第42回

女性エンジニアの光と課題

女性エンジニアの光と今後の課題について聞いてみました。

2022.01.11

アンケート実施期間/2021年11月18日~12月15日 有効回答数/79名
調査方法/女の転職type、type、type IT派遣の女性エンジニア会員、および(株)キャリアデザインセンター社員の知人・友人の女性エンジニアに対してWeb上で調査

今回の調査でわかったこと

●ITエンジニアになった理由は「手に職をつけたい」
●職場で苦労したことは「女性のロールモデルがいない」
●ITエンジニアに向いている人は「論理的に物事を思考できる人」
●IT業界にもっと女性が増えるために必要なのは「ITエンジニアは文系、理系関係なく目指せる仕事だという理解が進む」こと

ITエンジニアになろうと思った理由は、「手に職を付けたい」「専門的なスキルを身に付けたい」が上位で、スキルの体得を目的としている人が多いことがわかりました。
職場の女性比率は2割以下が約半数と、やはり女性はマイノリティです。そのため「職場に女性のロールモデルがいない」や「生理などの体調不良が言い出しづらい」などを苦労ポイントとしてあげる人が多くいました。
女性がITエンジニアというキャリアを歩むメリットは、「専門的なスキルが身につく」「スキル次第で性別関係なく活躍できる」「リモートワークができる」が上位となり、いずれも6割を超える人が回答。「メリットはない」と回答する人はいませんでした。他職種の女性がITエンジニアに転身することをお勧めする人は約6割で、お勧めしない人の2倍です。
IT業界にもっと女性エンジニアを増やすために必要だと思うことは「ITエンジニアは文系、理系関係なく目指せる仕事だという理解が進む」「ITエンジニアは男性の仕事という固定概念をなくす」「女性は論理的思考、数学が苦手、というジェンダーバイアスをなくす」が上位で、誤解や偏見がなくなることがIT業界に女性が増えるきっかけになると考える人が多いことがわかりました。

Q.1ITエンジニアになろうと思った理由は?

 ITエンジニアになろうと思った理由は?
※複数回答

ITエンジニアになろうと思った理由を尋ねると、1位は「手に職を付けたい」61.0%、2位は「専門的なスキルを身に付けたい」58.4%となり、スキルの体得を目的としている人が多いことがわかりました。次いで、「世の中に役立つものづくりがしたい」「プログラミングが好き」「小さい頃からコンピュータが好きだった」など、やりたいこと・好きなことを仕事にしたいという理由が続いています。

Q.21週間あたりどのくらい学習してる?

1週間あたりどのくらい学習してる?

学習時間について尋ねると、1位「1時間程度」24.1%、2位「30分以下」19.0%、3位「何もしていない」16.5%となりました。一方、2時間以上の合計は40.5%、「5時間以上」も10.1%おり、意欲的に学習に取り組む人とそうでない人で二極化している様子が見て取れます。

Q.3勉強方法は?

勉強方法は?
※複数回答

学習方法は「書籍」63.3%が最も多く、次いで「Webサイト」43.0%、「社内の勉強会、セミナー」「オンライン学習サービス」30.4%となりました。

Q.4職場の女性比率は?

職場の女性比率は?

職場の女性比率は「2割」27.8%が最も多く、次いで「3割」26.6%となりました。約半数の職場で女性比率は2割以下と低いことがわかります。半数以上(5割以上)が女性と答えた人は、わずか13.9%でした。

Q.5女性であることが理由で、職場で苦労したことは?

女性であることが理由で、職場で苦労したことは?
※複数回答

女性であることが理由で、職場で苦労したこと1位は「職場に女性のロールモデルがいない」46.8%、2位は「生理などの体調不良が言い出しづらい」44.3%、3位は「職場に女性の相談相手がいない」29.1%となりました。Q.4の結果からもわかるように、職場で女性が少ないことが理由で苦労した経験がある人が多いことがわかります。
一方「苦労したことはない」も17.7%おり、以下のようなコメントも見られました。

その他コメント
まだまだ男性が多い環境ですが、だからこそやりやすいこともあると思う(40代/千葉)
コミュニケーション力のある女性が重宝される(30代/東京)
女性が少ないからこそ、職場の女性とこれからのキャリアをどう描いていくか、お互いの人生を応援し合えるような関係が築けている(20代/東京)

Q.6女性がITエンジニアというキャリアを歩むメリットは?

