
転職活動で魅力的な自己PRを可能にするキャリアの棚卸しの方法
キャリアの棚卸しは、これまでの経験やスキルなどをダイレクトに掘り下げる取り組みです。これは、転職活動の中でも特に重視される部分で、自分に合った職場に転職したいと思っている人が避けて通ることのできない取り組みです。今回の記事では、そんなキャリアの棚卸しのメリットややり方について詳しく解説します。
自己分析で役に立つキャリアの棚卸しとは
さまざまな方法がある自己分析ですが、その中でもキャリアの棚卸しは仕事の中で行ってきたことを時系列ですべて掘り下げていく取り組んでいく方法です。具体的には、これまでの職歴と、その中で携わってきた業務を洗い出していく作業を行います。
また、これまで携わってきた作業をただ書いていくだけではなく、どんな姿勢でその仕事に取り組んできたかまでを含めて見ていく中で、自分の長所や短所、向いている仕事や苦手な仕事などをクリアにしていくことができます。
キャリアの棚卸しを行う4つのメリット
キャリアの棚卸しはどんなふうに転職活動に役に立つのでしょうか? ここでは、キャリアの棚卸しを行うことによってどんなメリットがあるのか4つの観点から紹介します。
自分のスキルを活かせる仕事かどうか判断しやすくなる
キャリアの棚卸しをすることによって、自分がどんなスキルを持っていて、そのスキルを活かせる職場とはどんなところなのかということを客観的に考えることができます。
これにより、企業が求めている人物像に自分はどれぐらい当てはまるのかということも分かるようになります。もちろん、スキルだけではなく、動機が重視される職場もありますが、企業と自分のスキルのマッチ度が分かるとミスマッチが防ぎやすくなります。
自分に合う職場が見つけやすくなる
人間は時間が経つと、過去に経験してきたことは忘れていくものです。しかし、キャリアの棚卸しによって、自分では大したことないと思って忘れていた出来事の中に、自分が大事にしている仕事観を発見することもあります。
このようにして書き出した自分の価値観は、自分と仕事の相性を考える上でとても役に立ちます。例えば、転職サイトの情報収集の中でも「ここは自分が働きやすそうな職場だな」ということが判断しやすくなります。あなたのアンテナに引っかかる仕事情報が増えると転職活動もスムーズに進みやすくなりますよね。
履歴書や職務経歴書でアピールすべきことが整理できる
企業に応募するときは、履歴書とともに職務経歴書の提出を求められます。職務経歴書は、これまで勤務した企業でどんな業務に携わってきたかということを書いていくものですが、これを書くにあたってのヒントになるのがキャリアの棚卸しです。
キャリアの棚卸しでは、ただ「何をしていたか」ということだけではなく、そこで獲得したスキルや実績、その仕事にどんな姿勢で向き合ってきたかということも記していきます。
さまざまな角度から自分のキャリアを羅列することによって、自分自身の強みやそれを証明するエピソードを集めることができます。そのため、履歴書や職務経歴書に取り組む前にキャリアの棚卸しを行うと、効率的に転職活動を進めることができるでしょう。
これからのキャリアを考える手掛かりになる
キャリアの棚卸しでこれまで身に付けたことが分かると、これからのキャリアはどんなふうに築いていきたいかを考える機会にできます。また、自分が目指すキャリアがある場合は、そこに近付くまでにさらにどんなスキルや知識、経験が必要なのかの道筋も見えます。
キャリアの棚卸しをしなかった場合に比べて、キャリアップのモチベーションや日々の仕事への向き合い方、勉強の仕方などにも変化が出る可能性があります。
キャリアの棚卸しのやり方
どんなメリットがキャリアの棚卸しにあるかが分かったところで、今度は具体的な取り組み方を見ていくこととしましょう。以下のステップを参考にしながら、実際に取り組んでみてください。
step1 今の仕事について一日の業務を書き出す
キャリアを振り返るにあたって、まずは現在や直近のお仕事のことから書き出してみると取り組みやすいでしょう。出勤してから帰るまで、一日の中でどんなことをしていたかを時系列で書き出していきます。
