいと思います。

理由1:会社の方針や組織に対して批判的。

どの会社にも独自の組織や風土、文化というものがあります。特に中小企業ではトップのカラーが組織に強く反映されるため、会社を変われば外国に行ったのと変わらないくらいの企業風土の違いを経験することもあるでしょう。転職回数が多い人は一般的に「前の会社ではこうだった」という主張をしたり、「この会社のこういうところがおかしい」と批判したりする人が多い傾向にあるように見受けられます。

意見や批判がよい方向に建設的に働いてくれるのであれば大歓迎なのですが、往々にしてただの不平不満に終始してしまいます。こんな不平不満が耳に入ってくるのは。経営者としては決して気分のよいものではありませんし、他の社員へ悪影響も心配にもなります。

理由2:会社のことや待遇をよく知らずに入社してしまう。

転職を繰り返す人に多いのが、入社してから「こんな会社だとは思わなかった」「最初に聞いていた額の給料をもらえなかった」「上司と合わず自分のしたい仕事ができなかった」などの欠点に気がつくというパターンです。これが上記の会社批判にもつながってくるのですが、こういう話になると「どうして面接のときにもっときちんと聞かなかったのですか?」と思ってしまいます。そして実際に聞いてみると「面接のときにはわからなかった」という答えがほとんどです。

最も気になるのは、こういう人に限って私と面接しているときに「自分はこういうことをしてきました」「こういうことができます」と自分自身についてはいろいろ話してくれるのですが、実際にこちらがどういう会社で、どんな経営理念や文化風土があるのか、仕事をするにあたって何を大切にしているのか、昇給や賞与はどのような仕組になっていて具体的にどのような状況なのか、会社の経営状態はどうか等々、とても大切なことをほとんど聞いてこないという点です。

よほどどんな環境にもどんな労働条件でも適応できる、という自信があれば別ですが、そうでないのでしたら面接という絶好の機会に、もっともっと自分が就職しようと考えている会社のことを知る努力をする必要があるのではないでしょうか?

理由3:自分の仕事の市場価値を把握していない。

何度も転職を繰り返す人と希望給与の話をするとよく言われるのが、「前の会社でこのくらいだったからこのくらいはほしい」というものです。お役所や公益団体ならいざ知らず、営利企業であれば必ず経営者は費用対効果を考えます。

新卒は何もできなくて当たり前ですから教育から始めなければなりませんが、中途採用の人材に経営者が求めるのは即戦力です。その場合、「いくらほしい」のではなく「これまでの経験から自分は何がどのくらいでき、その結果いくら稼げます。ですからこのくらいの額を報酬としてもらいたい」ということをはっきり要求できるくらいのコスト意識をもってほしいと思います。

短期間で転職を繰り返す人の場合、ある程度の業務がこなせるようになったところで転職していることが多いため、このように仕事上の実績と自分の貢献度が会社全体の中で把握できる段階に至っていないことがよくあるように感じます。

面接はお見合いの場、相手のことをもっと知る努力を。

とはいえ、転職回数の多い人とはまったく面接をしないわけでもありませんし、実力はあるのに自分ではどうにもならない不運が重なって転職せざるをえなかった、という人がいることも事実です。

私は就職は結婚と同じ、面接はお見合いと同じ、と日頃からみなさんに言っているのですが、お互いに都合のいい幻想だけ抱いて結婚したら悲惨な結末を迎えるように、就職する前にしっかりと相手を理解するのは重要です。面接はそのための絶好の機会なのですから、この機会をじゅうぶんに利用してほしいと思います。

それでももし就職後、やはり自分の考えていたのと違っていた、ということに気づいたのであれば、できれば2週間以内、長くても3か月以内に辞職することをお薦めします。そうすれば転職を繰り返す人という評価にはなりにくいですし(2週間は労働基準法で認められた試用期間、3か月は通常「仕事や会社が合わなかった」で通せるレベルです)、会社も次の人材探しにすぐにかかれます。お互いに痛みが少なくてすむのです。

文/経営者・後藤百合子
※2014年10月に取材・執筆された記事を原文ママ転載しております。

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 後藤百合子さん

著者プロフィール
後藤百合子

早稲田大学卒業後、公益法人、マーケテイング会社を経て独立。マーケティングリサーチ、翻訳、広告制作・販促プランニング、書籍編集等を行う。1994年香港にわたり、日系商社に入社。営業・生産管理業務に従事。1998年後藤製紐株式会社入社。2000年代表取締役就任。同年中国工場を中国浙江省に設立。2009年東京営業所開設。2010年シンガポールに移住。2012年現地法人(Cordon Singapore Pte. Ltd.)設立、日本の若手デザイナーの製品をシンガポールを始め香港、マレーシアなどアジア市場に紹介・販売するディストリビュータ業を開始。

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