

第25回
ジェンダーギャップ感じてる?
職場の男女格差について聞いてみました。
2021.05.18
アンケート実施期間/2021年4月1日~4月14日 有効回答数/868名 調査方法/女の転職type会員に対してWeb上で調査
今回の調査でわかったこと
●職場でジェンダーギャップを感じている女性は約半数。
●約4割の女性が「女性であること」が理由で「お茶出し・掃除など」を経験。
●ジェンダーギャップ解消のために必要なのは「社長(経営層)の意識が変わること」が1位。
2021年3月31日に発表された「ジェンダーギャップ指数2021」によると、日本は世界156カ国中120位となりました(前年121位)。主要7カ国(G7)では引き続き最下位で、経済と政治の分野のスコアが著しく低く、2分野が共に100位以下となっています。
そこで今回は職場のリアルなジェンダーギャップ(男女格差)についてアンケートを実施。その結果、52.4%の女性が実際にジェンダーギャップを感じていることがわかりました。このギャップは年代が上がるごとに上昇しており、40代は4人に1人「非常にある」と感じています。
また、「女性であることが理由」で、38.2%の女性が「お茶出し・掃除などを任される」経験をしており、36.5%が「給料が低い」と感じています。このようなギャップを解消するために必要だと思うことは、「社長(経営層)の意識が変わること」が1位で、約6割の女性がトップの意識が変わる必要性を感じていることがわかりました。
Q.1今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)はある?

「非常にあると思う」18.8%、「ややあると思う」33.6%と、ジェンダーギャップが「ある派」は52.4%。一方で「ない派」は「あまりないと思う」30.1%、「ほぼないと思う」17.5%で47.6%となり、「ある派」の方がやや多い結果となりました。

年代別に見てみると、ジェンダーギャップが「ある派」は、年代が上がるごとに上昇することがわかります。とくに40代は、4人に1人が「非常にある」と感じており、格差を強く感じていることがわかります。
Q.2ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことある?

ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがあるかどうかを尋ねたところ、「ない」が73.5%と多数派でした。Q.1でジェンダーギャップを感じたことが「ある派」は52.5%と約半数だったのに対し、それが理由で転職まで考える人は4人に1人にとどまります。
Q.3「女性であること」が理由で、職場で経験したこと(感じたこと)は?

最も多かったのは「お茶出し、掃除などを任される」で38.2%、次いで「給料が低い」で36.5%、「給料が上がりにくい」35.9%となりました。「とくにない」が24.0%あるものの、大多数の女性が職場で格差を実感していることがわかります。
Q.4 「女性であること」は職場でどう影響する?

「女性であること」は、職場でどう影響するか尋ねてみたところ、「やや不利になる」が43.1%と1位になりました。「影響しない」が25.6%あるものの、「有利」と捉えている人が18.6%に対し、「不利」が55.7%と約3倍の差があります。
それぞれのフリーコメントを抜粋してご紹介します。
- とても不利になる
- 任されていた仕事が軌道に乗り始めると男性社員にバトンタッチし、順調に結果が残せたらその人が出世する。立案、計画、実行の途中まで任されていてもその評価は無かったことにされ、部門長からも「補助、雑務、事務」としてしか見てもらえていない。(40代/営業系/正社員/東京)
- 役職者や外回りの営業であってもお茶出し・掃除などの仕事をさせられ、その時間に合わせて仕事をスケジュールしないとならない。男性は新入社員であっても免除されている。(50代/事務・経理・人事系/正社員/静岡)
- 結婚と出産を当たり前と言われつつ、妊娠すれば迷惑と言われ、産休はずるいと言われ、退職して数年後に就活すればブランクがあると断られる。何一つ有利なことがない。(40代/サービス・販売系/アルバイト・パート/三重)
- 不利になる
- 女性特有の体調不良を理解してもらえないと、ただサボってるだけのように思われる。(30代/事務・経理・人事系/契約社員/京都)
- 女性というだけで、でしゃばるな感がある。長年働いても、役職へ行くまでの道のりは遥かに男性より遠い。(30代/コンサルタント・専門職系/正社員/富山)
- どうしても産休をとったりしなければならず昇給もみこめなくなったり、保育園の申し込み、お迎え、保護者会、何から何まで女性が対応することが前提。仕事だけ遂行すればいいというわけではない。(40代/介護・医療・福祉系/正社員/東京)
- やりすぎてもダメだし、普通にやっても女だから、と言われる。(50代/事務・経理・人事系/契約社員/神奈川)
- 通常業務に加え、会社内での清掃業務(ゴミ出しやダンボールなどの撤去)を任されるため。(20代/事務・経理・人事系/正社員/大阪府)
- やや有利になる
- 生理休暇が取れる。(20代/事務・経理・人事系/正社員/大阪)
- 女性だからやらなくていい仕事がある(重作業や責任のある仕事)。(20代/介護・医療・福祉系/正社員/愛知)
- 福祉職なのでむしろ女性優位のことが多い気がする。管理職も女性が多い。(20代/介護・医療・福祉系/正社員/東京)
- 今は男性より女性が過度に守られている時代なので、男性社員より女性社員の方がサポート体制がしっかりしていたり、いろいろ守られているように思う。(30代/事務・経理・人事系/正社員/東京)
- とても有利になる
- 外見がまあまあいいので可愛がってもらえる。(20代/エンジニア系/正社員/東京)
- 営業職で、取引相手は社長や人事の偉い人が多かったため自然と男性相手になる。そのため女性の方が好かれやすく、売り上げも良い傾向があった。(20代/営業系/正社員/埼玉)
- 影響しない
- 昇給、昇進なども査定を元にしており、判断基準が明確なので。(30代/サービス・販売系/正社員/東京)
- 外資系企業のため、ジェンダー、年齢、ハラスメントについては、大変厳しく教育されており、社内規定に反する行為をした場合、すぐに上司より指導が入る。(50代/営業系/正社員/千葉)
- 働き方は自分次第で変えられる。やろうと思えばできるし、できないと思えばできない。男性だからとか女性だからではなく仕事をするかしないか。仕事にジェンダーは関係ない。(20代/サービス・販売系/正社員/山口)
Q.5 職場のジェンダーギャップ解消のためには、何が必要だと思う?

1位は「社長(経営層)の意識が変わる」で59.6%となりました。トップそのものが意識を変え、会社を変えていく必要性を感じている女性が多そうです。次いで「誰でも育休が取りやすい環境にする」53.7%、「リモートやフレックスなど柔軟な働き方ができる環境が整う」46.5%となりました。
「その他」のコメントは以下ようなものがありました。
- そもそも「男」「女」ということで区分けされている時点で違和感。女性だから活躍しろ~っていう風潮あるけど、何かそれも違う。同じ女性でもガッツリ働きたい人もいればそうでない人もいる。男女関係なく、頑張りたい人が頑張れる環境の整備が必要だと思う。(30代/事務・経理・人事系/派遣/島根)
- 職場だけでは意識は変わらない。生まれた時の環境から変えないと無理。(40代/事務・経理・人事系/正社員/千葉)
- 女性側の意識改革。女性であるがゆえの甘えをなくす。(50代/サービス・販売系/正社員/千葉)
- なめてかかる男の鼻をへし折りまくる。(30代/エンジニア系/正社員/愛知)
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。
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