例えば、経理の仕事をしていた場合は、「9時にメールのチェックと朝礼」「14時から給与計算」「16時担当者への電話確認」などです。少しでも携わった業務はすべて書き出すのがポイントです。
step2 仕事の実績や工夫したことを書き出す
step1で書き出した業務に足してい、それぞれについてどんな実績を作ることができたか、ということやその仕事にどんな姿勢で取り組んだかということです。
実績の書き方は、「3年間常に全社の営業成績5位以内に入っていた」や、「社内の情報管理システムを作り、どこにいても各営業所での顧客対応状況が分かるようになった」など具体的な数字や事実を書くとよいでしょう。
具体的な数字で表せなくても、「担当したお客さまから感謝の手紙をいただいた」といった、社内の人やお客さまに評価されたこと、達成感を感じたこと、やりがいを感じたことなどを挙げるのもOKです。
仕事の中で工夫したことや心掛けたことを書き出すことは、仕事に対する姿勢を言語化するのに繋がります。例えば、「商談の場では、商品の話を一方的にするのではなく、まずお客さまのニーズを聞くことを徹底した」などです。
step3 初めての就職まで遡ってこの作業を繰り返す
step1とstep2の作業を、異動やポジションが変わるごとに最初の就職まで遡って取り組んでいきます。転職のタイミングだけではなく、部署が変わったタイミングなど、環境の変化で区切って書き出していくと分かりやすいでしょう。
step4 書き出した項目を一覧にまとめる
初めての就職のときまで遡って書き出すことができたら、それをエクセルなどで横軸を「洗い出した項目」、縦軸を「時系列」に1枚にまとめます。横軸の項目は以下のような感じです。
所属部署(プロジェクト)/在籍期間/職場(チーム)の規模/仕事内容/実績/使用ツール/取得した資格/仕事に対する姿勢/やりがいを感じたこと/苦手だったこと/失敗から学んだこと/習得したスキル/不満に感じていたこと
縦軸は、「1年目/2年目/3年目…」としても良いですし、「営業メンバー時代/営業マネージャー時代/マーケティング部時代」など職歴ごとにしてもOKです。
step5 特徴的な強みとそれを証明するエピソードをピックアップする
全体を書き出してみると、よく出てくる言葉や、成果を出したときの共通する環境など、あなたの特徴を物語る部分が見えてくるはずです。そういった、自分の強みとなる部分をいくつかピックアップしていきます。そして、その強みを手掛かりに仕事探しを進めると良いでしょう。
応募先によって求めている人材に違いがあるので、3つくらいピックアップしておいて、「この企業には、この強みが相性よさそう」と、その都度企業に合わせてアピールすることを変えると良いでしょう。
エピソードとなる部分にもチェックしておくと、面接対策するときに楽にすることができます。
自己PRにまとめる際は具体的で短い文章に
書き出したことを元に自己PRを作るときは、100文字~200文字ほどの文章の中に具体的な内容を含めて書き出します。
キャリアの棚卸しで書き出した経験や実績を裏付けとしながら、自分のスキルや長所を活かしてどのように企業に貢献することができるかということを表現するのが理想的です。
例えば、「前職では、お店の商品でお客さまに合ったメイクをするのが得意で、1日50個商品を販売したことがあります。お客さまが、御社の商品を上手に日常に取り入れられるよう、お客さまの化粧品選びのパートナーとして、日々お客さまのお悩みや要望に向き合いたいと思います」といった感じです。
キャリアの棚卸しで、より魅力的な自己PRを実現しよう
いろいろなやり方がある自己分析の中にあって、キャリアの棚卸しは転職活動に直結する取り組みです。時系列を遡りながら携わった仕事を思い出していく作業は大変に感じるかもしれませんが、何となく書く履歴書や職務経歴書より、何倍も厚みのある自己PRを書くことができる取り組みです。
転職に役立つだけではなく、「自分が理想とするキャリアに近付くために何が必要なのか」ということが分かり、日々の過ごし方に対するモチベーションが上がることも期待できるので、楽しみながら取り組むと良いでしょう。
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