共感力が高すぎて疲れてしまう…長所なはずの「才能」を強みに変える4つのステップ【ジコリカイCEO阿部和也】

共感力が高すぎて疲れてしまう…長所なはずの「才能」を強みに変える4つのステップ【ジコリカイCEO阿部和也】

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今回寄せられたのは、「長所であるはずの“共感力の高さ”を強みとして活かせない」という女性のお悩み。

人の気持ちに寄り添えるのは自分の強みであるはずなのに、相手の感情に引きずられて疲弊したり、頼まれごとを断れずに抱え込んでしまったり……。

そこで今回答えてくれたのは、「自己理解」のメソッドでキャリア支援を行う株式会社ジコリカイ取締役CEOの阿部和也さん。

“共感疲れ”を抜け出し、その才能をすり減らさずに強みとして輝かせるための具体的な方法を教えてもらいました。

株式会社ジコリカイ<br />
取締役CEO 阿部和也さん

株式会社ジコリカイ
取締役CEO 阿部和也さん

早稲田大学政治経済学部卒業後、ユニリーバ・ジャパンで営業・営業企画に従事。マースジャパンでファイナンス職を経験後、人の成長に関心を持ちグロービスへ転職。その経験を経て再びマースで事業推進に従事。転職後のミスマッチと子どもの誕生を機に、自己理解の重要性を実感。株式会社ジコリカイとビジョンが重なり2023年に入社、25年より取締役CEOに就任。「自己理解が当たり前の社会」の実現を目指す。

お悩み:「聞き上手」で、自分をすり減らしてしまう……強みとして活かすには?

28歳/人材コーディネーター/転職経験なし

周囲から、「聞き上手」「共感力が高いね」と言われることが多く、それが自分の長所だと思っていました。

しかし、お客さまや同僚のネガティブな感情に引きずられて仕事後にどっと疲れたり、頼まれると断れずに仕事を抱え込んだりしてしまいます。

この特性を、自分をすり減らさずに強みとして活かす方法はありますか?

才能には、光と影の両面がある

まず、「共感力が高い」と言われるのは大きな才能です。

人の気持ちを受け止め、寄り添うことは信頼関係を築く上でかけがえのない力です。しかし同時に、この力は“表裏一体”。

過剰に働くと「相手の感情に引きずられる」「断れずに抱え込みすぎる」といった短所として表れることがあります。

大切なのは、この二面性を理解したうえで、「どうすれば長所として活かせるのか」「短所として出るときにどう対処するのか」を意識することです。

共感力はなくそうとするものではなく、条件次第で輝く宝石のような才能

だからこそ、自分の中で「どういうときに共感力がプラスに働いているのか」「どういう場面で疲弊しやすいのか」を言語化しておくことが必要です。

共感力が短所として表れるとき、それは「才能が強すぎるがゆえのサイン」です。つまり何かが欠けているのではなく、強みの使い方が整っていないだけなのです。

だからこそ共感力を否定する必要はまったくありません。むしろ、自分の大切な才能として認め、「どうすれば健やかに活かせるか」を工夫していくことが、キャリアにも日常生活にも良い循環をもたらしてくれます。

才能には、光と影の両面がある

才能をすり減らさずに活かす、4つのステップ

では実際に、才能の使い方を整えるための具体的な4つのステップを一緒に見ていきましょう。

ステップ1:長所として発揮されるときの条件を見つける

まずは、共感力が「長所として働いていたとき」の共通点を探してみましょう。ご自身の過去の成功体験や充実していた体験から見つけることがおすすめです。例えば、

● 相手が明確なニーズを持っていたとき
● 1対1で落ち着いて話せる環境があったとき
● 自分自身に時間や心の余裕があるとき
● 相手の話の内容が、自分の価値観や興味と重なっていたとき

こうした条件を整理しておくことで、「自分はこういう場面なら共感力を心地よく発揮できる」と自覚でき、自信を持って才能を活かせるようになります。

ステップ2:短所として表れるときの兆候をつかむ

次に、共感力が「疲れやすさ」や「抱え込み」として現れやすいときのパターンも把握しておきましょう。

● ネガティブな話を長時間聞き続けてしまうとき
● 頼まれると断れず、キャパを超えて抱え込んでしまうとき
● 相手の感情を自分ごとのように引き受けてしまうとき

こうした兆候を自分で認識できるようになると、「ここから先は少し危険かも」と一歩手前でブレーキをかけられるようになります。

ステップ3:短所づかいの対処法を準備する

短所として表れるときに備えて、あらかじめ具体的な対処法を用意しておくと安心です。以下の3つの観点で考えると整理しやすいです。

他の強みで対処する
例:分析力を使って「事実」と「感情」を分けて整理する。
人に頼る
例:信頼できる同僚や友人に相談を共有し、感情を抱え込まない。
仕組みをつくる
例:相談を受ける時間を区切る/範囲を明確にしておく。

これらを準備しておけば、「共感力が自分をすり減らす前にコントロールできる」という安心感を持ちながら才能を使えるようになります。

ステップ4:才能を肯定し、愛する

何より大切なのは、「共感力を持っている自分」を否定せずに受け入れることです。

自分を疲れさせた経験ばかりに目を向けると、「共感力は弱点だ」と思ってしまいます。しかし、過去を振り返れば「共感力があったからこそ信頼を得られた」「人との関係がスムーズになった」という成功体験も必ずあるはずです。

そのときの状況や感情を思い出し、「私はこういうときに共感力を強みにできるんだ」と認めてあげましょう。才能を愛し、前向きに受け入れることができたとき、共感力はあなたのキャリアを支える大切な柱になっていきます。

才能をすり減らさずに活かす、4つのステップ

迷いは、才能を育てるプロセスの一部

共感力が高いあなたは、すでに大きな才能を持っています。ただ、その才能には光の面と影の面があり、時にあなたを疲れさせてしまうこともあります。

でもそれは「欠点」ではなく「強みが強く出すぎただけ」。だから、安心してください。

これから大切なのは、共感力を長所として発揮できる条件を見つけて言葉にすること。そして、短所として表れやすいときに備えて対処法を持っておくことです。

その準備があるだけで「自分は大丈夫」と心が軽くなり、安心して人に寄り添えるようになります。

そして何より、共感力はあなたの魅力そのもの

人の気持ちを理解し、受け止められる人はそう多くありません。その力があるからこそ、人から信頼され、感謝される瞬間を数多く経験してきたはずです。だから「共感力がある自分」を責めるのではなく、ぜひ誇りに思ってください。

迷いや不安を感じる今こそが、才能を本当の意味で自分のものにしていくチャンスです。

少しずつ工夫を重ねながら「共感力をすり減らさずに活かす自分」を育てていきましょう。

迷いは、才能を育てるプロセスの一部

自分一人で頑張りすぎないために

ここまでのステップを実践するだけでも、共感力の使い方は大きく変わっていきます。ただし実際には、自分一人でパターンを整理し、対処法まで整えるのは簡単ではありません。

なぜなら、自分の思考や感情のクセは、自分では気付きにくい部分が多いからです。

だからこそ、伴走してくれる存在がいると、自分では見落としていた“使い方の傾向”や“対処の工夫”が見えてきます。

コーチとの対話を通じて、「共感力が活きる条件」や「疲弊しないための工夫」を言語化し、日常で自然に活かせる状態に近づいていくのです。

もし一人で整理の限界を感じたときは、ぜひ私たちの自己理解プログラムも検討してみてください。まずは無料相談から、お気軽にお話しできます。

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