 女性がITエンジニアというキャリアを歩むメリットは?
※複数回答

女性がITエンジニアというキャリアを歩むメリットは、1位「専門的なスキルが身につく」67.1%、2位「スキル次第で性別関係なく活躍できる」64.6%、3位「リモートワークができる」62.0%となり、いずれも6割を超える人が回答しました。「他職種より高年収が狙える」「人手不足で転職しやすい」も約4割の人が選んでおり、ITエンジニアはスキルを武器に柔軟な働き方や年収アップの可能性が広がりやすいことが見て取れます。

Q.7他職種の女性がITエンジニアに転身する(目指す)ことは、お勧めできる?

他職種の女性がITエンジニアに転身する(目指す)ことは、お勧めできる?

他職種の女性が今後ITエンジニアに転身する(目指す)ことをお勧めするか、という質問に対しては、「やや勧める」53.2%が最も多い回答となりました。「大いに勧める」6.3%も含めると推奨派は約6割となります。「あまり勧めない」「まったく勧めない」の非推奨派は約3割で、推奨派の方が倍近い結果となりました。

Q.8どんな人がITエンジニアに向いている?

どんな人がITエンジニアに向いている?
※複数回答

ITエンジニアに向いている人について尋ねると、1位「論理的に物事を思考できる」72.2%、2位「学習意欲が高い」69.6%、3位「トライアンドエラーを繰り返せる」59.5%となりました。「新しいことへの好奇心が強い」「コミュニケーション能力が高い」も半数以上の人が回答しています。

Q.9未経験からITエンジニアに転職した方に質問です。転職前に準備したことは?

未経験からITエンジニアに転職した方に質問です。転職前に準備したことは?
※未経験からITエンジニアに転職した人のみ(n:42)

転職前に準備したことは、「独学でプログラミングを学んだ」が最も多く45.2%の人が回答しました。「何もしていない」35.7%が2位となっているものの、何らの準備をした人が約64.3%と多くいることがわかりました。

Q.10 IT業界にもっと女性エンジニアを増やすために必要だと思うことは?

 IT業界にもっと女性エンジニアを増やすために必要だと思うことは?
※複数回答

IT業界にもっと女性エンジニアを増やすために必要だと思うことを尋ねると、1位「ITエンジニアは文系、理系関係なく目指せる仕事だという理解が進む」58.4%、2位「ITエンジニアは男性の仕事という固定概念をなくす」51.9%、3位「女性は論理的思考、数学が苦手、というジェンダーバイアスをなくす」49.4%という結果となりました。

その他コメント
エンジニアの仕事内容の理解が進み、具体的な働き方のイメージができれば、キャリアの選択肢にあがってくると思う(20代/東京)
業務時間中に勉強や研修参加が認められるようになる。バグ発生時のオンコール対応やリリース前の土日や夜出勤が当たり前の風潮を変えて育児と両立しやすくする(30代/東京)

Q.11最後に、ITエンジニアを目指す女性にメッセージをお願いします!

女性だから、文系だからといってエンジニアを諦める必要はないです。頑張ってください!(20代/東京)
意欲があればできる仕事であり、作ったものが誰かに使われるやりがいがあります(20代/宮城)
全くの未経験でしたが、「SEは専門知識より人の話を聞いて、何をしたいのかが聞き出せる人が向いている」という言葉で決めました。今はテレワークなので通勤ラッシュにも合わず、自分の時間も取れて満足しています(40代/東京)
やり方次第で、昇給、副業が可能な職種です。人材不足のため子供や家庭を犠牲にせずに一生働ける業界だと思います(50代/京都)
ITエンジニアは働く時間や場所の自由度が高くて働きやすく、スキル次第で性別関係なく活躍できる比較的公平な職種だと思います!ひたすらキーボードを叩き続けているイメージと思う人もいるかもしれませんが、意外とコミュニケーション力が大切だと感じています。分かりやすく説明することや人と話すことが得意・好きな人に向いている仕事なので、そういった女性は是非自信を持ってITエンジニアを目指してほしいです!(20代/東京)
SEはコミュニケーションが苦手な人が多いです。しかし私は前職で接客業の経験があるので、それを武器にどんな時もコミュニケーションを取る事を日々心がけていました。女性が少ないIT業界ですが、そんな業界だからこそ女性が得意とするコミュニケーション能力を武器に、これから大いに女性が活躍する業界へと成長できたら嬉しいです(20代/東京)

回答者属性

回答者属性
回答者属性
回答者属性

※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。

調査データの引用・転載について

他の調査データも見てみる

『女の転職アカデミア』とは

『女の転職type』がお届けする、
転職活動を一歩前に進めるためのお役立ちコーナーです。

転職を成功させて理想の未来を手に入れるには、自己分析から企業研究、書類作成に面接対策まで、やることがたくさん! その途中で、悩み立ち止まってしまうこともあるでしょう。そんな時、ここに来たらヒントが得られて道が開ける。皆さんにとって、そんな場所でありたいと願って運営しています。